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支配領域拡大④

バシャァッバシャッ


「くっ」


湖の領域を支配する為にやって来たのは良いが人型に鱗やヒレの生えたモンスターが空を飛んでいる俺に攻撃を放ってきた。


水中に身を隠して隙あらば水の魔法を放ってくる。


俺も反撃するが湖に魔法が飲み込まれて大した効果が見込めていない。


直接攻撃するにしても水の弱点を持つ俺は近づけないでいた。


「ダメージ覚悟じゃ、難しい」


バシャァッ


「くぅぅ!」


水を浴びた箇所で火傷が発生する。


「ウィンドカッター!」


新たに取得した風魔法ウィンから派生したウィンドカッターを飛ばす。


ビシュッ


不可視の風刃はモンスターにダメージを与えるが水の中に入っていってしまう。


「ショックウェーブ!」


ドバァアンッ


広範囲魔法で殲滅しようと放つが湖の水が衝撃の殆どを吸収してダメージが通っていない。


ジュォオオオッ


更に大量の水が降りかかりこっちにダメージを負う程だった。


「血操術」


血を操って火傷箇所を冷やす。


「これなら、ブラッドレイン!」


大量の血を湖の上空にまき散らす。


ザァアアッ


血の雨には攻撃力は持たないため、奴らは笑っている。


ジワァアッ


血は湖に溶け込んでいく。


ギャァワアアア!


ガバアアッ!


血の中に猛血毒を混ぜ込んでいた為、湖に溶け込んで直ぐに効果が発揮された。


体力を毒に奪われ、自由を麻痺毒に奪われ、意識を睡眠毒に奪われて奴らは浮く事しか出来なくなっていた。


「複数魔法、ブラッドクレセントムーン」


ズバァンッ


大量のブラッドクレセントムーンを放って、浮かび上がっていた奴らを両断していく。


【マーマン(Lv34)を倒しました。レベルが上がります】


大量の勝利報告が上がってくる。


ボコボコボコボコボコッ


マーマン達の血が湖に広がって中心部から気泡が大量に発生した。


ドバァアッンツ


湖の中心部からは巨大な蛇が姿を現した。


「やはり大きいな」


支配者たちは共通して巨大なモンスターだ。


そうならないと他のモンスターと戦えない為に巨大化を選んだんだろう。


「ブラッド」


ビィイイッ


ブシュッ!?


俺が魔法を放つ前に奴の口から細長い何かが放たれて、下から上に薙ぎ払われた。


魔力の流れを察知して避けたが、右腕一本が切り離された。


「止血」


ドバドバと出血する肩口を止血する。


バシャァンッ


切り離された右腕は湖に落ちて蒸気を発する。


「早く取りに行かないとな」


このまま放置していれば右腕を失くすことになる。


ビィイイッ


「くっ!」


再び細長い攻撃が放たれてよけ切る。


「ショックウェーブ!」


ドバァッ


巨蛇に対しての攻撃ではなく牽制として放って水に浮かぶ右腕を取る為に下降する。


ガパッ


「何発撃つ気だよ」


再び口を開いて細長い攻撃態勢に入る。


「マナインパクト!」


パァンッ


パァンッ


後方に魔力衝撃を放って加速する。


ザバァッ


ビィイイッ


左手で右腕を掴み水の中へと突っ込む。


その後ろに細長い攻撃が通り過ぎていった。


ジュォオオッ


全身が焼けるように痛む。


ザバァンッ


全身の肌が赤くなり火傷を負う。


「ハァハァハァッ」


グイッ


「血操術」


ビュルッ


傷口に右腕を合わせて血操術で繋ぎとめる。


「ブラッドレイン!」


ザァアアッ


マーマン達を苦しめた猛血毒の雨を巨蛇の周囲に降らす。


ギィイイイ


巨蛇は巨体を揺らして悶える。


あの水の攻撃は魔法で行っているだろうが、水自体は湖から取り込んでいると考えた。


予想通り、水に溶け込んだ猛血毒が奴の体に侵入した。


巨体ゆえに効果は薄い。


「ブラッドサイズ」


湖周辺に生息するデスマンティスの鎌を模した武器を作り出す。


「見様見真似、闇鎌三連」


あの時、隊長格が使っていた技を再現して太い胴体に向けて放つ。


ブシュォオオッ


黒い鎌が胴体に3つの爪痕を残す。


キェエエエエッ!


巨蛇は真上を向いて痛みに声を出す。


ヒュオッ


「コレを待っていた。猛血毒!」


血に混ぜた猛血毒を大口に投げ込む。


ゴボボボボッ


ガキンッ


吐き出そうとするが、魔力で口を閉じさせる。


ジワアアッ


3つの毒が巨蛇に巡り薄い青の表面を紫に染めていく。


ブシュッビュッ


目にも猛血毒が巡り血涙を流す。


「そろそろか」


フッ


魔力で支えていたのを解除する。


ドバシャァアンッ


ピクピクッ


巨蛇は水辺に浮かび意識を手放していた。


「複数魔法、ブラッドクレセントムーン」


5つの範囲魔法を巨蛇の胴体に連続で放つ。


ズバババッ


無防備な胴体は見事に両断されて絶命する。


【サーペント(Lv40)を倒しました。レベルが上がります】


【湖の王を倒した事により、サーペントの湖を支配領域にします】


【アリアの支配領域に湖を加えます】


【サーペントのスキル:水魔法を取り込みますか?】


「あぁ」


サーペントの血を飲んで新たな魔法が手に入った。


【水魔法のウォタを取得しました】


【ベイクラム王国、サーペンティン王国に挟まれた4つの領域を支配下に置いたことによりアリア小国が発生しました】


【王の威圧を取得しました】


なっ!?


思いがけない事に俺は驚いた。


つまり2つの王国に挟まれた上で小国が出来た事になった。


「この情報は2つの王国に伝わるのか?」


【伝わりません】


「伝わらないのかよ!」


【伝えますか?】


「止めろ! すぐに終わるぞ」


【伝える手段はありませんが】


「その両国はこの地域をどう扱っているんだ?」


驚かせやがって・・・


【モンスターが闊歩する地域と取り扱っています。アリア様が支配しているとは露ほども思っていないでしょう】


「とりあえず、南以外の脅威はその国以外は無いんだな?」


【大人しくしていれば問題ないでしょう】


「これで少しは平和に過ごせるか」


ここまで来るのに3年を要した・・・飛竜や2つの国が襲い掛かって来なければ自然あふれる場所だ。


ノンビリと過ごせるだろう。


この時は思ってもみなかった。


あの時、見過ごした彼女らが現れたるとは・・・

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