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豚野郎と鞭の天使  作者: れん
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人生初デートで大失敗

僕の名前はれん。IT企業で勤務している26歳の独身男性だ。アラサーになり、結婚を意識するようになった。


彼女もできたことない僕はどうすればいいのかわからなかった。

結婚相談所は高いし、かといって紹介してくれる友人もいない。


悩んでいるとき、僕の生活を一変させる出来事があった。


「蓮は彼女いるの?」


会社の先輩が唐突に僕に尋ねてきた。


「いないですよ。これまでできたこともないです。」


この手の話題を苦手としている僕は、さっさと切り上げるために聞かれてもいないことまで答えた。


「まさか女性に興味ないとか…?」


「そんなことないです。興味めっちゃあります。でも彼女の作り方がわからないんです。結婚相談所は高いみたいですし、紹介してくれる友達もいないので。」


そう、僕は女性に興味はあるし、彼女を作りたいのだ。


「それならいいものがあるよ。マッチングアプリって知ってる?俺もやってて、実際に彼女もできたし、蓮もできると思うよ。プロフィールの書き方も教えてあげる。」


「そうなんですね。僕もやってみます!」


そういって僕はマッチングアプリに登録した。


数週間後、メッセージ機能でやり取りしていた女性と正月に会うことになった。

これが人生で初のデートだ。緊張で前日の夜はほとんど眠れなかった。


「デートプランはちゃんと立てたし、大丈夫。」


そうつぶやくと僕は待ち合わせ場所に向かった。


「蓮です。美香さんですか?」


事前に聞いていた服装を参考に、僕は緊張で声を震わせながら、声をかけた。


「違います。」


僕は恥ずかしさのあまり、硬直した。よく見たら事前の情報と少し異なっていた。緑のスカートを履いていると聞いていたのだが、緑のパンツを履いている女性に声を掛けてしまったのだ。


「あのー、蓮さんですか?」


その様子を見ていた女性が僕に声を掛けてきた。


「しょうです。」


恥ずかしさのあまり、僕は噛んでしまった。


「ごめんなさい。そうです。蓮です。緊張で間違ってしまったみたいです。それじゃあ行きましょうか」


恥ずかしさを誤魔化すために、そういってデートを始めた。


「お店開いてない…」


デートプランに組み込んでいたお店が営業していなかったのだ。正月だから営業していない可能性があると少し考えればわかるはずだが、初デートに浮かれていた僕はそこまで気が回らなかった。


「正月ですもんね。私がよくいく店はやってるみたいなので、そこに行きましょう。」


美香さんはそういうとお店に案内してくれた。


「今日はありがとうございました。楽しかったです。」


お互いにそう言って別れた後、僕は美香さんにメッセージで「ありがとう」と送ったが、返信は来ることはなかった。






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