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Tsurune  作者: 初瀬川 航
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神宿しの弓士


ーこれは加護を得し弓士たちが怨霊、怨念を断ち

再び平穏を取り戻す物語ー

弓士たちが描く未来、奏でていく弦音は如何に!?

ー古来日本では弓で戦う人を弓士と呼んだ。何百年の時を経たこの時代でもそうであった。ただこの時代の弓士が戦っている相手は怨霊、たがらこそ人々は弓士を崇め畏怖してきた。

そんな背景から人々は彼ら、彼女らと自分達を区別する為に彼ら、彼女らを「弓士」と呼んだ。(それは尊敬と畏怖のどちらをも含んでいたが)ー




紅に染まる空の下二人の少女が天に向け弓を構えている。

ここは学校の屋上、二人以外に人の気配はない。

二人の少女が獲物を見つけたとばかりに矢を放つ、ただその瞳は無心そのものであった。矢が駆け抜け虚空を揺らす、そこに存在したものは姿形こそは人に近いものの漂わせているものは人ならざるものであった。人でいう心臓の辺りを穿たれた「それ」は光を散らして消えていく。

「これで全部?」

「ええ、おそらく...」

ポニーテールと落ちついた茶髪が特徴の少女と、黒髪とショートカットが特徴の少女が戦果を確認する。

確認が終わり敵が全滅したことを確認すると彼女たちは安堵の息をついた。

「じゃあ、帰ろうか。」

茶髪の少女が集中を解き黒髪の少女に声をかける



「それにしても不思議ですね」

「え?何が?」

黒髪の少女の突然の発言に少し驚いた表情を浮かべる茶髪の少女。

「あんなにも、恐ろしいものと戦っていても全く恐怖を感じない....貴方の背を追っていると....」

「...どうしたの急に?」

さらに驚き赤面してしまう茶髪の少女。

「一人で戦っていたときは式神がついてると分かっていても恐かったんですよ?」

「私はこんな風に戦っていることのほうが不思議だけど」

少しは余裕を取り戻した茶髪の少女が応える、

そう、気がつけばこの能力(ちから)に目覚め戦っていた。

守るもののためか自分の為かは分からなかった、それでも弓を引き続けていた。

「そう言われると不思議ですね」

黒髪も考えは同じようだ。何かに導かれてきたかのように....

「どこから覚えている?」

「最早何が始まりなんて忘れました。ただ...」

「ただ?」

「お互いがどこまでこの能力を認識しているかを知るためにも私が知っていることは全部話したほうがいいですね」


「事の発端はとある陰陽師が禁忌に触れてしまった、それだけのことであった。その禁忌に触れたことで怨霊、怨念その類いのものが解き放たれた。それと時期を同じくして神の加護や能力が特定の人に宿るようになった。あたかもこれを鎮めよと言わんばかりに...と言うのが大体の内容ですね。」

「そこまでは分かるけど、やっぱり疑問なのは和弓使わなくても兵器でよくない?...といっても兵器が効かないのは分かってるんだけど理由がよく分からないんだよね〜」

「理由ですか...」

「...今説明面倒くさいって顔したよね?」

「してないですから!分かりました説明しますから!」

そういう必死に否定するところも可愛いなぁと思いつつも説明に耳を傾ける。

「まず前提として神の能力が宿る、神の加護が得られるのは私たち自身です。兵器を使ったとしても兵器には神が宿りません。」

「質問〜、神が宿らないとどうしていけないんですか〜?」

「そうやってまた茶化して...」

「どういうわけか神の恩恵を得られていない攻撃が通じないのです。たぶんそこは怨念、怨霊が古来日本の考えというか概念のせいでもあるんでしょうけど...」

「で、和弓には神が宿ると?」

「正確に言うと私たちを通じてですが兵器とは違って神の加護を宿すことはできます。というのも...」

「そこからは流石に覚えてる。弓は大体が竹か木で出来ている、そして日本では木や竹には力が宿っている、もしくは生命力の源と考えられている。現に御神木とかがあるくらいだし。」

(説明をひたすら聞くのが疲れてきたから途中から話したとは言えない...)

「そういえば!」

「...何」

「一度セラミックとかグラスカーボンで出来た弓で試してみたんですけどやっぱり流石に難しかったですね。ただ、弓という概念のおかげで少しは宿りましたが。」

「概念か...」(疲れたと思っていたのがバレたかと思った...)

「でも、これはなかなか貴重な情報だと思いますよ。」

「今後の戦術の幅が広がりそうだし」

「あと一つ言い忘れていたことがありました」

「何?」

「戦術を考えるのも大事ですけど、とりあえずは他の弓士を探した方がいいですね。今のままでは数が少なすぎます...というよりはこの二人だけです。どちらかが戦いで傷つくようなことがあったら状況的にかなり不味いです。」

「とりあえず、今日はここらへんにしとこう。今日は遅いし明日も戦わないといけないかもしれないから。」

「残りは明日学校で考えましょうか。」

「じゃあ明日ね。」

そういうと二人の弓士は踵を返し各々の家へと向かう。

夜空には星々が輝き二人のこれからを祝福してるようであった。

次からいよいよ学校生活の方も書いていきます。

今回はほとんどこれからの根底のお話になってしまいましたが。

これからどんどん物語展開していきます。

お楽しみに!

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