ep.51 記された歴史
一つ訂正がございます……。
ep.46の中で、ヨミとワーイの戦闘時、ヨミが技を使ったのですが、そこでの表記が間違っておりました。
深くお詫び申し上げます……!
誤:『業炎、焔黒守』
正:『業火、焔黒守』
このような間違いがないように今後、気を付けていきますので、何卒、龍 岳をよろしくお願い致します……!
それでは、本編をどうぞ!
学園の地下にある書庫にやってきたユリア達一同。
書庫は壁一面が本棚になっており、多くの本がズラッとならんでいる。
本好きが見たら、興奮して卒倒してしまうかもしれない。
「こ、こんなにあるの……!? ど、どうやって探すのよ……」
本が、勉強が苦手なエルナは顔を引き攣らせていた。
「別にむやみに探せなんて言わん。クロノスドラゴンのような、歴史に残っていて重要な書物は、禁書庫に保管されてるんだ。だから、そこに行く」
「なるほど」
そう言って、一同は書庫の奥の奥、そして、その更に地下にある禁書庫に向かった。
その禁書庫は、まさしく禁断の本を保管するのに適した場所だった。
宇宙空間のような場所で、本が泡のようなものに一つ一つが包まれており、空中に浮かんでいる。
「な、なんか神秘的な場所……」
「学園にこんな場所があるとは……」
ユリアとアイアが空間を見回しながら呟いた。
エルナとミャナも、辺りを見回し目をキラキラさせていた。
「ここは本当に危険な物もあるから、むやみやたらに触ったりいじくるなよ?」
「「「「は〜い」」」」
「分かりました」
ミリアの忠告に、五人が返事を返す。
そして、ミリアの後をついていく。
「ここだ」
「大っきい扉……」
ミリアが立ち止まった場所。そこには、巨大な扉があった。
その扉は荘厳な雰囲気を放っており、扉の前に立っているだけなのになぜか緊張してしまう。
「入るぞ」
ミリアが扉の脇にある、手形の部分に手を重ねると、ピピ。と言う音が鳴り、巨大な扉が勝手に開いていく。
そして、ミリアがその中に入っていく。それに続きユリア達も入室する。
「な、何、ここ……」
エルナが声を漏らす。
この禁書庫のさらに奥にある扉の中。そこに広がっていたのは、先程の場所よりもさらに宇宙にいるのではないかと錯覚させる場所だった。
天井一面に宇宙の黒さが広がっており、太陽のような球体があり、そこから薄く光りが差し込んでいる。
さらに、先程の場所同様に、本が泡のようなものに包まれて宙に浮かんでいた。
「ここは明かりが薄いから、気を付けて歩いてくれ。そして、勝手に触らないように。本の持ち出しも禁止だ」
「ここで必要な物だけを選んで読め、と言う事ですね?」
「あぁ」
アイアの尋ねにミリアが頷く。
「クロノスドラゴンに関する本は、どこにあるのでしょう……?」
リエが辺りを見回しながら言う。そんなリエの隣にミャナが立ち──、
「リエ先生って、なんかどこかで見たような気がする……」
「え、えぇ……?」
突然、ミャナが顔を覗き込んでくるのでリエはたじろいでしまった。
「しかも、この胸……羨ま──ううん! けしからん」
「ちょ、ちょっとシーズさん……!? くすぐったいですよぉ〜……! あん♡」
ミャナがリエの谷間を指で突き遊ぶ。
「おい、そこ。真面目にやれ」
そんなふざけている二人に、エルナが鋭くツッコミを入れた。
「確か、ここらに……お。おい、あったぞ」
ミリアが二冊の本を机に置く。
そこにみんなが集まってくる。
「それじゃあ、開くからな」
「「「「「……………」」」」」
全員が息を呑む。本を開くだけでこの緊張感なのはおかしいが、この場の雰囲気や開く書物の内容が、そうさせているのだろう。
開いた書物には、こう書かれていた。
『伝説龍、クロノスドラゴン。
そのドラゴンはこの世界が誕生した際に生まれた、最初の生命体である。
全ての生命体の頂点にして原点であり、全てを超越する力を持つ。
クロノスドラゴンは、世界を守る守護龍として存在していた。世界には謎の生命体、モンスターが蔓延っている。
よって、そのモンスター達から世界を守るため、クロノスドラゴンは一人で戦っていた。
それらのモンスターは謎の力を使う。当時その力に対抗する力を持っていなかったクロノスドラゴンは、自らの肉体の一部を犠牲にして対抗する手段を生み出した。
それが、四体の龍と魔術、魔法だった。
対抗する手段を生み出したクロノスドラゴンは、たちまちモンスターを一掃。
世界には平和が訪れた。
しかし、その平和は長く続かなかった。』
「え……? 終わり? もうページがないんだけど?」
