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獣人王子と癒し手王女の政略婚  作者: アシコシツヨシ


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56 祝賀会 (グレーシス視点)

祝賀会(目次46)のグレーシスです。

祝賀会ではリーリスと共に過ごすつもりだった。

其なのに、ティミラーとフレイルの兄二人に呼び出された。


「大事な話がある。」

王太子であるティミラーに真面目に言われ、宰相補佐のフレイルに黙って頷かれると、流石に応じるしかない。


「大丈夫です。」

ニッコリと微笑んでくれるリーリス。

気を遣わせてしまった。


リーリスは誰に対しても、思いやりと笑顔を向けられる。その人柄に惹かれる者は多い。


関わった騎士達はリーリスを気にかけて、進んで傍に居てくれるだろう。 ただ余り近づいて欲しくない。出来るだけ早く戻ろう。


「で、何だ。」

さっさとしてくれ。とは流石に言わない。


「子供が生まれたんだ。機会を作ってリーリスにも会わせようと思っている。」

ティミラーも父になるのか。


「出来ればリーリスに、獣人の子供を見せたくない。」

過去に獣人と結ばれた人間の女が獣人を生み、その姿を見て心が病み、自殺した事例を思い出した。


「現実を知る事は必要だ。グレーシスもいずれは……。」

フレイルの言いたい事は分かる。


「大きなお世話だ。第三王子なら、別に子供なんて居なくても問題ない。」

「でも可能性はあるだろう。初夜とか。」

フレイルは何を期待しているんだか。


「何も無い。」

何故兄弟に、こんな話をしなければならないんだ。


「え?もしかしてリーリスに対して、そういった気持ちに成れないとか?」

ティミラーはデリカシーが無い所がある。


「……な訳無い。」

無駄な嘘はついてもどうせバレるから、つかない事にしている。

早くこの場から離れたい。


「まあ、過去の事例を考えると、分からなくもないけれど、リーリスは、そんな人間じゃないと思うよ。」

「そんな事は……。」


ティミラーに言われたくない。

リーリスの事は、一番自分が理解しているつもりだ。

信じたい気持ちと不安が入り交じった、不快な気分になった。


「ま、話はそれだけなんだ。嫌な気持ちにさせて悪かったね。」

「これでも心配してるんだ。」

「分かってる。私の気持ちの問題だ。」


慰めるように二人に肩をポンポンと軽く叩かれた。

やれやれ、やっと兄達から解放された。


若干不快な気分になったので、一杯飲んで気持ちを落ち着かせてから、リーリスのもとへ戻ろう。


ふと、騎士達のリボンが目についた。

任務も一段落したし、リーリスにリボンを返しに来るのだろうか。


リーリスに笑顔を向けられて、喜んでいる騎士達の姿を想像すると、ちょっと不快な気分になった。


そうだ、代わりに回収してやろう。

早速行動する。


「リボンをリーリスに返すなら、私が預かろう。」

一人一人回収して回った。


「せっかくですが、妃殿下に返すと約束をした物なので、直接お渡しするつもりです。」


そう言って、どの騎士もリボンを渡そうとしない。

リーリスに、忠誠を誓っただけの事はある。


「気持ちはしっかりと伝えておく。君が無事であることをリーリスは一番に喜ぶだろう。」


ニッコリと微笑んだ。

こんな時の笑顔は怖い、と有名なのは自覚している。

騎士達は渋々リボンを差し出し、回収に成功した。


ご機嫌でリーリスの居るソファーに向かうと、部隊長補佐のエイガーがリーリスの隣に座り、楽しそうに談笑している。


「随分と楽しそうだな。」

嫌味を言ったつもりだった。


「楽しいですよ。羨ましいなら、さっさと戻って来ればいいじゃないですか。」


あっさり認められ、正論で返されると、何も言えなかった。

冷静に考えると、リボンの回収は別日でも出来たのだ。


「では。」

空気の読める男エイガーに、素早く逃げられてしまった。

奴のリボンは明日、回収するとしよう。


やっとリーリスとの時間を取れる。と思ったが、そろそろ酔いが回って、騎士達が野獣と化す頃だ。

リーリスが近くにいたら、どんな絡み方をするか分からない。

早くこの場を離れなければ。


「そろそろ邸に戻るとしよう。」

「あの、私もお泊まりしてみたいです。」


リーリスが、クイッと軽くマントを引っ張って、上目遣いで可愛らしくお願いしてくる。


誰だリーリスにそう思わせた奴は!

出来るなら聞いてやりたい。が、心を鬼にした。


「駄目、絶対。」

リーリスが、他の酔った騎士にスリスリされるのも、寝顔を見られるのも許せない自信がある。


リーリスの事になると、本当に私は駄目だな。

まあ、此も悪くない。


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