ep.42 護衛の冒険者
投稿、遅くなってしまい大変申し訳ございません……!
ですが、遅くなってしまった分、楽しんでいただける内容になっていると思います!
ここからまたドキドキワクワク、ハラハラとする物語が展開して行きますので、沢山お楽しみください♪
それでは、本編をどうぞ♪
学園の修復が一段落つき、教師達が通常業務を行えるようになった。
それに伴い、授業が再開。生徒達は学園に再び通う事になった。
「学園がなんとか復旧したのはいいんだけど、授業は面倒くさいわね」
「そうね〜。ヨミ君との自由時間が減るから、そこが嫌ね」
「ですが、お勉強も楽しいですよね」
「そうですね。将来のためになりますからね」
ユリア、アイアが会話し、エルナとミャナが会話をしている。
ヨミはそのど真ん中にいて、ノートを書いている。
そこに、ヨミ達の担任教師であるミリアが入室してきた。
「みんな、おはよう」
『おはようございます!』
ミリアが教卓の前に立ち、挨拶をする。それに生徒達が元気よく返事をする。
「今日から通常授業が再開する。まぁ、面倒くさいとは思うが、適当に付き合ってくれ」
「教師がそれでいいんかい」
ユリアの言葉に、エルナが小さくツッコみを入れる。
「まず、ここ最近学園付近に不審者が出没しているらしい」
ミリアの言葉に、生徒達がざわつき始める。
「はいはい、静かに。驚き動揺するのも分かる。私も正直言って怖いと思う。だから、手を打つ事にした。名のある冒険者さん達に学園を護衛してもらう」
その言葉に、再び生徒達がざわつく。
「はいはい静かに。その冒険者さん達に今日来てもらってるから。お入りください」
ミリアがドアの方に向けて声をかけると、三人の人物が入室してきた。
「おい、あれって……」「もしかして……」「マジかよ……」
入ってきた三人を見て、生徒達が更にざわつく。
「多分知ってる人が多いだろう。名だたる方々だからな。だが、一応、紹介をしておこう。まず、【雷撃の閃光】リーダー、『ワーイ・ヨデス』さん」
ミリアが紹介を始まる。
ミリアが一人目の名前を呼ぶと、大きな剣を背中に装着し、金ピカの鎧を身に纏った美青年がお辞儀をした。
「二人目は【灼熱の陽炎】リーダー、『マエオ・モカヨ』さん」
筋骨隆々と言う言葉がピッタリの、大きな斧を背中に背負った男性が、右手を軽く上げた。
「そして最後。【冷獄の冰血】のリーダー、『シスタリー』さん」
水色の髪でショートカット。右目を前髪で隠し、両方の腰に刀を帯刀している少女が軽く会釈をする。
「以上、三組のチームが、この学園を守ってくださる」
「僕達からも挨拶させていただいても、いいですか?」
「はい。もちろんです」
ミリアの隣に立つ美青年──ワーイが、半歩前に出て生徒達を見回す。
「皆さん、初めまして。僕はワーイ・ヨデスと言います。一応、Aランクのチームである【雷撃の閃光】に所属し、リーダーを務めています。この場にはリーダーしかいませんが、本来は三人で活動をしています。今日から、この学園を含め皆さんの事をお守りしますので、どうかよろしくお願いします」
ワーイは丁寧に挨拶をし、お辞儀をした。
それに対し、生徒達が湧いた。
「さすがワーイだ!」「かっこいい!」「Aランクのチームリーダーは違うなぁ!」
「さすがワーイ様ぁ!」「イケメン〜〜〜!」
どうやら、ワーイは男女共に人気なようで、生徒達からの信頼が厚かった。
その中でも──、
「ふふ♪」
『キャーーーーーーーー!!!!』
ワーイがウインクをすると、女子達から黄色い悲鳴が上がった。
(ん? あの子は……)
ワーイは、生徒達を見回していたが、その中の一人、ミャナに目を引かれた。
(あの子、可愛いな。胸は小さすぎないくらいのちょうどいい大きさ……いいな)
ワーイは、座っているミャナの体を舐め回すように見つめる。
その視線に気づいたのかどうかは分からないが、ミャナがワーイの方を見る。
「ふふ♪」
そのミャナに対し、ワーイがウインクをする。
「ふん」
(なっ!?)
そのウインクに対し、ミャナは鼻で笑い、ヨミの方を見て会話を始めた。
(ぼ、僕の魅了する瞬きを受けて、僕に惚れない、だと!? そ、そんな女は初めてだ……!)
ワーイは、何かが悔しかったのか、ミャナに対し周りにバレないようにウインクを続ける。
しかし、ミャナはそれに気づかない。いや、もしかしたら気づいていてあえて無視しているのかもしれない。
(くっ……! なぜだ! なぜ僕になびかない! 僕は最強の男なんだぞ!)
