ep.27 帰還
エルナ達は気がつくと、ダンジョンの外に出ていた。
入り口付近で横たわっていたのだ。
「私達、ダンジョンの中にいたのに……」
「おそらく、クロノスドラゴンのお力でしょう」
「ヨミさんは……大丈夫そうですね……」
ユリアがヨミの様子を確認すると、穏やかな寝息を立て眠っていた。
その様子を見て三人は、ホッと胸を撫で下ろした。
「外に出れたのですから、先生に報告しに行きましょう」
「そうね」「はい」
そうして、エルナがヨミを背負い、移動を開始した。
☆ ♡ ☆
「そう言えばさ、さっきのヨミの魔術。あれ二人とも知ってる?」
「いえ。初めて見ました」
「わ、私も、です……」
エルナが二人に尋ねたのは、先程ヨミが使用した黒い炎を纏う魔術についてだ。
一見すると火炎術のようにも見えるのだが、それとは別物で、アイアとユリアは知らないと答えた。
「やっぱり二人も初めて見たか……あの魔術、なんか怖くなかった?」
「えぇ。何がどうと言うのは難しいのですが、得体の知れない恐怖を感じました」
「なんか、ヨミさんがヨミさんじゃないような感じでした……」
三人が抱いた恐怖の正体。それの正体が分かるのは、まだ先の事だ。
☆ ♡ ☆
エルナ達がリエの元に戻ると──、
「あ、帰ってきました!」
そこには、リエだけでなく、ミリアやグルス、ゴーザなどの教師陣や、ヨミ達のクラスメイト達がいた。
「みんな……? どうしたんですか……?」
「どうしたのじゃないですよ! 二週間も戻って来なかったので心配したんですよ! 他の先生方を呼びに行き、捜索しに行こうと思ってたんですよ!」
「「「に、二週間!?」」」
リエの言葉に、三人は驚愕した。
この続きは日曜日に投稿致しますので、楽しみに待っていてください♪
ヨミが魔術を使えたり使えなかったりの説明を、次話で少しだけしたいと思っております。
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