表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

黒ずきんさん

作者: まいった主婦 まじか

「あの人が来ましたよ」


その女は、真夏で暑いのに黒のフリースのパーカーに黒のズボンをはき、さらにフードを目深くかぶった出で立ちでいつも現れる。


今日も暗い面持ちで無表情でこちらに向かってくる。

私たちは、ごくんと唾を飲み込んだ。



彼女は『黒ずきん』と呼ばれていたー。



彼女が私の働いているコンビニに来るのは、大体いつも午後1時~3時位の時間帯だ。いつも、何か昼御飯系統のものと、お菓子を買っているようだが…。


今日は何だか買うものがなかなか定まらないようで、お店の中を行ったり来たりしている。

お菓子のコーナー、お弁当のコーナー、パンのコーナーを行ったり来たり。


そうこうするうちに、レジにやってきた。


おっ、やっと買うものが決まったのか。


「いらっしゃいませー」


ピッピッピッ…


「1200円になります」


黒ずきんさんは千円札を2枚差し出す。


「800円のお返しになります。くじが一回引けますのでどうぞ」


無表情で黒ずきんさんはくじを引き、私に自らが引いたくじを一枚差し出した。


「あっ、無糖の紅茶当たりました」


私はレジ後ろのストックにある飲み物たちから無糖紅茶を探すが、いくら探しても見当たらない。彼女の後ろにもお客さんが並んでいるし、段々と焦ってきた。


「す、すみません。無糖紅茶、バックヤードで探してきます」


そして、苦労して探しだした無糖の紅茶をやっとの思いで彼女に差し出した。


「ありがとうございます」


すると、彼女はとても爽やかな、人好きのする笑顔で微笑んだ。


その瞬間、彼女の周りに、赤ずきんちゃんが暮らしているような世界観のリスさんやウサギさんが一瞬見えた気がした。


(幻想か…)


私は目をこすった。


(いい人なんだな…)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