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旅支度:リュゲル視点

「すみませーん」


店先で呼び掛けると、奥の薄暗がりの中から熊型の獣人が姿を現した。

厚手の前掛けをつけている辺り、この店の主人に違いない。


「いらっしゃい」

「騎獣を見せていただきたいのですが」


主人は俺をじろじろと値踏みするように見て、フンと小さく鼻を鳴らす。

感じが悪いな。商人でもたまにいるが、こういう手合いは客の懐具合を勝手に判断して態度を変える。

熊型の獣人は総じて巨躯だが、この主人もロゼ以上に上背がある。彼からすれば俺なんてほんの子供にしか見えないのだろう。


「はいはい、騎獣ね、何にする?」

「なにがありますか?」

「一通り揃っているよ、ピオスにドー、アグリロ」


店を出て、裏手へ俺を案内しつつ主人は騎獣の種類を挙げていく。

騎獣というのは騎乗用に慣らした魔獣の総称だ。

ピオスは馬に似た魔獣で、一般的に騎獣と言えばこのピオス、もしくはドーを指す。

ドーは鳥型の魔獣、走ることに特化した強靭な足を持っている。陽気で懐っこくて主に従順だが、少々気まぐれなところがあるので扱いにはコツが必要だ。

犬型の魔獣アグリロは鋭い牙を持ち忠誠心が高く、戦力としても期待できるが、元の性質は獰猛なためしっかり躾けないと主にすら牙を剥く。

アグリロを騎獣として用いるのは専ら軍だ。躾の行き届いたアグリロは自ら主のために戦うからな。

だから恐らく、ここにいるのは騎士団が森の見回り絡みで町によく足を運ぶから、専ら話題性目当ての客寄せ用だろう。そんな騎獣が果たしてどれほど役に立つのか。

もっとも、アグリロは元から候補に入れていない。


「さて、ここだ」


店の裏には厩舎があった。

中で分かれた房ごとに騎獣が繋がれている。


「どれにする?」

「ピオスを二頭見せていただけますか」

「二頭?」

「連れがいるので」


急に主人が笑い出した。

何事だろうと見上げていると、大きな手で俺の背を遠慮なく叩いてくる。

地味に痛いな、客にする態度じゃないだろう。


「お兄さん、大丈夫かい?」

「何がですか?」

「ピオス一頭でも荷が勝ちそうだが、二頭だなんて、そのお連れさんも呼んできた方がいいんじゃないか?」


つまり俺一人で二頭ものピオスを調伏するのは難しいだろうと、そういう意味か。

つくづく見くびられたものだ。

騎獣を購入する際、絶対にしなければならないことがある。

それは騎獣を力でねじ伏せ、立場の上下を明らかにした後、名付けをして主従の契約を結ぶこと。

魔物の世界は単純で、まさしく力こそすべて、だ。

純粋な戦闘力、能力、そういった目に見えて明らかなものによって格付けがなされる。

存在自体が曖昧な魔物にとって、自らを主張する手段としての実力行使は手っ取り早く分かり易いんだろう。


「いえ、問題ありません」


まだ俺の背を叩いていた主人の手を払い除けながら告げると、こちらへ向けられている視線に険が混ざる。

