ep.22 ダンジョン攻略 ③
その後も、モンスターが現れる度にエルナとアイアが戦い、倒していく。
それを何度も繰り返し、四人はクロノスドラゴンがいると言われる第六階層にやって来た。
「な、なんだか空気が変わりましたわね……」
「そうね……なんか、威圧感が増したって言うか……」
第六階層に降りてきた四人。
エルナとアイアが感じた空気の変動。それは気のせいではない。
クロノスドラゴンがいるので、クロノスドラゴンが無意識に放つ威圧感が、この階層一帯を包みこんでいるのだ。
「ここからは、今まで以上に気を引き締めて行きましょう」
「「はい!」」「うん!」
ヨミの言葉に頷く三人だったが、ヨミは──、
(戦えもしないのに、口ばっかりで……僕は何をしてるんだろう……)
と、自虐していた。
☆ ♡ ☆
四人は奥へ奥へと進んでいく。
不気味な事に、第五階層までは絶え間なく出てきていたモンスターが、一匹も出てこないのだ。
「なんでモンスターが出てこないの……? ここって一応このダンジョンの最下層なんでしょ……?」
不気味に思ったエルナが、小さく呟く。
その呟きに、アイアが反応する。
「おそらく、ここ一帯を包み込む威圧感が、他のモンスターを出現させないようにしているのでしょう。この威圧の元では、何もできないでしょう……」
「なるほどね……」
四人は、とある扉の前で立ち止まった。
「行き止まりですね。ですが、この壁は扉になってます」
一見行き止まりに見える壁。しかし、それは扉だった。
しかし、巨大過ぎる為、どうやって開けるのか皆目見当もつかない。
四人が、どうやって開けるのかを考えていると──、
『侵入者を感知。ただちに排除します』
と、まるで機械のような声が突如聞こえてきた。
「な、何!?」
四人が辺りを見回すと、突然空間が振動し始める。
そして、その次の瞬間──、
「がっ!?」
「エルナさん!?」
エルナの右肩に、光線が放たれた。
その光線を受けたエルナは、後方に吹き飛んでしまう。
エルナの右肩には穴が開いている。
「エルナさん!」
ユリアがエルナに駆け寄る。
「一体、どこから攻撃が……!?」
「アイアさん、あそこ!」
「はっ!?」
ヨミが天井を指差す。アイアが天井を見ると、そこには鳥のような姿をした石像が飛んでいた。
「な、なんで石像が飛んでるんですか!?」
「あれは【守護する石像】。強力なモンスターがいる階層、またはその部屋を守護する番人のようなものです。その種類は様々あるとは聞いていましたが、空を飛ぶタイプがいるなんて……」
「ヨミ様、その【守護する石像】に対抗するには、どうすればよいのでしょうか? エルナの肩を一撃で射抜いたあの光線、中々に厄介です」
「そうですね……僕も詳しい事はあまりわからないのですが、【守護する石像】は、急激な温度の変化に弱いと聞いた事があります」
「急激な温度変化……あっ、ユリアさん! ちょっと来てください!」
「え……」
エルナを治療中のユリアは、呼ばれたが行っていいのかどうか分からず、戸惑っていた。
そんなユリアに──、
「い、行って……」
「で、ですが……!」
「アイアが呼ぶって事は、あんたが必要って事……私は平気だから、気にせずに行って……ユリア……!」
「……………わ、分かりました……!」
ユリアは、ヨミとアイアの元に行く。
「ユリアさん、あの石像に向かって水術を使用してください」
「は、はい! 水術、泡弾!」
ユリアは、アイアに言われた通りに水術を使用。【守護する石像】に向かって泡の弾を放った。
しかし──、
「くっ……! やはり避けますか……!」
鳥型の守護する石像は、その泡弾を飛び回ることで簡単に回避してしまう。
「でも、私は風術の使い手です! トーリ家の誇りにかけて、なんとしてもあなたを攻略してみせます!」
そうして、ヨミ、アイア、ユリアの三人VS鳥型の守護する石像の戦いが始まった。
この続きは、来週……ではなく明日の月曜日、午後12:00に投稿いたします!
これからは、日曜日だけではなく、できるかぎり沢山投稿したいと思っておりますので、お楽しみにしていてください!
それでは、明日をお楽しみに!
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