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最弱の魔法使いが、女子の力を借りて最強に  作者: 龍  岳
第一章 絆 編【冒険者達との戦い】
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ep.79 駆けつける仲間!

「行くわよ、クソッタレぇ!!! ハァァァァァァァァ!!!」


 エルナが雷の短剣を持ち、ワーイに向かって走り出す。


「雷魔法・ショックヘル!」

「効かない!」


 ワーイが放つ雷を、エルナは二本の短剣で吸収しながら弾いていく。

 そして、ワーイとの距離をどんどん近づけたエルナ。

 短剣を振りかぶり──、


「オーラァ!」

「ぐっ……!? くあ……!?」


 ワーイの体を斬りつける。

 ワーイは、斬られた痛みより、斬りつけられた時の衝撃で後方に吹き飛び苦痛の声を漏らした。


「まだまだぁ! ハァァァァァ……ぐがっ!?」


 吹き飛ぶワーイに追い打ちをかけようとしたエルナだったが、突如、真横から稲妻が飛んできて真横に吹き飛んでしまった。


「な、何……!?」

「雷魔法・ショックスロー」


 壁にぶつかり止まったワーイは、ゆっくりと魔法の名前を呟く。

 それを見たアイアが小さく呟く。


「なるほど……稲妻の発生する時間を操り、隙が生じたタイミングで放った……と言う訳ですか……」

「そんなの有りかよ……でも、負けない……! ヨミの為に!」


 なんとか立ち上がろうとするエルナに、再びワーイが──、


「雷魔法・ショックヘル!」


 雷魔法を放った。

 地面と空。

 両方から雷がエルナに迫る。


「エルナぁ!」


 アイアが叫んだ。その時──、


「剣技・(ちゅう)(とう)!」

「水術、(オーロラ)()(バブル)!」

「「っ!?」」


 二人が声のした方を見ると、そこにはミャナとユリアが立っており、エルナを守る為に魔術を使っていた。

 ミャナが剣技で、剣を地面に突き刺し、地面を流れる雷を引き付け吸収。

 空から迫る雷は、ユリアがオーロラのように泡を展開し、吸収した。


「エルナさん! アイアさん! お待たせしました!」

「遅れた!」

「ったく。本当遅いわ」

「来てくださり、ありがとうございます」


 ユリアとミャナの元に、アイアとエルナが駆け寄る。


「エルナさん……すでにこんなにボロボロになって……」

「こんなのどうって事ないわ。全然平気」

「強がるな」

「イデっ!?」


 ミャナがエルナの肩を軽く突くと、エルナは全身を震わせ痛みに耐えた。


「何すんのよ!」

「待たせてごめん。ここからは挽回する」

「……………………えぇ。頼んだ」

「私達はどうすれば?」

「あそこにいるジャクさんとメチャさんは、ヨミ様を狙っています。今はまだ目立った動きはないですが、いつ何をするかわかりません」

「あいつらに近づきたいんだけど、障害になってるのがいるの」

「あいつか」

「うん」


 全員でワーイを見る。

 何故か剣を持たず、呆然とこちらを見てきている。

 その様子は、誰が見てもおかしいと分かる。


「じゃあ、あいつは私と赤髪が相手する。二人は向こうを」

「そうね。それが最善ね」

「わ、分かりました! 私頑張ります!」

「お二人とも、決して無理はなさらないでくださいね」

「「うん」」


 エルナとッミャナが前に出て、ワーイと対峙する。

 アイアとユリアの二人は数歩後ろに下がる。


「行くよ、ミャナ!」

「えぇ!」


 二人が疾駆する。

 敵が二人に増えたと言うのに、全く動揺したりしないワーイ。

 そんなワーイは、二人目掛けて魔法を放つ。

 この攻撃、エルナ一人だったら回避したりはできなかっただろう。

 しかし、今は一人ではなく、ミャナがいる。


「剣技・(さん)(とう)!」


 ミャナが体を回転させ、上空から迫ってくる雷を全て剣に吸収していく。いや、散らしていっていると言った方が正しいか。


(悔しいけどこの技、すごい……!)


 隣で疾駆しながら、エルナは素直にミャナの技のすごさに驚いていた。


「でも、私も負けない!」


 エルナは、雷の短剣を二本生み出し逆手持ちにし、ワーイに斬りかかる。


「ハァァァァァァ!」


 そのエルナの攻撃を雷魔法で弾いていくワーイ。そんな魔法には負けないと攻め続けるエルナ。

 ワーイが放つ遠隔の雷魔法を、エルナに近づかせないように散らし続けるミャナ。

 その攻防を見たユリアとアイアは──、


「す、すごい……」

「えぇ……悔しいですが、今の私ではあそこに加わる事はできません……」

「アイアさん……」

「ですが、今は悔いてる時間はありません。あの二人のおかげで、向こうに行く隙ができました」

「あ……確かに」

「警戒をしつつ、向かいましょう」

「は、はい!」


 エルナ、ミャナの二人のおかげで、ジャクとメチャの元に行く隙が生まれた。

 その隙を逃さないように、二人は油断なく三人の戦いを見つめる。

 そして──、


「今です! 行きますよ!」

「はい!」


 二人は、走り出した。

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