気分でも悪くしたか、こっちこそさっきからいい迷惑だ。


「そうかい、それじゃちょっと待ってな」


そう言って厩舎へ入っていった主人は、少しして、ピオスを一頭連れてきた。


「待たせたね、どうだい兄さん、こいつはうちで扱っている中でも特にデカい、その分体力は折り紙付きだ」


確かに大きい、俺を睨み返すピオスの目はうっすら血走っている。

この巨体を厩舎の狭い一室に押し込められていたから気が立っているんだろう。気性も荒そうだな、これなら戦力としても期待できるか。


「あと一頭お願いします」

「おいおい兄さん、こいつ一頭でこれだぞ、取り敢えずこいつの相手をしてから、もう一頭購入するか考えたらどうだい?」

「代金は足りると思いますが、このピオスともう一頭でいくらになりますか?」


主人の顔色がいよいよ曇る。

こちらとしてはさっさと騎獣を購入してハルとロゼに合流したいんだ、余計な手間を取らせないで欲しい。


「あー、代金ね、そうだな、こいつともう一頭で十四、いや、十二万ラピでいいよ」


安い。

二十万ラピ程度を想定していたのに。

騎獣は価値によって価格にも違いが出るが、ピオスやドーなら一頭あたり十万ラピが相場だ。

吹っかけてきた時の交渉も考えていたが、一応手持ちは相場より多めに用意しておいた。舐められて得したな、余りは別の用途に回せる。


「本当にその値段で売っていただけるんですか?」


一応言質を取っておこう、後でごねられても面倒だ。


「ああ、調伏できたならそれでいい、さて、今もう一頭を連れてくる」


素が出たな。恐らく普段は観光客相手に適当な商売でもしているんだろう。

騎獣は扱いが難しいから、旅行客はもとより、冒険者でもあまり用いることはない。

でも長旅の足としてはとても便利だ。乗りこなすだけの力量があると周囲へ無言の牽制にもなり、弱い魔物は騎獣を恐れて寄ってこない。

主従の契約を結べば滅多なことでは逃げ出さない上に、もしはぐれたとしても騎獣は主を探すから、馬と違って二度と戻ってこないなんてこともない。

加えて、基本魔獣は何でも食う。だから食料の確保も容易い。


「はいよ、兄さん、こいつはうちの店で二番目にデカい、こいつら二頭で十二万ラピさ、お買い得だろう?」


次に連れて来られたピオスは大人しい。

いや、大人しいというより、黙して俺の力量を計っている。頭が良さそうだな、体格も最初のピオスと引けを取らない。よし、この二頭にしよう。


「調伏はここでして構いませんか?」


大抵の騎獣屋には厩舎の他に調伏用の広場が併設されている。

この店の厩舎の奥にも開けた場所が見えるが、余計な手間をかけさせられたから、手っ取り早く済ませてしまいたい。


「ああ、構わんよ」


鷹揚に答える主人に頷き返して、服の袖を捲った。

ピオスを拘束している捕縛鎖が外される。

この捕縛鎖には呪いを封じた魔力結晶が取り付けられていて、魔物の力と思考を強制的に奪う。再び自由を取り戻した時、魔物は大抵怒りに我を忘れ、目前の対象が何であれ襲い掛かってくる。

