ep.88 文化祭の準備 ⑧
「準備ができたと」
「えぇ。今度は暴走したりしないと思うわ」
「ありがとうございます。もう一つ、頼みがあるのですが」
「何?」
「三術姫の一人をお貸しいただきたいのです」
「うちの子を? まぁ、別に構わないけど、どうするの?」
「少し、人員が足りなくて」
「なるほどね。じゃあ、シーサルを連れていきなさい。今ならあの子が空いているはずだから」
「分かりました。ご協力、感謝します」
「文化祭が始まったら、私は手伝う事ができなくなるから、くれぐれも気を引き締めるようにね」
「えぇ、分かっています。この計画は、必ず成功させます」
そう言って、グルスはどこかに消えていった。
一人残ったグリエは──、
「はぁ〜。意外と疲れたわね。………………」
暗くなり始める空。
窓から外を見るグリエは、椅子に寄りかかりながら──、
「もうちょっと待っててね。必ず、必ず貴方を外に出してあげるから。必ず、復活させてあげるから」
まるで誰かに話しかけるかのように、小さく、儚く呟いた。
☆ ♡ ☆
とある森の中。
「シーサルさん。シーサルさんはあそこでお願いします」
「ふぁ〜い……」
シーサルは、大きなあくびをしながら返事をし、グルスに言われた場所へと向かった。
「それじゃあ、あなたはそっちに」
「は〜い♡」
胸と下半身を覆う面積が少ない鎧を身に纏った少女は、フラフラした足取りでグルスに言われた場所へと向かった。
「こんな感じですかね」
と、グルスが森の中を見渡して確認していると、後ろから──、
「おう、俺達も手伝ってやろうか?」
「ん? おや、皆さん」
グルスの前に、四人の男女が現れた。
「何か手伝う事ありますか?」
「何かあれば、俺達が手伝うぜ?」
「お心遣い、ありがとうございます。ですが、こちらは大丈夫です。それより、皆様にはしていただきたい事が」
「あん? なんだ?」
「それは……」
四人の男女に、グルスがとある事を言う。
それを受けた四人は、笑みを浮かべて森を出てどこかへ向かった。
「頼みましたよ、 ”勇者の皆さん” 」
四人の男女が向かうのは、泉霞叡術魔術学園。




