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ep.23 伝説龍、クロノスドラゴン

「「はぁはぁ……」」

「ちょこまかちょこまかと……!」


 アイアとユリアは、額に汗を浮かべながら息を切らしていた。

 鳥型の守護する石像(ガーディアンレイム)が、自由自在に縦横無尽に飛び回り、アイアとユリアの攻撃を躱している為、二人は魔術費を無駄に消費しまくっていた。

 その為、二人は息を切らしていた。

 ヨミはと言うと、戦いたいのだが、二人の中に入ると足手まといになると言うのが目に見えているので、何もできずにいた。


「どうすれば攻撃が……このままでは魔術費を消費し過ぎて、戦えなくなる……」


 アイアがこの状況を打破しようと、思考を巡らせている。

 そんな時──、


「アイアさん!」

「っ! くっ……!」


 鳥型の守護する石像(ガーディアンレイム)が、アイアに向かって光線を放ってくる。

 ヨミが声をかけた事で、間一髪のところで躱すことに成功したアイア。


「ヨミ様、ありがとうございます!」

「いえ! それより、次が来ます!」

「はっ!」


 ヨミがそう言うと、鳥型の守護する石像(ガーディアンレイム)が、次の光線を放とうとしていた。


「させません! 水術、泡弾(バブルボム)!」


 光線を放とうとしている鳥型の守護する石像(ガーディアンレイム)に、ユリアが水術を放つ。

 しかし、その攻撃を鳥型は躱す。


「なんで届かないんですか……!」


 先程から一度も届かない攻撃に、ユリアは少しばかり苛立っていた。


「どうにかして、攻撃を当てなければ……ん?」


 アイアは鳥型の動きを見て、動きを止めた。


(あの動き、もしかして……)


「ユリアさん! 天井と壁に泡弾を!」

「え……? あ、は、はい!」


 ユリアは、アイアの言う通り、天井と壁に泡弾を放つ。

 あちらこちらに泡が付着する。


「よし、これで……」

「アイアさん……?」


 ユリアは、アイアの考えが分からず首を傾げている。

 そんな中ヨミは──、


(なるほど……そういう事……)


 アイアの狙いが分かっていた。だが──、


(僕には何もできない……! 魔術も魔法も使えない……前は魔術を使えたのに、最近は全く使えなくなってる……今日だって、どうせ……)


 ヨミは拳を握りしめる。手のひらからは、爪が食い込んでいるのか、血が溢れ出す。


(駄目だ……こんなんじゃ駄目だ……! どうせできないからじゃない……! やってみなくちゃ分からないじゃないか……! やる前から諦めるなんて、絶対にしちゃいけない!)

「やらない後悔より、やる後悔の方がいい! 火炎、業火炎!」


 ヨミが手を突き出し、鳥型に向けて(じゅつ)(しょう)を唱える。

 と、ヨミの手から火炎放射が放たれる。


『危険な攻撃を感知。急旋回します』


 鳥型の守護する石像(ガーディアンレイム)は、初めて慌てたような様子を見せ、今まで見たことのない動きで、ヨミの火炎放射を躱した。


「ヨミ様の攻撃を見て、慌てた……? そうか! ヨミ様! もう一度お願いします!」

「任せてください! 火炎、業火炎! ……………な、なんで!? なんで使えないんだ……!?」


 ヨミはもう一度魔術を使おうとしたが、使えなかった。


「ど、どうして……!?」

「ヨミさん!」

「え……? んっ!?」


 ユリアが、ヨミに近づきキスをする。と──、


「こ、これ……!」


 ヨミの体に銀色の光りが集まり始める。


「これ、レベルアップの……」

「ヨミさん、今なら魔術を使えるはずです!」

「え……?」

「早く!」

「は、はい! 火炎、業火炎!」


 ヨミは、ユリアに言われ、魔術を再び使用した。

 すると、先程は使えなかった魔術が使えた。


(これは一体どういう事なんだ……? なんにしても!)

「これで、戦える!」


 ヨミは、鳥型に向かって火炎放射を放つ。先程よりも長く、そして威力が上がっている。


「レベルアップのウインドウは出てなかったけど、これならいける! ハァァァァ!」

『危険な攻撃! 危険な攻撃! 回避! 回避!』


 ヨミの火炎放射をなんとか躱していく鳥型だが、その回避にもだんだん隙が生まれ──、


『回避、不能……!』


 ヨミの火炎放射が、鳥型に命中した。


「今だ! 風術、竜巻!」


 ヨミの火炎放射が、鳥型に命中したのを見た瞬間、アイアが風術を使用。

 鳥型に向かって竜巻を放った。

 周りの泡を巻き込みながら。


「これで、どうでしょうか!」


 アイアの竜巻が、ユリアの泡を巻き込みながら鳥型に命中。


『急激な温度変化……正常な作動が困難……活動を停止します……』


 鳥型の守護する石像(ガーディアンレイム)は、活動を停止したようで、急に動きを止め、地面に落下した。


「やりました!」

「〜〜〜〜!」

「よし!」


 それを見て、アイア、ユリア、ヨミは歓喜した。


「あ、エルナさん!」


 ユリアはエルナに駆け寄り、治術を使用した。


「あ、ありがとう……でも、勝てたね」

「はい。良かったです」

「うん。ヨミはやっぱり格好いいわ」

「はい♪」


 エルナとユリアは、笑いあった。


 ☆ ♡ ☆


 エルナの治療を終え、四人は再び扉の前に並んで立った。


「エルナ、本当に肩大丈夫なんでしょうね?」

「えぇ。ユリアのおかげでバッチリよ。ありがとうね、ユリア」

「いえ。治ってよかったです。それにしても、この扉ってどうやったら開くんでしょうか?」

「あの番人? を倒したんだから、それで開くはずよね? なのになんで開かないの?」

「あの番人は単なる番人、と言った所でしょうか」


 三人が、扉が開かない事に関して話している。

 そんな中で、ヨミだけは──、


(あの守護する石像(ガーディアンレイム)はこの部屋の番人じゃなかった? いや、だとしたらこの扉の前にいるはずは……)


 と、守護する石像(ガーディアンレイム)について思考を巡らせていた。

 そんな時、扉の中から──、


『面白い。あの守護する石像(ガーディアンレイム)を突破するか。いいだろう。中に入ってこい』

「「「「っ!?」」」」


 突如、声が聞こえてきた。

 そして、巨大な扉が、ゴゴゴゴゴゴ……と、大きな音を立ててゆっくりと開いた。


「こ、これって……」

「中に入って来い、って事でしょうね……」


 ヨミ達は、恐る恐る中に入って行った。


 ☆ ♡ ☆


「「「「おっ……!?」」」」


 四人が中に入ると、壁一面に設置された松明に火が灯り、室内を照らす。


「「「「はっ……!?」」」」


 部屋が明るくなると、部屋の中央にとある存在がいた。

 それを見た瞬間、四人は凍ったように動けなくなった。


「来たか、人間達よ」

「あ、あなたは……」


 ヨミが、声を震わせながら尋ねる。


「我はクロノスドラゴン。この世に術と法を生み出した、頂点なる存在だ」


 伝説の龍、クロノスドラゴンがその問いに答えた。

 ついに登場したクロノスドラゴン。

 次話では、クロノスドラゴンに認めてもらう為に、四人が戦いを挑みます!


 この続きは、火曜日か水曜日に投稿したいと思っております!

 お楽しみに!

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