―――調伏に失敗し、購入者が命を落としても、その責を咎める法は存在しない。

例えるなら、ろくに装備も整えず、手形の申請もせず、勝手に野外へ飛び出していくようなものだからな。扱いは結果魔物に殺された時と同等だ。

ただ、販売者は購入者へ調伏に挑む意思の有無を事前に確認する義務があって、これを怠ると罪に問われるらしいが。

この主人は俺が死ぬと思っている。

そして、鎖を外されたピオスたちは同時に俺めがけて踏みつぶさんとばかりに前足を大きく持ち上げた。

同時にこちらからも前へ一歩、それぞれの足を掴み投げて体勢を崩させる。どうと倒れた巨体の、首めがけて手刀を一発ずつ打ち込むと、二頭のピオスは呆気なく昏倒した。

これでよし。

まあ、死なせたら元も子もないからな、少しすれば目を覚ます。調伏は無事に完了だ。


「ひい」


か細い声が聞こえて振り返ると、主人が尻もちをついた格好のまま地べたに座り込んでいた。

騎獣を扱う店の主人がそんな為体でどうする。今後は客を見た目で判断せず、精々商売に励め。


「主人」

「は、はいッ」


けど、怯えて震えている大きな熊っていうのは、なんというかその、少し可哀想というか、可愛いな。

大抵の獣人はどうしてこう、モフッとしているんだろう。いい歳をした親父でさえこれだ、本当に罪作りな種だと思う。

人の親父は微塵も可愛くないもんな。


「さっき十二万で構わないと言いましたね?」

「はい」

「これが代金です、二頭が目を覚ましたら名付けをするので、その用意を頼みます」

「か、かしこまりました」

「手間賃として追加で二万払います、一頭二万で合計四万」


総額でも十六万ラピ、四万ほど浮いたな。この金で荷台を借りて、領主様の街まで馬車で行こう。

数日かかる距離だから、馬車があれば宿代を浮かせられるし、最悪ハルを野宿させずに済む。


「まいど、有難うございます!」


まだ座り込んだままの主人に手を貸してやろうとしたら、慌てて自力で立ち上がって、小走りで店へ戻って行った。

やれやれ、さて、こいつらの名前をどうするかな。

片方の毛色は黒、片方はうっすら緑がかっている。


「んー、クロ、と、ミドリ、か?」


順に指して頷く。

名は体を現すっていうからな、我ながらいい名前だと思う。こういうのは分かり易さ第一だろう。


―――その後、二頭が目を覚ましたところで主人が名付けの用意をして戻ってきたので、名前を付けて主従契約を結んだ。

名付けは縛りを強くするなら使役者の血を使うんだが、あまり強固に関係を結んでしまうと騎獣に負担がかかり過ぎる。ピオスやドーには魔力だけで十分だ。

隷属の紋様を描いた杯に魔力を通すと透明な液体が湧きだす。それを呑ませて、対象に向かい名を告げれば契約は完了だ。


「よし、クロ、ミドリ、これからよろしくな」


名付けてみれば、どちらも先程の勢いは鳴りを潜め、大人しい。

騎獣を持つのは初めてだが、結構いいんじゃないか? これで王都まで旅の足は確保できた。

ハルも気に入ってくれると嬉しいんだけどな。


「さてと」


主人と交渉して騎獣の引き取りを明日にしてもらい、荷台を手配してから、ハルとロゼを探す。

店が並ぶ通りの方にいるはずだ。シェフルはそれほど広くないから、少し探せばすぐ見つかるだろう。


「ん?」


ピイピイと鳥の鳴く声がして、目を向けた先に、肩に白い小鳥を乗せて、蜂蜜色の長い髪を背に垂らした姿を見つけた。

ハルだ。

森では大変な目に遭ったのに、ここへ着いてからずっとはしゃいでいたな。

あいつは俺が思っているよりずっと強く育っていたのかもしれない。

傍にロゼがいない。

何をやっているんだ、ハル一人にしたら危ないだろう。後で言っておかないと。


「ハル」


呼ぶと振り返ったハルは、俺に気付いた途端「リュー兄さん!」と声を弾ませる。

その姿があまりに微笑ましくてつい口元が緩んでしまう。


「どうしたんだ?」

「凄いんだよこの店、ほら、素材になる花や草がこんなに沢山!」


なるほど、ここは主に薬草を取り扱う道具屋だ。

店先には様々な種類の、薬効があったり、触媒になったりする草花が茎を水に浸した状態で並べてある。

