第四話 ピンチはチャンス
「悪りいな真人、このデュエル俺が貰った」
真人は、裕也のそのセリフの裏にはとてつもない計算とそれを成し遂げるプレイングがあってこそのものだと気付いていた。
目に見える自信がある。
「俺のターン、ジオ・ナスオを召喚して、マナを追加、邪帝類五龍目 ドミティウスを墓地へ。続けて魔龍 バベルギヌスを召喚して破壊、ドミティウスを場へ」
「…!すげえ…流れるようにコンボが…」
「まだ終わりじゃない、ドミティウスの能力で山札の上から5枚を見て、その中から龍覇 グレンモルト、龍覇 イメン=ブーゴ、バベルギヌスを場へ。グレンモルトには銀河大剣ガイハートを、イメン=ブーゴには邪帝斧 ボアロ・アックスを装備し、マナから爆轟 マッカラン・ファインを場へ。さらにバベルギヌスの能力でドミティウスを破壊し、再びドミティウスを場へ」
裕也の手はとどまることを知らない。
「再び出たドミティウスの効果で山札の上から5枚を見て、その中から2体目のマッカラン・ファイン、ウソと盗みのエンターテイナー、次元流の豪力を場へ。次元流の豪力の能力で勝利のプリンプリンを場へ。プリンの能力でプレミアム・マドンナは1ターン行動不可だ」
まさに絶対絶命を表現したようなバトルゾーンだ。もはや真人を守るものは5枚のシールドのみ。裕也の計9体ものクリーチャーの攻撃をシールドのみで受け止めることなど、余りにも無謀である。
「手加減はしない、それが俺のモットーだ。悪いな真人、ドミティウスでシールドをトリプル・ブレイク‼︎」
「トリガー…なしだ」
「続けてイメン=ブーゴでシールドをダブル・ブレイク‼︎」」
…ここで逆転のトリガーがなければ終わりだ。真人は焦りつつ、裕也は余裕の表情でその言葉を思い浮かべた。
1枚目…シールドトリガーではない。ダメだ。もうーー
真人はおそるおそる首の皮一枚をつなぐ最後のシールドを捲る。
………ッ‼︎
「来たぁ‼︎シールドトリガーッ‼︎」
To be continued…