表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
獣人王子と癒し手王女の政略婚  作者: アシコシツヨシ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/128

29 五日目屋上にて

五日目。残るは最後のグループだけとなった。

今日で癒し手は終わり、後はヒト型になるまで、体力の回復を待つだけとなる。


昼休みの空いた時間に、城塞の屋上で自然エネルギーを吸収するのが、すっかり日課となっていた。

夜と違って、眼下には町や森が見え、景色も楽しめる。

深呼吸をしていると、一人の騎士が近付いて来た。


「妃殿下は此方に頻繁に来られているようですが、何かご用でしょうか。」

冷たい視線が向けられている。


獣人は感情に敏感だ、とグレーシス殿下が言っていたのを思い出した。


「この場所がとても気に入りましたので、つい足が向いてしまったの。」


自然エネルギーを補給しに来た、とは言える筈もない。

けれど、この場所が気に入っているのは確かなので、嘘はついていない。

ニッコリと微笑む。


「……討伐でお疲れの部隊長に、夜まで毎日付き合わせるのは、如何なものかと。それにここは見張り台であって、遊びに来る所ではありません。他所へ行くか、お部屋でお過ごしになっては居かがでしょうか。」


「尤もなご意見です。」


笑顔を張り付けたまま、考える。

グレーシス殿下は辺境でも慕われているのね。


グレーシス殿下が優しくしてくれるから、つい甘えてしまっていた。

彼に言われたように、確かにグレーシス殿下の負担になっていたかもしれない。


でも、ここに来れないのは困る。

どうしたものかしら……。


「下級騎士が随分な口を利くものだな。」

この声はグレーシス殿下!?今日の討伐は早く終わったのかしら。


「グレーシス部隊長!申し訳ございません。決してその様なつもりでは……。」


「謝るなら私にではなく、リーリスに謝るべきではないか?ここの出入りは自由だったと認識していたが、違うならギルバート団長に確認し、正式に許可を取るとしよう。」


「その必要はございません。部隊長の認識で間違いありません。差し出がましい私をお許し下さい。失礼致します。」


騎士は畏まって礼をすると、素早く見張り任務に戻って行った。


「リーリス天候も崩れそうだ。仕方ない、部屋で過ごすとしよう。」


部屋に戻ると、早速マイが紅茶を淹れてくれた。

ソファーにグレーシス殿下と、横並びに座って、寛ぎながらも、騎士に言われた事が気になっていた。


「心配するな。言質は取った。誰にも文句は言わせない。リーリスにも癒しは必要だ。」


「ありがとうございます。でも、魔物討伐でお疲れなのに、毎晩私に付き合わせて、殿下の負担になっているのは、尤もだと思いました。」


「負担に思った事は一度も無い。だから、気にしなくて良い。」

「ありがとうございます。」


そうやっていつも、グレーシス殿下は気遣ってくれるから、余計に心配になってしまう。


でも、今日を終えれば、毎日屋上に行く必要は無くなる。

先程は騎士が来てしまったけれど、自然エネルギーの吸収は出来たと思う。


それに、これから天気が崩れるのなら、無理に屋上へ行かなくても大丈夫よね。


そう判断してしまった。

しかし、それがいけなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