これらは食用にも、見栄えがいいものは贈答用にもなる。このピンク色の花なんかハルによく似合いそうだ。

しかし素材か、まったく、もう少し年頃の女の子らしい反応をしても良さそうなものだが。


「それはいいが、ロゼはどうした?」

「え、あれ?」

「はぐれたのか?」

「あ、うん、ええと、どこかに置いてきちゃったかも」


ハルの肩で鳥の姿のモコがピイと鳴いた。

なるほど、どっちもどっちというわけだな。これは、ロゼを責めるのは程々にしておこう。


「見て回るのは構わないが、お前はこういう場所は初めてなんだから、ロゼと一緒にいないとダメだろう」

「うん、ごめん」

「この町はまだ規模が小さい方だ、もっと大きな街へ行ったら、好きに行動しているとすぐ迷子になるぞ」

「はーい」


でも、とハルは俯きがちに呟く。


「いざとなったらオーダーを使って探すから、大丈夫じゃないかな?」

「街中ではやめておけ、大抵の獣人は匂いに敏感だ、それに呼んだ精霊が故意でなくても誰かに迷惑をかけてしまったらどうする」

「あっ、そうか」


やれやれ、旅の間に世間のことをもっとよく教えないとな。

ハルにとって今まで村での生活が世界の全てだった。

こいつは読書が好きだから、同年代と比べて知識は相当なものだと思うが、体験を通してしか得られない事もある。

そういったものを、これから傍で見守り、導いていくのが俺達兄の役目だ。


「自力は流石に無理かな、分かったよ、これからは勝手にウロウロしない」

「よし」

「だけど私もう十五だよ」

「こういうことに年齢は関係ない」

「はーい」


来年には、ハルは世間的に成人扱いされる年齢になる。

だけど俺にとっては幾つになっても可愛くて世話の焼ける妹だ。こいつのおしめを替えていた頃を今でも昨日のことのように思い出せる。


「兄さん、今変なこと考えていたでしょ」

「変なことってなんだ?」

「分からないけど、気配を感じた」


なんだそれは。

そろそろ行くぞと促して、歩き出した途端に人とぶつかった。


「ああ、すいません」

「痛ってぇ! おい兄ちゃん、どういうつもりだコラ!」


その、ガラの悪そうな男がずいと鼻先を突き出して俺を睨みつける。


「ちゃんと前見て歩けよ、喧嘩売ってんのか」

「いや、そんなことは」

「兄貴、今ぶつかったところ、ここ、汚れてますぜ!」

「ああん?」


は?

男のツレの貧相な男が指したその場所には、どう見ても数日前に付いただろう泥汚れがこびりついている。

毎日家事をこなしているんだ、これくらい見ればすぐに分かる。第一、俺はどこも汚れていない。さっきピオスを調伏して、多少服が埃っぽくなった程度だ。


「うわっマジかよ、この服結構いい値段したんだぜ、どうしてくれるんだ!」

「こりゃあ弁償するしかねえよな、なあ兄ちゃん?」

「金で解決できるんなら安いもんだろ? それとも一緒に屯所へ行くか? さっきアンタにぶつかられた場所が痛くてなぁ」

「兄貴、そりゃいけねえや、こりゃ治療費も払ってもらわねえと」

「ほら兄ちゃん、ここじゃ他の通行人の邪魔になっちまうからよ、あっちの路地へ行ってじっくり話し合おうや、俺もあまり大事にしたくないからよ」

「そっちのお嬢ちゃんも一緒においで、へへッ、なんだったら金の代わりにその子を一晩貸してもらうんでも構わねえぜ?」

「初心そうな子じゃねえか、仕込みがいがありそうだ」


ガラの悪そうな男がハルを見ながらべろりと唇を舐める。

ビクリと震えたハルは、俺の後ろへ身を隠した。ふざけたこと言いやがって、俺はともかくハルを怖がらせたことは絶対に許せない。

背後にハルを庇いつつ男達を睨むと、二人は「やるのか兄ちゃん」「やめておきな、兄貴は強いぜ?」と俺を下に見て笑う。

騎獣屋の主人といい、今日は厄日か?

もう少し迫力が出るよう身なりを変えた方がいいんだろうか。

こういう時は一番強い奴を黙らせるのが手っ取り早い。ガラの悪い方の前歯でも折ってやるかと軽く拳を握りしめる俺に、二人はゲタゲタと品のない笑い声をあげる。


「おい」

「あ?」


突然降ってきた声に、顔を上げた貧相な男の姿が一瞬で吹っ飛んだ。

一体何事だ?

