9001M列車 プロローグ
ノートは真っ白だ。鉛筆を鼻と口の間に挟んで、天井を見上げる。
(問題分かるんだけどなぁ。)
どうも鉛筆を動かす気にならない。そう、僕には圧倒的に不足しているものがある。
(今日来るとき見た新快速223系2000番台の5次車だったなぁ。)
それは集中力だ。
「真太君、どうかな。」
そういい一人の女の人が話しかけてくる。
「あら、さっきから何も進んでないじゃない。問題分からなかったのかな。」
と言う。
「問題なら分かったよ。」
そう言うと、
「じゃあ、ちゃんとノートに書かないとね。先生は真太君の頭の中までは覗けないからね。」
と言った。確かに、その通りなんだけど、書くのが面倒くさい。
僕はささっとノートに走り書きした。これでいいと言うよりも速く
「ちゃんと過程を書きなさい。答えだけ書いても先生にはどうしてそうなるのかわかりませんよ。」
と言われてしまった。
僕にとって問題を解く喜びって言うのはどうもよく分からない。この勉強法僕にはあってないんじゃないかな。そう思い始めた僕、輝真太。6歳・・・。
これから不定期で作品が出来上がり次第投稿と言う形で進めさせてもらいます。気長にお待ちください。