ワーイは奥歯を噛み締めていた。
そんなワーイの横に、マエオが並び、自己紹介をする。
「俺は【灼熱の陽炎】リーダー、マエオだ! お前ら! 最強のタンク様が守ってやるから、安心しろよ!」
マエオは大きな声でそう言う。その声に対し──、
「声、デカ……そんなに張らなくても聞こえるっつーの」
エルナが小さく呟いた。
そして、マエオの隣にシスタリーが立ち──、
「【冷獄の冰血】のリーダー、シスタリーです。皆様を可能な限りお守りしたいと思っています。よろしく」
シスタリーは、目元がキリッとしていて、表情も硬い。さらには口調もクールなので、怒っているかのような印象だった。
「それじゃあ、HRはこれで終了だ。お三方は職員室までお願いします。みんな、授業の準備をしておくように。以上」
『はい!』
朝のHRは終わった。
ワーイ、マエオ、シスタリーの三人はミリアと一緒に職員室へと向かった。
ワーイは教室を出るまで、ずっとミャナの事を見ていた。
☆ ♡ ☆
お昼休みになり、ヨミ達は食堂に向かおうとしていた。
そこに──、
「やぁ、ちょっといいかな?」
【雷撃の閃光】のリーダーであるワーイが姿を現した。
「何か?」
エルナが明らかに不機嫌な声で尋ねる。
「うん。ちょっと君に用があって」
「おっとと……」
「「「「………………」」」」
ワーイは、ミャナの前に立つ為に、ヨミを押しのけた。
それを受け、ヨミはたたらを踏んで後ろへと下がってしまった。
それを見た四人は、顔から感情を消した。
「君、名前なんて言うのかな? さっき僕のウインクを鼻で笑ったような気がしたんだけど」
「あんたなんかに教える名前はないし、あんなキモいウインク、鼻で笑うに決まってるでしょ」
ミャナは冷たい口調で言い放つ。
それを受けたワーイは──、
「ぼ、僕のウインクが、き、キモい……? あ、あはは……何かの間違いでしょ。だって僕だよ? 最強のチームである【雷撃の閃光】のリーダーだよ? そんな人のウインクがキモいなんて、そんな訳ないでしょ」
「あんた、自信過剰過ぎでしょ。自惚れんのもいい加減にしなさいよ。最強のチームだかなんだか知らないけど、肩書や地位をひけらかすような男に、興味はない!」
「なっ……!?」
ミャナはきっぱりと言い放つ。
それを受け、ワーイは膝から崩れ落ちる。
「ぼ、僕に、きょ、興味が、ない……!?」
「それにあんた、ヨミ君を押しのけたよね?」
「え……?」
「私の隣にいた、私の大好きな、大切な! ヨミ君をあんたは強引に押しのけた! 私の大切な人をぞんざいに扱う奴は、誰であっても許さない」
「ひっ……!?」
ミャナは、膝立ちをしているワーイを鋭く見下ろす。
その視線がとても鋭く、ワーイは怯んでしまった。
「ヨミ君、行こう」
「え……? は、はい」
ミャナはヨミと腕を組み、歩き出す。
「ふん!」
「チッ」
それに続くエルナとアイアだが、歩き出す前にワーイに対して悪態をつき、その場を後にした。
ユリアは、ワーイの前にしゃがみ込み──、
「次、ヨミさんに対してあんな事したら、許しません」
「っ……!?」
真顔でそう言い放ち、ミャナ達の後を追いかけた。
「な、なんなんだ、あいつらは……!」
ワーイは床に拳を打ち付ける。
「クソッ! 僕はAランクの冒険者だぞ……? 最強のチームを指揮するリーダーなんだぞ……? そんな僕になびかず、悪態をつくなんて……許されない……許されないぞ……!」
ワーイは顔を上げ、遠くに見えるミャナの背中を見つめ──、
「君達は、この僕がメチャクチャにしてあげるよ。体も心もボロボロにね……。僕に逆らった事が、どんなに恐ろしい事か、思い知らせてあげるよ……!」
ワーイは、舌なめずりをしながら、何かを企んだ怪しい表情を浮かべた。
新たに冒険者達が出てきました。
一人の男が何やら怪しい行動を起こしそうです。どうなるのか、楽しみにしていただけますと幸いです!
登場するキャラの名前に注目してみると、今後何かやらかしそうな人が分かるかも……?
(※皆様に一つお教えいたしますと、ここで冒険者が関わってくるのには大きな理由がございます。
それがなんなのか、それは先の物語で判明します。
ですが、その物語にたどり着くまでものすごく時間がかかります。
なので、ここでの冒険者の事を頭の片隅にでも置いておいていただいて、この作品を読み続けてください……!
そうすれば、そのうちここでの謎が明らかになります!)
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まだまだ未熟で、拙い文章ですが、これからも頑張ってまいりますので、『龍 岳』を何卒、よろしくお願い致します!




