39 帰還、そして
辺境騎士団に見送られ、再び四日掛けて王宮に帰還し、午後三時頃、謁見の間にて、リロイ国王陛下に帰還報告をした。
「リーリス、王魔討専部隊の諸君、クレイン、マイ、伝染病の終息と魔物討伐の任務、大義であった。ヘルケン辺境伯から礼状が届いている。魔物の脅威も、辺境騎士団が機能すれば問題無いだろう。リーリス、辺境騎士団に忠誠を誓われるのは王族として認められたと同義だ。自信を持つと良い。」
「はい。」
リロイ国王陛下は、私に穏やかな表情を向けてくれた。が、全員を見渡す時には、厳しい表情へと変わった。
「しかし、他にも解決せねばならない問題がある。伝染病は未だ猛威を奮っており、この数日、王都に住む民の獣化が進み、町の機能が低下し始めている。知っての通り、魔物は弱い獲物に敏感だ。獣化した民を狙って、近隣の森から王都になだれ込む魔物が増え、現在、王都にいる王魔討専部隊と下級騎士が、討伐に当たっているが、手が足りない状況だ。」
私達が辺境へ行っている間、王都内では更に伝染病が広がり、深刻な状況になってしまったようだ。
「そこで、リーリスとクレインは別室で治療計画を立て、王都の伝染病患者の治療に尽力してもらいたい。現場に行く時の護衛は、王国騎士団第二部隊を付ける。王魔討専部隊は下級騎士と共に、引き続き魔物討伐任務を命じる。」
「「「はい。」」」
再び王命が下った。
私と医師のクレインは王都の詳しい状況を聞き、治療計画を立てる為、謁見の間にやって来た王国騎士団第二部隊所属のサンセとシュナイザーに、別室へ案内される。
グレーシス率いる王魔討専部隊は部隊編成をするために、王宮内にある騎士棟へ向かう。
騎士達を引き連れて、足早に歩くグレーシス殿下が、私達を追い越す。
その時、グレーシス殿下の手が私の肩に優しく触れた。
「また後で。」
ふわりと微笑んで、何事も無いように颯爽と、騎士達と去って行く。
一瞬の出来事で、目を合わせるくらいしか出来なかった。
クールな態度から一転、甘い微笑みのギャップに、また心を奪われてしまった。




