さようなら、僕の日常
初投稿です
「おーい幸治、今日はもう帰るのか?」
「ん?あー、悟か。たまには早く帰ってシルキーを散歩にに連れて行ってあげたいからね。じゃ、さよならー」
僕の名前は犬塚幸治。年は16で私立高校に通う普通の学生で、趣味は料理だよ。
今話してたのは同級生の足立悟。小学校からの親友で、愛称はさとっち。
シルキーは僕の愛犬で犬種はラフコリー、体高は60cmで体重は30kgの大型のワンコで性別は雌だよ。
今日は久しぶりに部活を休んで夕方にシルキーを散歩に連れて行くんだー。
「うー寒い。ただいまー」
季節は冬、そろそろ雪が降り始めてもおかしくない時期だ。家に帰ったらいつも通りシルキーが尻尾を振りながらお迎えしてくれる。
「お迎えありがとうねー、シルキー」
そう言いながら僕はシルキーの頭を撫でてあげた。
「シルキーはかわいいねー」
このお迎えワンコはいつも僕を迎えに玄関まで来てくれるんだ。かわいいよねー。ついついもふもふしちゃうよ。
「さっ、シルキー久しぶりに夕方の散歩に行こっか」
僕は、ついついにやけながらシルキーと散歩に出かけた。それが家に帰れる最後とは知らずに。
シルキーは散歩に行くと、いつもルンルン尻尾を振ってるんだ、その姿がまたかわいくてついつい散歩を長引かせてもう日がほとんど沈んじゃってたよ。
―あれ?そういえばなんかやけに人が少ないな、いつもならこの時間帯は家に帰る子供たちがいるぐらいの時間なのに。
「今日やけに人が少ないね、シルキー。もう帰ろっか」
僕がシルキーにそう呟いてから足を踏み出そうとしたとき。
ゴゴゴゴゴゴ
地響きがしたかと思ったら道路のアスファルトを砕きながら地面が割れ出した。
シルキーも揺れていた尻尾を股の間に入れて震えていた。
「えっ!?何地震!?これやばいやつだよ!シルキー逃げるよ!」
そう言った時、地割れが急に大きくなり僕たちを飲み込んだ。
「―えっ?」
僕は何も出来ずただシルキーと共に地面の間に落ちていった。
(ごめんね、シルキー。僕が散歩に連れて行かなければ巻き込まれなかったかもしれないのに)
そう考えながら、僕の思考は闇の中に落ちていった。
はずだった。