三日目~京都・大阪班行動~
三日目です。京都・大阪での班行動です。
「AKB見逃した!ふざけんなよ!お前も起きてろよ!起こせよ!」
宇佐美が絶叫。うるさいことこの上なし。
「そうかいそうかい。どうせ録画してんだろ~?」
適当に流す俺。
「してねぇ」
「はぁ?そりゃ残念」
着替え終わると食事の時間になった。
「渡海!宇佐美!ほら行くぞ!あははははは!」
意味も無くテンション高い俺。
「お前…うれしそうだな…」
渡海は寝起きでテンション低い…。
飯食ったらすぐに入口集合。
…。風見が来ない。
「おい森近。風見は?」
俺は当然のことを聞く。
「なんか部屋に戻った。すぐ来ると思う」
5分くらいあとに来た…。
まぁいいや。
「まずは鈴虫寺に行くぞ」
鈴虫寺は意見を出さないうちの班員が唯一出した行きたい場所。
ちなみに風見の提案である。
「ここ!ここのバス停!多分」
俺が先導。さすが班長!
「次のバス…。…。15分後…。本数少ない…」
15分後、バスが来た。ここから終点まで1時間の移動。その割には料金が270円とリーズナブル。
バス停に着いた。しかし…。
「酷い!これは…」
誰しもが思ったことを口に出したのは宇佐美。
何がひどいのかというと…。
バス停への停車時間が何と3秒ほど。
減速中には扉を開け、開ききった瞬間に閉める。
これの繰り返しである。
途中渡月橋を渡る。
「ここ!ここで中学の時飯食った!」
俺が言う。
「知るか!」
渡海さんごもっとも!
「へぇ~。渡月橋って鴨川かと思ってたら桂川なんだぁ」
誰も反応してくれない。独り言になってしまった。
なんだかんだで鈴虫寺到着。
鈴虫が一年中鳴いている寺らしい。
全国でも珍しい草履をはいたお地蔵さまがいて、願い事を叶えに来てくれるらしい。
なんともありがたい。
余談であるがこの小説の作者はお願いしてからもう3カ月ほど経つが一向に叶わない。
京都から埼玉まで3カ月では着かないことが判明した。
話がずれた。
「坊さんの話聞きたい」
そう行ったのは風見。
「ん?構わんが?昨日方広寺とか回って時間にはちょっと余裕があるから」
というわけでお話を聞く。
若い人に人気なのであろう。かなり混んでいる。若い人たちが大半である。
境内を巡り、お守りを買ってお願い事をする。
「天下統一…あ、違う。え~と…。気になるあの娘と両想いになれますように」
これでよし。
他のメンバーは何願ったか教えてくれない。
そんなこんなで寺をでる。
「お前さぁ、風見が考えた場所の方がお前が企画した場所より面白いぞ!何だよ!昨日の平城宮跡とか!」
渡海が文句言う。
「しかたねぇじゃん。平城宮はだな!いいか?京都・奈良になってしまった理由の場所行かなきゃ悔しいと思ってだな!」
俺反撃開始!
「そうかい。まぁいいや。駅どこ?」
人の話聞けーー!!
次に行った場所は大阪!
大阪は大坂城!
「俺はな!この日のためにデアゴスティーニの戦国武将ファイルのな、大坂城特集を全て暗記してきたのだ!」
俺張り切る!一番楽しみだった大坂城!
