ep.114 リムリVSミャナ ③
五本の扇が、倒れるミャナに猛スピードで落下していく。
「ふふ♡ これで、終わりですね♡」
リムリは不敵に笑みを浮かべ、扇の落下を見守る。
しかし、扇がミャナに直撃する直前──、
シュパッ! シュパパパパパ! シュパァァァンッ!
「へぇ〜」
ミャナは落下してきた五本の扇を、剣で斬り伏せた。
その様子を見たリムリは、感心したような声を漏らした。
「はぁはぁ……分身なのに凄まじい威力……」
五本の扇は分身だった為、バラバラになったがまるで霧が消えるかのように消滅した。
しかし、そこでミャナは一つの事に気がつく。
「ん? 全部分身……?」
そう。
ミャナが斬り伏せた扇は、全てが分身だったのだ。
では、本体は一体どこに……?
「はっ!?」
「ふふ♡」
ミャナが空を見上げると、そこには面を広げた扇が浮いていた。
その扇は、まるでミャナを見下ろしているかのような雰囲気を放っている。
「ふふ♡ 遠隔魔法・スローイングファン」
リムリが小さく呟くと、空に浮かぶ扇がミャナに向かって降下してくる。
その速度はかなりなもので、分身の五本をゆうに超えている。
このまま直撃すれば、大怪我……それ以上のダメージを受けることになるだろう。
最悪の場合、死に至るだろう。
(これは、マズイ……!?)
「これで本当に、終わりですね♡」
扇がミャナに向かっていって……。