ep.111 シーサルVSユリア&ミリア ④
「精神変化術・心縛!」
ミリアに向かってシーサルが魔術を使用。
その魔術は、精神術の変化術で……。
「ぐっ……!?」
魔術をかけられたミリアは、その場に片膝をついてしまった。
見た目に特に変化はないが、ミリアは胸を押さえている。その押さえてる部分はちょうど心臓当たりで……?
「な、何を、した……!?」
「お前の心臓を掴んでるんだよ」
「な、何……!?」
「オレ様の精神術は、変化させる事で相手の【臓器】を好きに掌握できるんだ」
「な、なんて厄介な力だよ……!?」
リーサルの場合は、重力の変化術で重力を物に変化させる力だった。
しかし、シーサルの場合は何かを発生させるのではなく、精神に干渉するのと同じく、相手の体の中に干渉する力だった。
今、ミリアはシーサルに心臓を握られている状態。いつでもシーサルの好きなタイミングで潰す事ができる。
よって、かなり危険な状況だった。
「どうする? 今ここで、オレ様や三術姫を悪く言った事を謝れば、半殺しで許してあげるけど?」
シーサルがそんな提案をしてくる。
しかし、ミリアは──、
「はんっ。謝るわけないだろ……。お前らみたいな奴なんかに、謝るわけないだろう!」
と、立ち上がり叫んだ。
「あっそ。だったら、死ね」
その態度が気に食わなかったシーサルは、右手を握りしめる。
すると──、
「ぐああああああああああああああああああ!?」
ミリアは左胸を押さえ、絶叫しながらその場に倒れ込んでしまった。
「うるさっ。さっさと死ね」
「がああああああああああああああああ!?」
倒れ込むミリアを見下ろしながら、シーサルは更に右手に力を込める。
精神をやられてるユリア。心臓を握られるミリア。
この二人の運命は、果たして……。