思いがけず目を見開く俺と、唖然としているガラの悪い男の間に踏み込んできたのは、ロゼだった。


「お前、僕の可愛い弟と妹に何か用か?」

「え、は?」

「生憎こちらに用はない、見逃すのは一度だけだ、さっさと失せろ」


こいつ、さっき貧相な男の頭を掴んで投げたな。

俺もそれなりに腕力に自信あるが、相変わらずロゼの怪力ぶりは相当だ。なのに外見からはあまり筋肉質な印象を受けない、背はかなり高いが。

ロゼの有無を言わせない迫力に、遠巻きに騒ぎを見ていた野次馬達もじりじりとこの場から離れていく。

それでもガラの悪い男は必死の剣幕で「ふざけるな!」とロゼに殴りかかろうとした。

直後、ロゼに軽く蹴り飛ばされて勢いよく後ろへ転がり、路上に伏したまま動かなくなる。まさか死んでないよな?


「フン、あの手の輩は久々だな、大丈夫かい、リュー、ハル?」

「う、うん、ロゼ兄さん凄いね!」

「僕にかかればこんなものさ、ハル、もっと褒めてくれていいぞ」

「格好良かった! ありがとう兄さん!」

「ハハハッ、可愛い妹からの賛辞はいかなる美酒にも勝る! ほら、リューも僕を褒めるといい!」

「助かった」

「もう少し何かないのか?」

「ハルから目を離して何やってるんだ」


うぐ、と呻いて黙り込むロゼに、軽く溜息を吐く。

俺一人でもどうにかできたが、取りあえず助かった。

これ以上の面倒事はご免だから、近くの店の店員に事のいきさつと路上に倒れている二人のこと、警邏中の騎士団員が来たら伝えて欲しいと頼んで、二人を促し場所を移動する。


「いやすまない、ハルに似合いそうな小物を見つけてね、眺めていたらいつの間にかはぐれてしまった」

「私もごめんなさい、あちこち目移りしちゃって、ロゼ兄さんを置き去りにした」


適当な飲食店に入り、卓を囲んで二人の言い分を聞く。


「お前たち、さっきのことでもっと気を引き締めてくれ、町中ではああいうことも起こるんだ、もしハル一人だったら今頃どうなっていたか」


想像するだけでゾッとしない。

ロゼも、いつになく神妙な顔で頷いている。


「そうだよね」

「本当に面目ない」

「もっと気を付けるよ」

「お兄ちゃんだてらに不甲斐なかった、反省している」


謝る二人を見ながら、俺にも非があったと省みる。

男の気配に気付かずぶつかってしまった、それがもし故意であったとしてもだ、いつもなら避けられたはず。

ハルと話して、気が緩んでいたせいだろう。

これまではロゼと二人だったが、これからはハルがいる、もっとしっかりしなければ。


「なんにせよ、怪我がなくてよかった」


そう告げると、途端に二人はパッと表情を明るくして、嬉しそうにニコニコ笑いだす。


「ねえ兄さん、注文してもいい?」

「お前な」

「僕も頼んでいいか?」

「はあ、ったく、好きにしろ」

「やった、ねえ兄さんも食べよう? 私お腹すいちゃったよ」

「僕は肉が食べたい、リューも肉を食べよう!」


ハルの肩で鳥の姿のモコが鳴きながら翼を羽ばたかせる。

そっと卓上に下ろしたハルが「モコも食べようね」と声をかけると、はしゃぐようにピイピイ鳴いた。


「お前は分を弁えろ」

「ロゼ兄さん、意地悪言わないで」


昨日と同じようなやり取りにどこかホッとする。

こうして兄妹三人、一緒にいられるだけで幸せだ。

―――今はそれだけでいいと胸の内で呟いて、ハルが卓に広げたお品書きを覗き込んだ。

ラピはエルグラート国内の通貨単位で、1円=1ラピです。

これはオリジナルでも差し障りないだろうと独自の設定です。

ちなみに1ラピ、10ラピ、100ラピは貨幣、1000ラピは紙幣となっております。

16万ラピは1000ラピ札160枚、ぶ厚いな、10000ラピ札も作りますかね。

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