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最弱の魔法使いが、女子の力を借りて最強に  作者: 龍  岳
第一章 絆 編【つかの間の平穏】
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ep.99 戦いの編成

「みっともない所を見せて、すまなかった。だが、もう大丈夫だ。私はもう何にも屈しない!」


 ミリアが教壇から生徒達に向かって言うと、拍手が巻き起こった。

 拍手が鳴り止むと、ミリアは森に向かう編成の話を始めた。


「これは遊びじゃない。少しの油断が死に繋がる。いや、油断をしてなくても負ければ死ぬ。つまり、勝たなければ生き残れない」


 ミリアの言葉を、静かに聞く生徒達。


「だから、命を懸ける覚悟がある者だけ、挙手をしてくれ」


 ミリアが挙手を求めると、一人、二人、三人、四人の手が上がる。


「ユリア、スカーレット、トーリ、シーズ……ありがとう……!」


 そして、もう一人。


「ヨミ……」

「僕も、戦います!」


 ヨミも覚悟を決め、手を上げた。が──、


「ヨミさんは駄目ですよ」

「り、リエ先生……? なぜですか……?」


 リエがそれを止めた。


「ヨミさん、体の調子が優れないんじゃないですか?」

「っ!?」

「ここ最近、顔色が悪い時が多々あります。体調が優れない人を、危険な戦場に向かわせる事はできません」

「で、でも!」

「足手まといになるというのが分かりませんか!」

「っ……!?」

「今のあなたが戦場に行っても、戦力にはならない。ただの足手まといなんです。戦えない人が側にいるだけで、みんなはその人を守らなきゃいけない。守りながらでは、戦闘に集中ができないんです。その結果、命を落とす可能性が高まる。それでもいいんですか?」

「くっ……」


 リエの言う事は正しい。正しいからこそ、ヨミは何も言えなかった。

 そして、今回ばっかりは、ユリア達も何も言えなかった。

 実際、ヨミには戦う力はある。だが、エルナ達に比べれば大した事はない。

 そうなると、誰かがヨミを守りながら戦わなければいけなくなる。

 そうすると、リエが言った通り戦闘に集中ができず、命を落とす可能性が高まってしまう。

 今回の戦いでは、その可能性は少しでも低い方がいい。と、するならば、ヨミはいない方がいい。。


「それに、ヨミさんには頼みたい事があるんです」

「た、頼みたい事……?」

「はい。書庫に行って今回現れた生物達について何か載ってないか、調べてほしいんです」

「わ、分かりました……。やります」

「お願いします。ミリア先生、それでいいですよね?」

「あ、あぁ。ヨミ、頼んだぞ」

「はい」


 そうして、ヨミは書庫で今回の生物について調べる事になり、森に向かうのはミリア、リエ、ユリア、エルナ、アイア、ミャナと言う事になった。


 ヨミの表情が晴れる事はなかったが。

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