ep.24 力の証明
「我はクロノスドラゴン。この世の術と法を生み出した、頂点なる存在だ」
四人の目の前にいる存在、伝説龍クロノスドラゴンが自ら名乗ってくれた。
それにより、目の前にいるのが目的の存在である事が分かった。
「あの……クロノスドラゴンさん! あなたにお願いしたい事が──」
ヨミが代表してここに赴いた理由を伝えようとすると、クロノスドラゴンがそれを遮り──、
「貴様らの用向きは分かっている。洗脳された少女を救うために、我の力が必要なのであろう?」
「は、はい! その、どうしても彼女を助けたいんです! どうか力を貸してください!」
ヨミは、どうしてクロノスドラゴンが先に知っているのか気になったが、知っているのならば話が早いと、頭を下げて頼むことにした。
しかし……。
「断る」
「「「「え……?」」」」
「我は人間が嫌いだ。嫌いな人間の為に力を貸すなどはせん。それ以前に我は、矮小な下等生物に興味がない。我より強いのであれば興味が湧くが、そうでないのなら塵と同じ。我にとってはどうなろうがどうでもいい存在だ」
「そ、そんな……」
クロノスドラゴンの言葉に、絶望の表情を浮かべるヨミ達。
「だが、貴様らは我の使い魔である守護する石像を打ち破った。あれは我の傑作であった。それを超えると言うのは中々の力を持っていると言う事。よって、貴様らにチャンスを与えてやる」
「チャンス?」
エルナが聞く。
「貴様ら四人で我に挑んでこい。我に勝てはしないだろうが、我が納得するような力を見せてみよ。貴様らの力が我の求める物であれば、貴様らに力を貸そう」
「「「「……………」」」」
クロノスドラゴンの提案に、四人は黙り込んでしまった。
それも致し方ない事だろう。
相手は伝説の龍だ。この世で一番の力を持っていると言っても過言ではない存在。
そんな存在と戦うなど、恐怖でしかない。
四人が黙り込んでいると──、
「臆したか? 戦わないと言うのであれば我は構わんが、その場合は我の力を貸すことはできん。貴様らの仲間を助けたいと言う思いは、少しの苦難で簡単に折れるようなものなのか?」
クロノスドラゴンが、あえて煽るような事を口にする。
そんなクロノスドラゴンに、一人の人物が声を上げた。
「臆する? ふざけないで」
「え、エルナさん……!?」
エルナだった。
クロノスドラゴンの真ん前に歩いていくエルナに、ヨミは声をかけるが、エルナはそれを聞かずにクロノスドラゴンの目の前に立ち、対峙する。
「あんたごとき龍に臆する私達じゃないわ。戦える事に興奮して、黙っちゃっただけよ」
「そうです。私達の思いは、あなたが思うような軟なものではありません!」
「ミャナさんを助けたい、私達はその思い、覚悟を持ってここに来ました! こ、怖いからって逃げ出したりはしません!」
「皆さん……」
エルナの左右に並び立つアイア、ユリア。
二人もクロノスドラゴンと対峙し、確固たる覚悟を見せた。
「貴様らは強い意志を持っているようだな。して男。お前はどうなんだ? 一人の女を助けるために、その身を差し出す覚悟はあるのか?」
ヨミは少しだけ俯いた後、すぐに顔を上げた。
そして、エルナが真ん中を開けて待ってくれているので、真ん中に入り並び立つ。
「もちろんです! 僕はミャナさんを助けたい! その為なら、なんだってできます!」
と、宣言した。
「その心意気やよし! ならば、貴様らの覚悟が嘘ではないと、軟ではないと、我に力を振るい証明してみせよ!」
「行きましょう、皆さん!」
「「はい!」」「えぇ!」
☆ ♡ ☆
「いきなり行くわよ! 火術、弾!」
「風術、竜巻!」
「水術、泡弾!」
クロノスドラゴンに向けて、エルナ、アイア、ユリアがそれぞれ魔術を放った。
その全てがクロノスドラゴンに一直線に向かっていく。
ドーン! ドドドーーン!!
「よっしゃ!」「命中です!」「当たった……!」
全ての攻撃が命中し、三人は喜びを漏らす。
攻撃が当たった際の噴煙が晴れると──、
「かっかか! 中々いい攻撃だった!だが、足りん!」
「そ、そんな……」
「む、無傷だなんて……!」
クロノスドラゴンは全くの無傷だった。
「術とは、こう使うのだ。フン!」
「「「キャーーー!?」」」
「皆さん!」
クロノスドラゴンが巨大な翼をはためかせると、そこから魔術が放たれた。
しかも──、
「い、一度に三つの魔術、ですって……!?」
「しかも、術唱をなしでとは……」
「ひ、一つ一つ、威力がすごいです……」
クロノスドラゴンは、一度に三つの魔術を使用した。
火、風、水。その三つを、翼のはためき一つで放った。しかも、そのどれもが三人が放った魔術の数倍の威力だった。
エルナ達は、吹き飛ばされ、転がった。
なんとか立ち上がるが、一撃の威力が重く、すぐに膝立ち状態になってしまう。
エルナはスカートが破れスパッツが見えてしまい、アイアは袖が破れ脇が見えてしまっている。
ユリアはお腹部分が破れ、おヘソが見えている。
「これで終わりか?」
クロノスドラゴンが尋ねると──、
「まさか! 今のは準備運動よ! ここからが本番だ!」
「えぇ。体は温まりました! ここから本気で行かせていただきます!」
「わ、私も!」
三人は、服の埃を払いながら、再びクロノスドラゴンと対峙する。
「かっかか! いいだろう! かかってこい!」
三人は、クロノスドラゴンに立ち向かっていく。
そんな様子を、ヨミは──、
(僕には、何ができる……?)
と、この状況で、三人の足を引っ張らずに何ができるのかを、戦闘を観察しながら考えていた。
遅くってしまい、大変申し訳ございません……!
この続きは、日曜日に投稿したいと思っております!
お待たせしてしまう事になってしまうのですが、満足のいくものを書かせていただきたいと思っておりますので、楽しみに、お待ちになっていただけますと幸いです!
ブックマーク、ご評価、誠にありがとうございます……!
執筆の励みになっております……!
皆様のご期待に応えられるよう、沢山更新していきたいと思っておりますので、この作品をどうかよろしくお願い致します!




