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〜推しは力なり。推しを愛し世界を攻略せよ〜

プロローグ ブラック企業から異世界転生!?


上司:「拓人、これじゃあお前が成績不振なのもわかるだろう?もっと働け!」


そう怒鳴られたのは20代ブラック企業社員渡辺拓人だった。

拓人はブラック企業での残業が終わり、上司のパワハラに疲れ果てていた。

帰りのエレベーターで一息つきながら、

「もう限界だな。このままじゃやっていけない。でも、愛衣の新曲が楽しみだ。少しでも元気をもらおう。」

と彼は前向きになり、仕事場をあとにする。

そう拓人はヲタクだった。普段上司に罵声を浴びさせられるので精神が不安定、そんなときに推し事をすることで彼は少し落ち着くことができるのだ。

彼が推しているのは、大人気アイドルグループ・ハートキューティクルの中でもセンターであり、その圧倒的なカリスマで知られる好本愛衣アイたんだ。彼女はベージュ色のサラサラロングヘアーに、見つめるだけで誰もが魅了されるような美しい瞳を持っていた。その歌声は全国のファンを虜にし、女優業もこなすなど非の打ち所がない存在だった。


拓人は気分を切り替えてハートキューティクルのCDショップに向かう途中、心の中で愛衣への熱い思いをつぶやいていた。途中で出会った仲間たちとも仕事の愚痴や推しの話で盛り上がり、少しだけ心が軽くなった。


そして、CDショップに到着するも、彼の人生は思いもよらぬ終わりを迎えることとなった。運が悪かったからなのか、拓人はブレーキの効かないトラックにはねられてしまう。事故の瞬間、拓人は一瞬時空が歪んだかのような感覚だった。その後ゆったりと体は地面に倒れ込み、拓人は意識を失ってしまった。


最初はただの走馬灯かと思っていた。しかし、周りを見渡すと見慣れない風景が広がっていた。初めは戸惑いと不安が入り混じりながらも、次第にここは別世界と感じる様になっていった。


森の中に迷い込んだ時、異世界であることに気づいた。あたりを探索してみると、拓人は足元の柔らかな草むらや、見知らぬ花々に興味津々で近づいていった。異世界の植物は鮮やかな色合いで、それぞれが独自の輝きを放っていた。


小川がそっと流れ、水面には美しいが見たこと無い小魚たちが泳いでいる。拓人は異世界の自然に感動しつつ、森の中を歩き回る。すると、拓人は森の奥から、いかにも弱そうなスライムが姿を現すのを見かけた。自然が広がる中、同時に魔物が存在することに気づき、異世界の厳しさを再確認した。


しかし、それと同時に異世界に来れたということに興奮した拓人は、その弱そうなスライムに立ち向かうことを決意した。「よし、これくらいの敵なら…」と、拓人は手に取った棒でスライムを思い切り叩こうとする。


しかし、思い通りにスライムを倒すことはできず、逆にスライムの粘性のある体が拓人を縛り付けてしまう。身動きが取れなくなった拓人は驚きと困惑の表情を浮かべ、

「異世界でも死ぬんだ……せめてスライムくらい弱くあってよ」と呟いた。


拓人がスライムによって倒されそうになると、どこからか見知らぬ冒険者が現れた。その冒険者は炎の魔法を宿した剣を手に持ち、一刀のもとでスライムを切り裂いた。


驚きと救われた気持ちで胸をなでおろす拓人。見知らぬ冒険者は優れた戦闘技術を持っており、切られたスライムは炎に包まれながら溶け、跡形もなく姿を消した。


冒険者は拓人に対して、

「大丈夫だったか?この森は危ないぞ。スライムなんか、まともに攻撃が入んねぇんだから棒なんかで叩かねぇぞ」と声を掛ける。何故か言葉が通じることにホッとした拓人は、困った様子で

「助かりました。僕は…その、道に迷ってて」と語りかけた。


冒険者は

「その服装、この辺では見ねぇ。何もんだ?」と問い詰める。拓人は転生したことを言えないため、とっさに

「記憶にないんです。気づいたらここにいました。」と言い訳をした。


冒険者は少し不審そうな表情を見せつつも、

「そうか、危ないぞ…そうだどうせ行く宛がないんだろ。なら、ついてこい。この先にライルの町があるんだ」と提案する。


拓人は戸惑いながらも、

「いいんですか…お願いします」と頷き、冒険者についていくことを決意した。


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