ep.94 文化祭、開幕 ④
文化祭最終日。
この日もヨミのクラスは大忙し。
材料は足りなくなるだろうと思い、ユリアと共に大量に買っていたので、この日は材料不足になったりはせずに済んだ。
そして、文化祭を終えた夜。
『文化祭三日間、お疲れ様でした〜〜〜!!! イェ〜〜〜イ!!!!』
ヨミ達の教室で、打ち上げパーティーが行われていた。
机の上には、残った材料で作った料理が並べられている。
「さぁお前ら! 今日は打ち上げだ! た〜んと食え!」
『はい! いただきま〜す!』
ミリアの号令で、生徒達は食事を始めた。
「ふぅ〜……」
窓際で、外を眺めながら飲み物を飲むヨミ。そんなヨミにミャナが近づく。
「ヨミ君。はい」
「ミャナさん。ありがとうございます」
ヨミはミャナから料理を受け取る。
「大丈夫?」
「大丈夫……と言いたいですけど、流石に疲れました……主に精神的に……」
「あはは……ごめんね……? 私達のワガママで無理させちゃって……」
「あ〜いえ……。楽しくはあったので大丈夫です。こういう機会でもないと、こんな格好はしないですから、新鮮でした」
「じゃあ、日頃からしちゃう?」
「それはしないです」
「あはは♪ はぁ〜……文化祭、終わっちゃったね……」
「そうですね〜……。あっという間、でしたね」
「うん……私ね、ヨミ君以外の人と仲良くなんてならなくていいって思ってたの。でもね、今回の文化祭を通じて、友達っていいなって思ったの」
「はい」
「一緒に準備して、一緒に仕事して、一緒にご飯食べて、ワイワイ騒いで……それがこんなに、こんなに楽しいなんて知らなかった。もっともっと楽しみたいって思った」
そう思えたのは、と続け──、
「アイアと、何より、ヨミ君のおかげ。ありがとねっ♡」
「い、いえ……! そ、そんな事は……!」
ヨミは、ミャナの可愛らしい笑みにドキッとして、顔を真っ赤にして空を見た。
「あ、もしかして〜照れてるぅ〜?」
「て、照れてないです〜! あ〜この料理美味しい〜!」
「んふふ〜♡」
(あ〜もう! ヨミ君は可愛いなぁ!)
そんな二人にユリア、エルナ、アイアも合流して五人で食事を楽しんだ。




