ep.120 迫りくる危機
ユリア達が、森の中に入った頃。
ヨミは書庫で色んな本を借りていた。
中庭を、数冊の本を抱え歩くヨミ。寮に向かっているようだ。
「みんな頑張ってるんだ。僕も、僕にできる事をしなきゃ」
ヨミは本を抱え直し、寮へと向かう。
と、そこに──、
「よぉ、兄ちゃん」
「っ!?」
後ろから男の声が聞こえてきた。
ヨミが声のした方を向くと、そこには見たことがない服を着た青年が立っていた。
「あ、あなたは……?」」
「俺はリョウヤ。なぁ、俺と遊ぼうぜ?」
「っ……」
ヨミは、嫌な感じを抱いた。
そもそも、この学園には部外者は入れない。それなのに入ってきている時点で怪しさは満点だった。
だから、ヨミは関わらないようにしようと向きを変えて逃げようとした……のだが──。
「っ!?」
向きを変えた先にも人がいた。そこには、先程の青年と同じような服を着た男女二人がいた。
「くっ……」
方向を再び先程の青年の方に変えると、そこには先程まではいなかった女性が立っていた。
前に二人。後ろに二人。計四人の男女がヨミの元に現れた。
「あなた達は、一体……?」
「あなたと無駄話をするつもりはありません。あなたには、ここで消えてもらいます」
青年──リョウヤの隣に立つ眼鏡をかけた女性が、感情があまりない声で言う。
「そういうこった。さぁ、ヨミ・アーバンント。死んでくれ」
リョウヤが右手の拳を左手に当てた後、妖しい笑みを浮かべて言った。
(一体、この人達はなんなんだ……!)
ヨミを狙うこの四人は、一体何者なのだろうか。
ここから、ヨミの場面になります!
ユリア達が森で激闘を繰り広げてる間、ヨミも実は戦っていました。
ヨミを狙う謎の四人組。
そんな四人組とヨミは、しっかりと戦う事ができるのか? ヨミはどうなってしまうのか?
沢山、楽しんでくださると嬉しいです!