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ep.13 新たな女の子との出会い

「はぁ? あんたが魔法騎士? 無理無理。絶対なれる訳ないじゃん! あんた魔法使えないでしょ? それにそもそも、女なんだから根本的に無理なのよ!」


 とある制服を着た女子生徒が、同じ制服を着た女子生徒に対して、キツイ言葉を投げかけていた。

 この二人が通う学園は、(りん)()(てい)(じゅつ)()(じゅつ)学園。

 ヨミ達が通う(せん)()(えい)(じゅつ)魔術学園と対立している学園だ。


「ミャナ、いい? 人には適材適所というものがあるの。人それぞれに合ったものになることで、人生を楽しく生きられるようにする。だから、あなたの場合、魔法騎士になるなんて不適応な事言ってないで、しっかりとした魔術士になって」


 魔法騎士になるのを夢見る、緑色の髪をした少女──ミャナ・シーズの母親が、ミャナの夢を全否定する。

 ミャナは、魔法騎士になるという夢を、誰にも応援してもらえなかった。

 友達からも、親からも。

 そんな日々に、ミャナは絶望しきっていた。


 ☆ ♡ ☆


 とある道を歩くミャナ。

 ミャナは今、考え事をしていた。


(なんで誰も応援してくれないの? 確かに魔法は使えないけど、魔術ならそれなりに使える。なのに……)


 そんな事を考えながら行き着いた先は、泉霞叡術魔術学園。その校門前にミャナは立っていた。


「ここは私が通ってる学園よりも自由だって聞いた事がある……私もこの学園だったら、何か違ってたのかな……」


 学園を眺めながら、そう呟いていると、後ろから声をかけられた。


「あ、あの〜」

「は、はい?」

「この学園に何かご用ですか? もし何かご入用でしたら、僕が中をご案内しますけど……」


(この人、親切な人だな〜。しかも黒髪なんて初めて見た。でも、この人も夢の話をしたらきっと……)


「あ、すみません。ちょっとこの学園が羨ましくて、少し見ていただけなんです。用とかは特に何もないんです。ご親切にありがとうございます」


 ミャナは頭を下げ、感謝を告げた。


「そうでしたか。羨ましいと言われるのは通ってる身からすると結構嬉しいですね。もしよろしかったら、中を見学しませんか? 幸い今日は休みで、中に誰もいないので」

「い、いや、それは流石にご迷惑じゃ……」

「大丈夫ですよ。まぁ、先生には後日報告になってしまいますが、全然問題はありません。…………うん、ないと思います。それに、ここで出会ったのも何かの縁です。お節介させてください」

「……………わ、分かりました。では、お言葉に甘えて。よろしくお願いします」

「はい! あ、自己紹介が遅れてすみません。僕はヨミ・アーバントと言います。この学園に通う一年生です」

「あ、私はミャナ・シーズです。歳はヨミさんと同じです。なので、気軽に名前で呼んでください」

「よろしくお願いします、ミャナさん。僕の事も名前で呼んでください。それでは行きましょう」

「はい。ヨミさん」


 二人は泉霞の園内へと入って行った。


 ☆ ♡ ☆


「ここが、僕が通う教室です」

「……………うちと違って綺麗……」

「え? 何か言いましたか?」

「ううん。なんでもないです」


 ヨミは、ミャナの小さな呟きを聞き取れなかった。

 そして、最後に寮へ案内する事になったのだが……。


「ここまででいいです」

「え? でもまだ寮が……」

「この後予定があって。寮はまた今度お願いします。…………今日はありがとうございました! では!」


 そう言ってミャナは、礼儀正しくお辞儀をし、走り去ってしまった。


「ふ、不思議な子だな〜」


 ヨミとミャナ。この二人の再会は、すぐに訪れる事になる。

 連続投稿です!


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