ep.48 クロノスドラゴンと共闘
「さあ、選べ。クソガキ」
「くっ……！」
ユリア達を人質に取られたヨミは、どうすればいいのか迷っていた。
自分が死んでも、ユリア達はワーイ達によって酷い目に遭わされる。
だが、自分が死なない事を選んでも、ユリア達が殺されてしまう。
どちらも選べないと分かっている為、あえてワーイは選択肢を与えたのだ。
ヨミがどうすればいいのか悩んでいると──、
『我に考えがある』
「考え……？」
『あぁ。我が合図をしたらこう叫べ。────』
クロノスドラゴンはヨミに何かを教えた。
「さぁ、どっちだ！」
しびれを切らしたワーイが叫んだ瞬間──、
『今だ！』
クロノスドラゴンが叫ぶ。それを受けて顔を上げるヨミ。そして──、
「龍術、召喚！」
と、唱えた。
その瞬間──、
「な、なんだ……！？」
「く、空気が……！？」
「何が起こってんだ……！？」
空気が、大気が震え始め、地面が揺れ始めた。
ワーイを始め、ユリア達を拘束しているメチャとジャクも地面の揺れに足を持っていかれないよう、なんとか耐えている。
「おい、貴様、何をした！」
「僕は何もしてません。ただ ”呼んだ” だけです」
「あ？」
ドガァァァァァァァァァァァァンッッッ！！！
「な、何が！？ あ……」
ユリア達の方から大きな音が鳴る。そちらをワーイが見やると、そこには──、
「ど、ドラゴン……！？」
ユリア達の背後に、クロノスドラゴンがいた。
そして、ユリア達を拘束していたメチャとジャクは離れた所で、意識を失っていた。
「お、おい……何を、したんだ……？」
「我が吹き飛ばした。邪魔だったからな」
「しゃ、喋った……！？」
クロノスドラゴンは、ユリア達を守るかのように前に立ち、ワーイを威圧する。
「我はクロノスドラゴン。貴様が伝説と言った、龍だ」
「そ、そんな……ほ、本当に存在しただなんて……」
「さぁ、今度は貴様が選ぶ番だ。ここで大人しく投降するか、我に痛めつけられるか。選択せよ」
「そ、そんなの……そんなの決まってるだろ！ 貴様らを倒してやる！」
「ほぉ〜。面白い、我に立ち向かうと言うのか。いいだろう。なら、相手をしてやる。少しは楽しませろ」
ヨミがクロノスドラゴンの隣に並び立つ。
「貴様らまとめて、ぶっ殺してやる！」
