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格上

ノーブルウルフとの戦いも慣れてきて、拠点である泉から離れた場所の探索に出かけた。


ブラッドナイフの取得も出来てノーマンウルフの毛皮を羽織っている。


ピッ


魔力察知(Lv3)で半径30m以内の魔力反応を捉える。


「初めて見る魔力だ」


格上の血を摂取して栄養が良いのか、体の成長も早くハイハイから二足歩行できるまでになった。


年齢は1歳位だと思うが体格的には3歳位の大きさだ。


フゴフゴッ


魔力察知に引っ掛かったのは体長5m程の猪型のモンスターだ。


鼻を地面にくっつけて匂いを嗅いでる。


もっとも注目を集めるのは猪の鼻が岩の様に固そうな感じだ。


「ブラッドアロー」


俺の魔法が通用するのか放ってみる。


ギィンッ


ブラッドアローが岩の様な皮膚に当たるも弾かれた。


ブモォオオオ!


猪型モンスターは攻撃されたと認識して周囲を見始める。


「ブラッドアロー」


ブヒィイ!


ズドォンッ


ブラッドアローを頭に向けて放つと簡単に突き抜けて地に倒れる。


スタッ


「頭は柔らかいっと。では、頂きます」


ズズズッ


【ロックボア(Lv6)の血を取り込み血魔法が強化されました。ブラッドハンマーを取得しました】


「甘くて旨い!」


獣臭いかと思うが、ロックボアの血液は甘かった。


「ブラッドハンマーってなんだ?」


【血液を凝固させた塊を相手に打ち付けます】


ハンマーと同じ使い方か・・・


「使ってみるか」


ロックボアの体は大きく大量の血液を手に入れられるからな。


幸い血液に困ら無さそうだ。


再び木の上に登って、別の個体が来るのを待ってみる。


ピッ


瞑想して待っていたら、ロックボアがやってきた。


今度は10mとバカでかい。


「ブラッドハンマー!」


木の上から飛び降りて油断している頭に振り下ろす。


ズドンッ


ブモォアアアッ!


確実にヒットした筈だったが押し返された。


フラフラッ


だが、確実にダメージは与えていたようで頭がフラフラしている。


「ブラッドアロー」


ビギィイイイ


ドドォン


【ロックボア(Lv10)を倒しました。レベルが上がります】


格上の筈だったが楽に倒せた。


「しばらくの狩場はここで良いかもな」


予想よりも楽に倒せて俺は天狗になっていた。


奴に会うまでは・・・


ブモォオオ!


「くぅう」


20m級のロックボアに挑んでみたら、全然ダメージが通らなかった。


反撃を食らって体力が大幅に減っている。


ガクガク


膝が震え、歯がカチカチとなる。


恐怖と痛みで涙がポロポロと止まらない。


恐らくコッチの攻撃力が相手の防御力を貫けていない。


ズドォンッ


バキバキバキッ


突進しながら木々を簡単にへし折ってくる。


逃げろ、逃げろ!!


俺は必死に逃げた。


行った事も無い森を考える余裕もなく逃げ続けた。


ブワッ


視界が一気に開け、目の前に草で覆われた大地が広がっていた。


ブモォオオオオ


バキバキバキッ


木々をへし折って、俺に真っすぐ向かってくる。


「うわぁあああ!」


俺は恐怖に負けて、泣き叫び草原へと逃げる。


周囲には誰かが居る気配はない、ポツポツと背の低い木が生えているぐらいだ。


死!?


背後から迫る死の権化から逃げる事しか考えられなかった。


バサッ


フッ


一瞬、俺の視界に影が落ちた。


ドスゥンッ


グォオオオアアアアア!


「ひぃいい!」


体長15m程の爬虫類の様な姿をした翼の生えた何かが空から降りてきた。


咆哮をまともに浴びて立ちすくむ。


ブモォオオオ!


背後からは奴が蹄で地面を掻いていた。


前門の飛竜、後門の巨猪に挟まれて絶望を感じる。


グォオオアア!


ドスドスドスッ


重低音を響かせて涎を垂らし殺気を振り撒き鋭い牙を見せて迫ってくる飛竜。


「わぁあああ!」


ただ悲鳴をあげる事しか出来なかった。


フッ


その鋭い牙で襲い掛かってくると思って身を丸くした。


ドスンッ


重量のある物が俺の横を通過していく。


「え?」


振り向けば、飛竜と巨大猪が壮大な戦いを繰り広げていた。


ドスンドスンッ


すぐ近くで暴れまわる2つの脅威に俺は少しでも遠くへと逃げるように走った。


ギャォオオオン!


ブシャァアッ


ブモォオオオ!


飛竜の鋭い牙が巨猪の首筋を捉えて大量の血が周囲にばら撒かれる。


ガクガクガクッ


凄まじい戦いを目の前にして足が震えて思いのほか離れられなかった。


ブモォオオオオ!


ドスゥン


1時間程にも及ぶ戦いは巨猪が倒れる事で決着がついた。


ガブシュッ


鋭い牙が巨猪の肉体に食い込みガツガツと食べる。


これが自然界の掟だと再認識する。


「今のうちに」


何とか脚の震えが収まりいつ飛竜のターゲットになるか分からず振り返らず森へと向かって走る。


ギャォオオオン!


飛竜の咆哮が背中に感じて森の奥へと逃げ込む。


「た、助かった」


全身、汗だくだったが九死に一生を得た。


飛竜が現れなかったら俺は巨猪に殺されていた。


巨体生物には見合った力が備わっている事を身をもって知る事が出来て次からは慎重に動こうと気を引き締めた。

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