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獣人王子と癒し手王女の政略婚  作者: アシコシツヨシ


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17 復帰と秘密

久しぶり見た騎士服姿のグレーシス殿下は、相変わらず凛々しい。


「もう一日休まれてはいかがですか?」

「心配無い。もう充分休んだ。元の姿に戻れたのが元気な証拠だ。これ以上休むと、体が鈍ってしまう。」


とは言われても、病み上がりだから心配にもなる。

咄嗟にグレーシス殿下の服の裾をつまんだ。


「でも、無理はしないで下さいね。」

「……分かった、行ってくる。」


グレーシス殿下の片手が安心させるかのように、私の肩にそっと触れて、離れた。

ヒト型に戻ったグレーシス殿下は、その日から騎士の仕事に復帰した。


今回流行っている伝染病は本来、回復までに最低二週間は掛かり、死者が出るほど重い病らしい。


それなのに、グレーシス殿下は三日で回復して、四日目には仕事に復帰した。

だから、騎士達に驚かれたらしい。


「伝染病だと思ったが、ちょっと重い風邪だった。と言っておいた。」

グレーシス殿下が帰宅して、一緒に夕食を取っている時、話してくれた。


約束通り、癒し手の事を黙っていてくれたようで安心した。

そしてもう一人、癒し手の事を話した人物がいる。

執事のドルフだ。


「ドルフは長年王族に仕えているから信用できる。私から癒し手の事は話そう。」

癒し手の直後に侍従達が動かないよう、協力して貰った。


ドルフが協力してくれたお陰で、邸の者達も三~五日ほどで回復して、既に全員通常業務に戻っている。

皆、元気そうで安心した。


「感染した時は死ぬかと思ったけれど、眠ったら直ぐ楽になった。」


彼等は全員同じように回復したので、伝染病はそんなものだったと思い、それが癒し手による効果だとは知らない。


知っているのはグレーシス殿下と、伝染病に詳しい執事のドルフだけ。


「決して口外いたしませんので、ご安心下さいませ。これは三人だけの秘密でございますね。」


真剣な眼差しで誓ってくれた直後に、和ませようと笑顔で締める、ドルフの心遣いが嬉しかった。


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