他属性魔法
ロックリザードの上位個体との闘いから帰ってきて俺は別の方法を模索する。
血魔法の弱点は血液を消費する点だ。
このデメリットがあるから楽々と倒せたと思っている。
メリットも用意されているのも確かだ・・・だが、今のままではダメだと感じた。
「教えてくれ導きの声。魔法の取得方法を」
【魔法スキルも後天的に発生します。1つ魔法スキル所持者から教わる。1つ魔法書を呼んで覚える。1つ自然の理を理解して自らの力で会得する】
1つ目と2つ目は無理だ。3つ目でしか会得出来ない可能性がある。
「自然の理か・・・俺の知識からヒントは無いか?」
森で目を覚ます前の記憶から探ってみる。
「魔法属性は幾つある?」
こういった世界では魔法にも属性がある。
【火、水、風、土の四大属性。光と闇については別枠ですが基本六属性と呼ばれています。四大属性の上位属性に炎、氷、雷、金があります。更に無、時属性が確認されています】
「無と時とは?」
【無属性魔法とは自然現象に関わる部分が無いという意味です。時というのは時間を操る能力です】
「時間か・・・」
時間操作はズルだろ。
【過去・現在・未来を断片を見る事ができる魔法です】
「戦闘中に時を止めるとかは出来ないのか?」
【膨大な魔力が必要とされています】
「未来予知とかのレベルか」
それでも重役の人間にとっては未来を少しでも先に見れるなら必要な力だ。
「って膨大な量の魔力で可能なのかよ」
無理とは言っていない。
【時属性に適正をもつ生命体は極僅かです】
「適正属性もあるのか?」
【基本は1属性の適性があると言われています。無属性も1つの適性魔法です】
基本六属性からあぶれたから無という訳ではないのか。
「俺の適正属性は?」
【血です】
「さっきとは違う属性だろ」
【闇属性の中で血です】
「血魔法は闇属性だったのか」
【シャドウワープも影魔法で闇属性に入ります】
「他の属性にも魔法として分かれているのか?」
【四大属性や上位属性にはありません。光と闇だけとなります】
「光だと?」
【治癒魔法、治療魔法、光源魔法等です】
「治癒と治療の違いは?」
【治癒は体力を回復。治療は異常状態を回復。光源は周囲を照らす魔法です】
「なるほど。闇は?」
【腐食、影、血、異常魔法等です】
「物騒なカテゴリだな」
【光や闇への適性する種族が少ない為ですね】
一杯居そうな属性だと思うんだが・・・
「俺は血と影を取得しているのか・・・腐食とかも取れる物なのか?」
【先ほどの条件で取得可能です】
「闇については」
【先ほどの条件をお探しください】
「この近くに街はあるのか?」
【ご自分で探してください】
導きの声は肝心な所なんかは教えてくれない。
結果を教えるのではなく、結果につながる部分までを導くようだ。
世界共通の認識は教えてくれるようだが、この森がどの辺にあるのかは教えてくれない。
そういうギフトなんだろう。
毒は既に持っているから他の異常についてか・・・検討がつくが確証はない。
例え麻痺という魔法があるとしても、どうやって麻痺になるのかが分かっていないから魔法として使えない。
まぁ、麻痺も神経毒で似た症状を引き起こせると思う。
神経毒?
自然と浮かんだ言葉・・・毒には様々な物があると認識してる。
これは元から持っていた記憶だ。
【毒には多岐にわたる効果があり種類も豊富です】
一言で毒と言っても何種類という効果がある。
出来ない事をするのではなく、出来る事を伸ばしていくか。
今後の目標に向かって努力する。