聖女の座を取られた (2)
シツール国の第一王女であり聖女の役割を持つミリア・シツール。
妹の第二王女のレノア・シツールは聖女の力である光の知恵という能力に恵まれなかった。
そのため、レノアはずっと両親から溺愛され育ったが、レノアもついに光の知恵を使えるようになった。
レノアを溺愛している両親は、レノアを新しい聖女とし、ミリアは聖女から'ただの一般人へ'と引き下げられた。
それに怒ったミリアは、シツール国を出て、聖女の力を駆使して商人としてポーションを売る旅に出た。
ミリアside
「ミリアお嬢様ー?」
専属メイドのセイ・アラノーム。仕事ができて愛嬌もあるまさに完璧メイド。
「はい、なんでしょうか。」
「奥様がお呼びです。」
おっっっっっっ。聖女人生終わった…。城追い出されるぅ…。
「あぁ、そう。わかりましたわ。ありがとう、セイさん。」
何か反応しなければ、と思って反応したけど我ながらそっけない返事になってしまった。
でも、セイさんは表情を崩さずににっこり笑って、
「お嬢様のお役に立てて何よりです。奥様の部屋に13時に集まるとのことです。」
本当に完璧かしらこの子。嫁にしたい()
「あと10分くらいですか、ありがとうございます。
私は一人で行きますので、セイさんは休んでいてください。」
「あっありがとうございますっ!」
そんなこと言われると思わなかったのか、焦ったように手をブンブン振った。
「ふふっ、最近、セイさんは働きすぎです。ゆっくり休んでください。」
「わっ、かりました…!めっちゃ休みます!」
手で筋肉ポーズを作って、やる気満々ですと言わんばかりにるんるんと歩いて行った。
(お嬢様、やっぱりとっても優しいです!!)
12:45。奥様の部屋に到着。十分前には着いていないと怒られる。レノアは遅刻してもいいのに…。
「あら、ミリア。邪魔なんだけど。こんなに早く来て何してるのよ。」
はあ?
「申し訳ありません。早めに来ておいて損はないかと。」
「はあ…しょうがないわね。」
ため息つきたいのこっちなんですけど?
「奥様。私を聖女から落とすなら、ぜひ国から追放してくださいませ。」
「…え?」
予想していなかった答えだったのか、え?と声を漏らした。
「聖女でできなかったことをやりたいのです。よろしくお願いします。私を追放してください。
そして、名前も変えたいのですが…」
「ちょ、話を進めないでちょうだい?!」
流石に焦った奥様は、必死に止めてきた。
「お母様!と、お姉様。」
何この付け足し感。
「レノア!早く部屋に入りましょう?」
「では、話をしましょう。」
奥様はゴホンと喉を鳴らすと、声を上げ、こう言った。
「これからシツール国はレノア・シツールを聖女とし、ミリア・シツールは国を追放とする!!
ミリア・シツールの専属メイドのセイ・アラノームは、レノア・シツールの専属メイドとする!
名前も変えると言ったわね。これからのことは考えておきなさい。名前は勝手に名乗り変えちゃえばいいわ。」
「わかりました。」
「よし、これは、明後日に開く女神堂の町会で大々的に発表するから、ミリア。貴女は準備しておきなさい。」
「わかりました。明後日には出発いたします。
町会では「出発した」との報告もよろしくお願いします。」
「え、えぇ…。」
流石に引いた様子の奥様とレノアを置いて、私は奥様の部屋を出た。
Miria's room
「やっと、解放されるのね。セイには申し訳ないけど、荷造りしなきゃ。最低限でいいけれど…。」




