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常世町の平凡   作者: 蜂六
3/6

町の異変

朱たちがいつものように町を歩いていたある日

武田のおばあちゃんから声をかけられた。

「朱ちゃんたち 聞いてよ 毎週町民全員に届けられる荷物あるでしょ? あれの中身が変なのよ」

「変? 何が変なの?」

と朱が答える。

「それがね 毎週欲しいもの書いて、週末に荷物が送られてくるでしょ? でも、今日届いたものはあたしが書いたものじゃないんだよ」

「ええっ?」

「もしかしたら、他の人の荷物と間違えて送ってきたかもしれないからさ 朱ちゃん達 他の人に聞いてきておくれよ」

「お、おう わかった! お前ら行くぞ!」

朱の号令を合図に、3人は常世町の家々を回り、聞き込みをした。


「そっちはどうだった?」

と朱は聞き込みが終わった2人に聞いた。

「おれのとこはみんな違う物が届いてるって言ってた」

蒼が話す。

「おれのとこもだ」

と菫が頷いた。

「やっぱりそうか… おれが回ったとこもそうだったんだ もしかしたら、この町の全員の荷物が入れ替わってるかもしれない」

「それは大変だな」

「じいちゃんばあちゃん困ってるからなんとかしねぇとな」

「よし!この町のみんなにはいつもお世話になってるし、おれらでなんとかしよう!」

「それはいいな」

「おーし やってやるぞー!」

そう言うと3人は、さっき回った家をもう一度回り、荷物として頼んだものを聞き、届けられた荷物を回収した。

そして、3人は公園に集まり、それぞれの頼んだものを届いた箱に入れ直し、またそれぞれの家へと届けた。


公園に戻ってきた3人は、疲れから地面に横になった。

菫はあくびをし、2人に話しかけた。

「ふぅー、疲れちまったなぁ」

「そうだな さすがに大変だった」

と言うと蒼も釣られてあくびをした。

すると、朱が

「にしても、なんで荷物が入れ替わったんだろうなぁ」

と話す。

「確か、荷物って天使が運んでくるんだったよな?朱?」

「見たことはねぇけど、そのはずだ」

「その天使が全員の荷物を間違えると思うか?」

「んー、考えづらいなぁ 今までだって荷物の間違いなんて起きたことないからなぁ」

「そーだよな」

「あの荷物って天使が運んできてたんだな」

「蒼はこっちに来たばっかだから知らなかったか」

「あぁ」

「まぁでもとりあえず みんなの荷物は無事に戻ったし、疲れたし、今日はお開きにすっか」

「そうだな」

3人はそれぞれ帰路についた。


その後もいつものように日々が過ぎた。

そして、荷物入れ替わり事件からちょうど1週間後。

また同じ荷物が入れ替わるという事件が起こった。

3人は前回と同じように荷物を元に戻し、町は普段通りになったが、3人の頭には疑念の色が強く残っていた。

そして、そのまた1週間後にも同様の事件が起こり、3人の疑念は確信へと変わったのだった。


3人は町民の荷物を元に戻し、いつもの公園へと集まった。

朱が話し始める。

「3週間もみんなの荷物が入れ替わるなんておかしすぎる 普通じゃないなにかが起こってると思う」

「おれもそう思うが、情報が少なすぎる 犯人がいるのか 天使たちになにかしらの異変が起こっているのか…」

「おれぁ 難しいことはよくわかんねぇけどよ 天使たちがどうかしちまったってのは違うと思うんだよな」

「なんで?」

「よくわかんねぇけどよ 天使って1人が全員分運んでるわけじゃねぇだろ? だから、誰かが間違えてたら周りの天使が気づくと思うんだよ」

「天使がわざとやってるって可能性はないのか?」

「それはないな 天使は悪さやいたずらをすると堕天使になって魔界に行くことになっちゃうから好き好んで悪さをする天使はいないね」

「そうなのか」

「じゃあ、菫は犯人が別にいるって思ってんだな?」

「そうだ」

「蒼は?」

「今の話を聞いたら、菫と同意見だ だが、犯人がいたとして動機がわからない」

「まぁ、それはそうなんだよな」

「動機は犯人から直接聞けばいいじゃねぇか」

「そうだな」

「じゃあ、とりあえず今日は疲れたから明日から犯人探しするぞ」

「やってやんぜ!」

「おう」


翌日から3人は常世町で起きた事件の犯人を探し始めた。


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