エルナが、ミリアの手元を見て言う。
一冊目の本のページが終わってしまったから。
「伝説龍なのに、意外と少ないんだ」
「そうですね。もっと分厚くて読むのが大変だと思っていたのですが……」
ミャナとアイアも同じような感想を抱いたらしい。
「だが、もう一冊ある。そっちに何かが記されているのかもしれん」
ミリアがそう言い、二冊目に手を伸ばしページをめくる。
『世界が終わり、全てが消え去った。
しかし、そんな中でも四体の龍は生き続け、新たな世界、新たな国々を作り出した。
何千、何万、何億年経っても変わる事のない歴史。その歴史の行く先は誰にも分からない。
今、これを開いている時代の世界は、平和か。それとも、争いが起こっているのか。
私は願う。平和であることを。
・アーバント』
「こ、これ……」
「アーバントって……」
「ヨミさんと同じ……」
二冊目の最後の行には、この本を書いたと思しき人物の名前が書いてあった。
しかし、名前の方は擦れて見えなくなっていた。だが、名字の方は読む事ができた。
そこには、ヨミと同じ『アーバント』と記されていた。
その名前の部分も気になったが、それと同時に気になったのは……。
「これ、話が繋がってなくない?」
「それ私も思った。一冊目は『平和は続かなかった』って書いてあって、二冊目に何が起きたのかが書いてあると思ったのに、いきなり『世界が終わった』とか、訳の分からない事が書いてあって、何も分からないまま話が完結しちゃった」
ミャナとエルナの疑問を、他のみんなも同じように抱いていたようで、みんなして悩んでいた
そんな中、リエが──、
「あ! 皆さん、これを見てください!」
「「「「「ん?」」」」」
リエが本の背表紙を指差す。すると、そこには──、
「す、数字!?」
「一冊目が『壱』で、二冊目が『肆』!?」
「と言う事は、間に『弐』と『参』がある、と言う事ですね」
「だから、お話が繋がらなかった……」
「なるほどな……」
本の背表紙には、その本の巻数を示す数字が記載されていた。
『壱』と『肆』。間に二冊の抜けがあれば、話が繋がらないのも当然。納得がいく。
だが、そこでもう一つの疑問が浮かぶ。
「なぜ、間の二冊がないんだ?」
「確かに、気になりますね。普通なら全部揃って保管するはずですものね」
なぜ、間の二冊だけがないのか。
たまたまなのか。それとも……。
「知りたい事はあまり知れなかったわね〜」
一行は、書庫を出て学園の廊下に戻ってきていた。
「すまない。力になってやれなくて」
「お、お姉ちゃんは何も悪くないよ……! だから、頭を上げて……!」
「そうですよ、先生。それに、まだ諦めた訳じゃないですから。もしかしたらどこかに、残りの二冊があるかもしれません」
「うん。ヨミ君の為にも、それを見つけ出す」
「そうだな。私も色々と調べてみる。ヨミのためにな」
「わ、私も調べますぅ〜!」
それぞれが個人的に調べる事を決め、この場は解散となった。
☆ ♡ ☆
「はぁ〜」
「どうでしたか?」
とある一室。そこにはグルスと薄い緑色のドレスを身に纏った女性がいた。
「いい収穫はなかったわ。まさか間が欠けてるなんて思ってもなかったから。まぁ、それぞれ調査する事になったから、何か分かったらあなたにも報告してあげるわ。じゃね」
「えぇ。よろしくおねがいしますね」
薄い緑色のドレスを身に纏った女性は、部屋から気だるそうに出ていった。
部屋に一人になったグルスは、部屋の奥、窓際に設置してある机の引き出しを開ける。
そしてその中から一冊の本を取り出す。
その背表紙には ”参” と記載されている。
「ふふ。まさか、最初と最後がこの学園にあるとは……運は私に味方してるようですよ。 ”クィンユリア”」
グルスは、本を片手に持ちながら、暗くなった空を見つめながら誰かの名前を呟いた。
その名前は、クロノスドラゴンが呟いていた名前と同じで……?
遅くなってしまい大変申し訳ございません……!
また新しく増えた謎。
謎が多すぎる〜! となると思います。
ですが、その謎一つ一つが今後の物語に関わってきますので、考察などをしながらお読みいただき、楽しんでいただけますと幸いです!
この続きは来週の日曜日に投稿を予定しています。
ですが、もしかしたら月〜土の間に投稿する可能性もございます! なので、面白い! 続きが気になった!と思ってくださった方は、ぜひブックマークをして、更新通知をオンにしてお待ちになっていてください♪
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