表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱の魔法使いが、女子の力を借りて最強に  作者: 龍  岳
第一章 絆 編【人間の悪意】
108/130

ep.103 立ちはだかる敵

「あ、あんた達は……」


 ミャナ達の前に現れたのは、果たして──。


「よぉ、久しぶりだな」


 ミャナ……いや、ミャナ以外の人達に声を掛ける男性。

 そんな男性を見て、ミリアとリエの二人が驚愕の表情を浮かべ震える声を発する。


「きょ、教頭先生! こんな所で何をやっているんですか!?」

「ヴァイル先生……納得のいく説明をお願いします……!」


 声をかけてきた男性。それは、(せん)()(えい)(じゅつ)魔術学園の教頭、ゴーザ・ヴァイルだった。

 ゴーザは、常にグルスと行動を共にしており、グルスの意思を尊重していた。

 しかし、グルスがグリエと共にいる時、側にはいなかった気がするのだが……?


「先生方、何気に久しぶりだな」

「どういう事なのかと聞いているんです!!!」

「おうおう、怒んなよ。ミリア先生。女の怒った顔は嫌いだ。俺がこんな所で何をしてるかって? そんなの決まってんだろ。お前らを殺す為だ」

『っ!?』


 ゴーザの口からとんでもない事が告げられた。


「なんで……なんでこんな事を──」

「話はもういいだろう。ここは戦場だ。殺し合う場。無駄な会話は一切いらない!」

「そうね。無駄な会話はいらない。ここであんたをぶっ飛ばす!」


 エルナがゴーザの言葉に賛同し、戦闘態勢を取る。

 それに合わせて、全員が戦闘態勢に入る。


「お前は話が通じるなぁ〜。だが、俺好みの女じゃないから残念だ」

「キモ……」

「それで? その三人は誰なの?」


 ミャナが警戒しながら、ゴーザ以外の三人の事を尋ねる。


「あ〜そういやそうだな。おい、自己紹介したれ」


 ゴーザがそう言うと、三人は頷き、一人一人自己紹介を始める。


「あはぁ〜♡ 私はリムリ・アイルンです〜♡ よろしくお願いします〜♡」


 目が飛んでいるような、面積が少なく露出の多い鎧を身に纏っている少女──リムリ・アイルンが、扇を回転させながら名乗った。


「ふわぁ〜……シーサル……」


 羊の角を模した髪型をしており、水色のチャイナドレスを着ていて、何より銀白の髪色が特徴的な少女──シーサルが眠そうにあくびをしながら名乗った。


「俺は……こっちの世界だとコウト・サワナカ。か?」


 茶髪で右目を前髪で隠し、どこか気だるそうな雰囲気の少年──コウト・サワナカが名乗った。

 口調はどこか荒々しいものを感じた。


「さぁ、自己紹介は終わった! ここからは殺し合いと行こうぜ!」


 ゴーザがそう言うと、冒険者達がグッと前に踏み出してくる。

 が、それに対しゴーザが──、


「おっと! 後ろの邪魔者共は手出しさせねぇぞ。これは俺達の戦いだからな」


 そう言って指を鳴らすと、今まで全く動きを見せなかった生き物達が、ゆっくりと行動を開始した。


『っ!?』


 その生き物達は、ミャナ達の後方にいる冒険者達を狙って進み始める。

 ちょうど、六人と冒険者達の間に入ってきて、分断してきた。


「ここは私達に任せて!」

「皆様は、お逃げください!」


 エルナとアイアが冒険者達に言う。

 それを受けた冒険者達は──、


「すまない!」

「頼むから無事に戻ってきてくれよ!」

「こいつらをどうにかしたら、必ず助けに戻ってくるからな!」


 など言い残し、走り去っていった。


「これで邪魔は入らない。あんた達の狙い通りだ」


 ミャナが鋭くゴーザを睨みつける。


「そうだな。じゃあ、始めるか」


 そう言ってゴーザは、どこかに歩き出す。


『?』


 その行動を不審に思った六人は、ゴーザの行動から目を離さない。

 だが、これ事態に狙いがあるわけではないようで……。


「何ボサッとしてんだ。それぞれが誰と戦うかを決めて散らばれ。仲間を助ける為に参戦したり、助け合ったりされちゃ困るからな」


 ゴーザが言う事に納得した六人は、小声で相談を開始した。


「誰でもいいから、こっち来て……ふわぁ〜眠い……」

「私と遊びましょう〜♡」

「ふんっ」


 シーサル、リムリ、コウトの三人もそれぞれ別の場所に向かう。

 そして、ミャナ達は相談して決めた相手の場所に向かった。


 コウトの相手は──。


「俺の相手はテメェらか」

「えぇ。アイア・トーリと申します。以後、お見知り置きを」

「リエです。よろしくお願いします」

「はっ。無駄に丁寧だなぁ。これから殺し合うっていうのに」


 アイアとリエの二人が、コウトと戦う。


 シーサルの相手は──。


「あなた達が相手?」

「あぁ。三術姫の一人と戦えるなんて、光栄だよ。ミリア・ヴァージン、本気で行かせてもらう!」

「ゆ、ユリア・ヴァージン! 私も頑張ります!」

「はぁ〜……面倒くさい……早く帰ってエーサルの作ったご飯が食べたい……」


 ユリアとミリアの姉妹が、シーサルと戦う。


 リムリの相手は──。


「あはぁ〜♡ 私の相手はあなたですか〜♡」

「えぇ。あなたには借りがあるからね」

「借り〜?」

「あんたが街中で暴れた時、私はヨミ君を守る事ができなかった……! だから、今ここで、その借りを返す!」

「なんの事だか分かりませんが〜、お手柔らかにお願いしますね〜♡」


 ミャナがリムリと戦う。


 ゴーザの相手は──。


「ほぅ。お前が俺の相手か」

「えぇ。なんか不満?」

「いいや、別に。初めてお前達と会った時から一度手合わせしたいと思ってたんだ。俺に怯まず睨みつけてきたあの日、からな」

「ヨミのユリアをエロい目で見たあんたを、私は絶対に許さない! あんたはここで、私がぶっ倒す!」

「やれるもんなら、やってみな!」


 エルナがゴーザと戦う。


 こうして、ゴーザVSエルナ。リムリVSミャナ。

 シーサルVSユリア&ミリア。コウトVSアイア&リエ。


 それぞの戦いの火蓋が切られた。

 久しぶりの登場となった教頭のゴーザ・ヴァイル。

「こいつ誰だっけ?」と思われた方は『ep.6』をお読みいただくと、思い出していただけるかと思います♪


 三術姫の二人目、シーサルは一体どんな力を秘めているのか。

 リムリ・アイルンとの戦いはどうなるのか。

 新たに登場した謎の男は一体何者なのか。


 今後、徐々に明らかにしていきたいと思っているので楽しみにしていていただけますと、幸いです!


 次話からそれぞれの戦いを、数話ずつしっかりと丁寧に描いていきたいと思っております!

 次話はコウトVSアイア&リエです!

 それぞれが何話分になるのか、僕自身も分かっておりません!なので、どれだけの話数で来るのか想像しながらお楽しみいただけると、とっても嬉しいです!

 どんな戦いになって、どうなるのか。ぜひ、楽しみにしていてください♪

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