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最弱の魔法使いが、女子の力を借りて最強に  作者: 龍  岳
第一章 絆 編【人間の悪意】
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ep.109 シーサルVSユリア&ミリア ②

 ミリアの攻撃を先読みしているかのような動きを見せるシーサル。

 そんなシーサルに──、


「あ? んだ、雑魚」


 ユリアが水術を使用した。

 しかし、ユリアが放った泡も(いち)(べつ)すらする事なく弾いてしまった。


「やっぱり……あなた、私達の攻撃を読んでる……いえ、攻撃が視えていますね!」


 ユリアは、今の行動で全てを理解したようで、そうシーサルに言い放つ。


「あぁ。視えてるよ。お前らの攻撃が。まぁ、正確には攻撃が、じゃなくて、攻撃しようとする心が、だけどな」

「「心?」」

「しょうがない。特別に説明してやるよ。オレ様達【三術姫】がいかに最強かを証明する為にな」


 そう言って、シーサルは自身の力について説明を始めた。


「オレ様は【精神のシーサル】。その名の通り精神術を得意としてるんだ。精神術は、相手の精神に干渉したりして攻撃する力だが、もう一つ、力がある」


 それは……と続け──、


「相手の心が読める力だ!」


 ミリアとユリアの二人を指さし、ドヤ顔で語る。

 二人はシーサルの話に耳を傾けながらも、しっかりと警戒体勢を取っていた。


「オレ様はな、相手の『こうしよう、こうしたい、こうしたらどうなる、こうしてみよう』と言う行動に移す前の心が読めるんだ。だから、お前達の攻撃も読める」


 それを受けてミリアが──、


「そうか……。私の回避や攻撃が読めたのは、私が『上に飛ぶ』『雷を放つ』と心で考えたから」

「私が『泡弾(バブルボム)で攻撃する』って考えたから、見なくても弾けた……」

「その通り! だから、オレ様にはいかなる攻撃も、回避も無駄なんだよ! どうだ! オレ様の、【三術姫】の強さが分かったか!」


 シーサルが、ぺったんこな胸を張って自慢げに叫ぶ。

 それを受けてミリアは──、


「あぁ……よ〜く分かったよ。お前達が、いかに雑魚かって事がな!」

「……………………あぁ?」


 ドヤ顔だったシーサルの顔から、一瞬にして感情が消え、真顔になった。そして、低い声を発しながらミリアを睨みつけた。


「結局、お前達は自分の力に酔ってるだけの雑魚だ! そんな力、突破のしようなんていくらでもある! 自身の力に自惚れ、成長をやめた奴に、負けたりはしない! だから胸もそんななんだ!」

「ぐっ……ぐぬっ……! ぐぬぬぬぬぬぬ……!!!」


 ミリアにそう言われたシーサルは、俯いたまま拳を血が出てしまうほど握りしめ、ぷるぷると震え出す。


「だーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!! うっさいうっさいうっさいうっさい、うっっっさーーーーーーーーーーーい!!!!!!!」


 これまで以上に大きな声に、二人は耳を塞ぐ。


「オレ様は雑魚じゃない! 三術姫も雑魚じゃない! オレ様達は最強軍団なんだぁああああああ!!! それと、胸の事は言うなぁぁぁぁぁ!!! お前らがデカ過ぎんだ! この贅肉の塊がぁぁ!!!」

「ぜ、贅肉……」


 シーサルの言葉に、ユリアがショックを受ける。


「そこのお前! 前に裸で男と湖で抱き合ってたな! 終いにはキスまでしやがって! ムキーーー!! ふざけんなよクソッタレがぁぁぁ!!!」

「ユリア……ヨミとキスしたのか……? お姉ちゃん、聞いてないぞ……? お前ら、どこまで進んでるんだ……?」

「い、いや、あの、その、ど、どどどどどどどどどどどこまでと言うのは答えにくいんだけど……よ、よよよよよよよヨミさんとは、その……!」


 シーサルの思わぬ告発に、ミリアは目を点にしてユリアに尋ねる。

 ユリアはどう答えていいのか分からずパニックになってしまった。


 ヨミとユリアは、クロノスドラゴンの元に向かう途中、湖で裸で抱き合い、そのままキスをした。

 想いを伝えた訳ではないが、ユリアは今までよりもっと深い関係になれていると思っている。

 普段のレベルアップでキス以上の事をしているが、やはりキスは特別。

 特に女の子にとってはファーストキスと言うのは大切なものだ。

 特別な人、本当に大切で大事な人としたい。そう思っているだろう。

 だからこそ、ユリアはあの日、ヨミとキスができた事を嬉しく思っている。

 だが、それを他の人には言えずにいた。というか、できれば言いたくないと思っていた。

 ヨミを独り占めしたいと言う、独占欲が芽生え始めているから。

 しかし、その気持ちをユリアは自覚してなかった。


「オレ様や三術姫、さらには胸の事を馬鹿にしたお前達は絶対に許さない!!! 必ずぶっ殺してやる……!!! 精神術、(しん)(あつ)!」


 シーサルが二人に向かって魔術を使用。

 すると──、


「っ!? あああああああああああああああ!?」

「ゆ、ユリア!?」


 ユリアが突然、胸を押さえながらしゃがみ込んでしまった。

 苦痛の悲鳴を上げて。

『特に女の子にとってはファーストキスと言うのは大切なものだ。』

 この言葉に、嫌な思い、不快な思いをされてしまった方、大変申し訳ございません……!


 たった一言。たった一言ではありますが、気になる方は中にはいらっしゃるかと思われます……。

 僕自身も、差別的な発言や、決めつけるような発言はどうしても気になってしまいます。

 なので、今回は話の流れや作品の都合上どうしても書かなければならないとは言え、こういった言葉を記載してしまったこと、そしてその一言で不快な思いをさせてしまった事、申し訳ない気持ちでいっぱいです……。

 今後もこういった言葉が出てきてしまうかと思いますが、温かく見守っていて、そしてお許しいただけますと、幸いです……!

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