しかし…
「お前、暇だな」
渡海の一撃。
これには反撃できず…。
「おおー!これはな!金名水と言ってな!秀吉さまが金を沈めて水を清めたという伝説から来ているのだ!」
もう誰もいない。
「おーい!待て!班長おいていくやつがどこにいる!?」
で、中に入る。
…。全然ゆっくり見れない…。
そんなこんなで天守閣へ。
「真田丸!真田丸?…?あれ…?跡形もねぇ…。」
俺ガッカリ。
で、お土産売り場へ。
「お!俺はな!これ!この伊達政宗の兜買ってく!」
すると宇佐美が
「お、いいじゃん。俺も買ってこうかな」
宇佐美は戦国BASARAが好き。俺が誘ったものだが…。
とことん人に影響されやすいやつである。
これにて大坂城から撤退。
満足できなかった俺。
大坂城の下でたこ焼きを食べていると風見が…
「俺と渡海で別行動していいか?」
と言いだした。
「ん?へ?班を分けるの?ん~…。見つかるとまずいよなぁ…」
怒られるのは班長の俺。だから渋る。
「上手くやるから!いいだろ?」
「ん~…。まぁ、せっかくの修学旅行だ。楽しまずにどうする?…。行って来い!」
「分かった。じゃあユニバーサルシティで待ち合わせな」
班を分けた。どうなる事か…。
ゆるすぎる班長である。
ここから通天閣、道頓堀へは俺と宇佐美と森近の三人でお送りします。
渡海、風見と別れ、俺たちは通天閣へ。
「なんか…こう…。閑散としてるな」
口に出すのは森近。
どうする…?
ここで三人の意見はまとまった。
「道頓堀行くぞ!」
というわけで道頓堀へ。
「お!太郎!お!カニ!全部テレビで見た!で、小石は?」
俺ここでも張り切る。
「小石?」
当然宇佐美が聞き返す。
「小石…!あ、違う。グリコ」
「ああ…グリコか。なぜ小石…」
「気にすんな!」
ちょっと歩くとグリコの橋のところに着いた。
が…。怒ると学年一怖い先生がいた…。
班を分けてるのをばれるとまずいのでこっそり歩く…。
しかし…。目が合ってしまった…。
仕方ないので軽く頭を下げてごまかす。
…。ごまかせた。
街頭インダビューやっているのを見たりしたが特に何を買うわけでもなく道頓堀を後にした。
ユニバーサルシティウォークへ向かう。
何やら宇佐美が買いたいものがあるんだとか。
「何買うの?」
森近が聞く。
「フィギア」
ん?え…?
「あははは。マジ?」
俺が言うと…
「お前が想像してるやつとは全く違う!普通の!」
「そうかいそうかい」
その後分かれていた二人と合流。
お好み焼きを食べてホテルに戻る。
京都駅に着いた。
「頼む!写真撮らせて!30分くらい時間くれ!」
俺が頼む。鉄道写真を撮りたい俺。
「いいけど。20分なら」
風見が言う。
「必ずや戻らん!今だけは…行かせてくれーー!」
「うん、だからいいって」
というわけで20分時間もらって行ってきた。
EF81 119 103系 113系…
関東から見たら宝である。
一通り撮影して戻る。
「ほら!ホテル行くぞ!肉まんは今日はいいよな?」
「え~?肉まん~」
風見…!お前…。
よっぽど美味かったらしい。
なんとかホテルに到着。
いつも通り班長会議。
風呂に入る。
今日は風見の妨害なしで風呂に入れた。
しかし…。
「おーい!お前のために風呂入れた」
宇佐美が言う。
ずっとシャワーだったからちょっとうれしい。
で、風呂入る。
「おーい!あはははは。熱くねぇの?」
扉の外からうれしそうな宇佐美の声。
「ん?ん~?いや、平気」
「は?お前バカじゃねぇの?温度一番高くしたんだぞ!」
「あ~…だってさ、俺、シャワー60度設定でいつも浴びてるからさぁ」
「は?お前ばかじゃねぇの?」
「あぁ?まぁ、だから平気。残念だったな。やるんだったら水風呂でやるんだったな!」
「くそー!」
悔しそうな宇佐美。
そんなこんなで点呼の時間。
その後消灯。
今日一日もやっと終わった。
明日はクラス行動があるのでちょっと楽。
山は越えたと確信して寝るおれだった。
三日目終了です。
本当に疲れたんですよ!
ゆっくり見学できないし!
次回で最終回です。