ep.89 文化祭の準備 ⑨
文化祭前日。
ヨミ達はなんとか、準備を終え、今は最終チェックをしていた。
「サイズとか、どう、かな……?」
「めっちゃくちゃいい感じ!」
「ピッタリだよ〜!」
ユリアは、自身が作った服を着た皆に、緊張した面持ちで尋ねる。
女子も男子もユリアが作ったメイド服に、感激していた。
「よ、良かったです……!」
「やっぱ男がこういう衣装って、似合わないよな……」
「な〜俺、めっちゃ恥ずかしいわ……」
男子達は、メイド服を恥ずかしがっている。それを見かねたユリアが──、
「み、皆さんものすごく似合ってますよ! 恥ずかしがらなくて大丈夫です……!」
「そ、そう……?」
「まぁ、ユリアさんがそう言うなら……」
「が、頑張れる、みたいな?」
ユリアに褒められ、男子達は照れながらも喜んでいた。
「お〜いお前ら〜。そろそろ寮に帰れ〜」
皆が教室でワイワイしていると、担任教師のミリアが入ってきた。
「お〜みんな似合ってるな〜。特に男子〜。何気に似合ってるじゃんか〜」
「ほ、本当っすか!」
「おいおい、俺達似合ってるってよ!」
「なんか、変な自身が沸いてきたぞ!」
「良かった……」
ミリアの言葉を聞いて、ユリアはホッと胸を撫で下ろしていた。
「ん? ってこんな事してる場合じゃないわ。ほれ、みんな寮に帰れ帰れ。明日が本番なんだから、夜ふかしは駄目だぞ〜」
『は〜い!』
そうして、みんなは寮へと帰宅した。
☆ ♡ ☆
「あぁ〜疲れた〜!」
「ですね〜ここの所準備で忙しかったですからね」
エルナがベッドの上にダイブし、アイアがベッドに腰掛ける。
「ヨミ君、一緒にお風呂入ろう?」
「ふぇ!?」
「あ、いいですね! 私もヨミさんと一緒に入りたいです!」
「ゆ、ユリアさん!?」
「あ、私も入る〜!」
「私も」
「エルナさん、アイアさんまで!?」
ヨミは、ユリアとミャナに腕を掴まれ、エルナとアイアに背中を押され──、
「それじゃあ、お風呂へレッツゴー!」
「ちょっと待ってぇぇぇぇぇぇ!?」
お風呂場に五人で向かう事となった。




