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真 『 神々の黙示録 』  作者: 関口 信造
9/47

《 序章 》 〈 第六話 〉 光龍神出現す

修正完了! 2018、12、14 シンゾウ


《 キャラクター&キャスト 》


大 黒 天 (前回はピアノちゃん?でしょ)・・・ 西田 敏〇  

大天使長 ミカエル ・・・・・・・・・・・・・・ トム・クル―〇

     ( 推奨BGM )


  ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲

  ピアノ協奏曲 第五番 変ホ長調

  作品七十三 『 皇帝 』 第一楽章


   アレクシス・ワイセンベルク(ピアノ)

   カラヤン&ベルリン・フィル

https://www.youtube.com/watch?time_continue=2&v=kEBnwEt_yj0


=================================




 午前十時十分六秒ピッピッピッ、チ~ン、十秒ジャスト。

 皆さん、拍手~~っ。 パチパチパチパチ・・・・・



私の演出で神鏡の周りを囲むように四方に虹が現れたことにより、

人間達の期待は更に膨らんでいる模様です。


 世界中が見守る中、神鏡が次第に眩い光りに包まれて行きました。


その瞬間、優雅で淡い虹色の光の粒子を纏わせた光龍神が、

緩やかな流線型のお姿を人前に披露されたのです。


 神鏡という天の岩戸は、お出ましの瞬間に私が閉じました。

  

光龍神が御出現された瞬間、十和田湖に集結した人々から

大きな拍手と歓声が沸き起こりました。


 そこには泣き叫ぶ者、手を合わせる者、手を振る者、

 そして先程のアナウンサーも我を忘れて実況しています。


  勿論、綿入り桃色ジャージで ・・・


この綿とジャージの素材は特殊で、極薄で継 ぎ目が無く、

超軽量で汚れも付かず、ナイフどころか弾丸も弾き飛ばしてって、

これはつまりバリア加工なの、ムフッ ・・・ 

それで、夜は仄かに光って ・・・

あ~で こ~で  ・・・ ほほほ ・・・ えっ、欲しい? 

 

  無理無理 ・・・ あげないわよ ・・・


皆、神が出現した事をしっかり認識して、

喜んでいる様子で少し安堵致しました。


 ただ、見渡したところ種人として許されそうな人は、

 あまりいないようですね。


皆、魂の光が弱い上に醜く汚れています。

血 ( 血=霊 ) も肉細胞もどろどろで、

生きているのが不思議な位だわ。


 それに、半数以上の人間は自己中心的祈りだわね。


「自分と家族を救って下さい。」 だの、「幸せにして下さい。」

「家内安全・商売繁盛」 「彼氏や彼女が欲しい。」だの、

 えっ、「お金欲しい?」 などと ・・・


もっと、利他の為、人類の為、神への賛辞とか、

お詫びに感謝などが、あって然りだと思うんだけど、

やれやれだわね ・・・


 もっと汚れを取って心と魂を磨いて光らせないと、

 我々神に自分の存在を示せないわよ。


  自分の為、家族親戚の為は二の次。


 赤の他人と思い込んでいる70億の家族同志同胞の為、

 神の御為に奉仕する事が最優先ですわよ。


何の為に、過去の聖雄聖者に口すっぱく言わしめたことか!

ほんと溜息が出ますわ。


 そうそう、モーセの墓が何処にあるか御存知かしら?


石川県の羽昨郡押水町、宝達山のふもとにある三ッ子塚なのよ。

そこが、モーセ ( 583歳 )と妻の羅馬(ローマ)姫、

そして孫のタルヲスイホスチヒリウスのお墓なの。

御存知なかったかしら?


 竹内文書に示してありますから、御覧頂きたいものですわ。


歴史は時の権力者が、自分の都合で隠蔽捏造してしまうのよ。


 欲に目が眩むと、邪神の使徒となり、

 使いやすくなって操られるという図式。


それが通じたのは今までの話。

ただし、神の事情は人間に分からないように仕組んでいるわ。


影で正神の神が、徹底的に邪神の企てや不正を暴くよう人を使っているのよ。

個人から国家、世界規模、ありとあらゆる分野に至るまで ・・・


 邪神邪霊の包囲網は最終段階まで進んでいる。

 逃げ道など何処にも無い。  


 だから、もう我と慢心を捨て、小欲邪欲に走るのはよしましょう。

 わたくしからもお願い致しますわ。



   さてさて、光龍神は人々の喝采を受け、

   それに答えるように湖の周りを悠然と一周すると、

   わたくしの前で止まりました。


《 お久しゅう御座りまする、スミレお嬢様。

  わざわざのお出迎え恐悦至極!

   しかも、周辺のハラヒキヨメに加え、穢れ無き純白の雪と、

    美しき虹の演出を御用意下さるとは、          

     わたくし感服仕りました! 》


《 礼には及びません。シヴァの叔父様、

  本当にお久しぶりですこと。御健勝で何よりですわ。》


   そう、わたくしが答えると、

   悠に三百メートルはある光龍神の光の粒子が次第に小さく集まり、

   人型に形造られてきました。


    あれれれれっ、どこかで見たような?


   そうそう、赤い頭巾に大きな布袋を背負って、

   腰には打ち出の小槌が ・・・ まあ大黒天様だわ。


   なあ~~んて可愛らしくて素敵なのかしらん。


    当然、人間にはこのお姿は見えません。


《 おっそろしくもわざとらしい御紹介。あいも変らず愉快なお方だ。

 適いませんわい! だあっはっはっはっはっ~~ 》


《 だってね、叔父様にお会いすること、

 本当に楽しみにしておりましたのよ。もうもうもう ・・・》


   わたくしは思わずシヴァの叔父様の右手を両手で掴んで、

   軽く左右にぶ~るんぶるん振りましたら、


《 だはあ~~っ、あぐっ、あへっ、おえっ、え ・・・ ぐっ ・・・》


   って、あれれれれっ、叔父様ったら大変。

   気絶した上に、鼻血が ・・・


《 叔父様っ、しっかり、気を失っている場合じゃないでしょ。

   ねえねえねえねえ、ねえったらねぇ・・・》


《 ・・・ う ・・・ おあ ・ 脳みそが、ん?

 わ、わしとしたことが。  いやあ~~~大変失礼を致しました。

 しかし、こんな目に遭うのも久しぶりですなあ、だははは。》


《 ごめんなさい、ついわたくしったら興奮してしまって・・・》


《 何々、お気に召さるな。これも又一興というもので御座りまする。》


《 おほほほほ~、え~、ところで大黒の叔父様っ。

 お出ましなさる時に、あの男を見掛けませんでしたかしら。》


《 え~、あの男とおっしゃいますと、これの事で御座りますかな?》


  そうおっしゃると、叔父様は楽しそうに鼻歌を歌いながら、

  担いでいた大きな布袋を私の前に降ろされ、

  袋の中に右手を入れてまさぐられました。


  それで何物かを掴むと、ゆっくり手を袋の中から出されました。


   あらまあ、開けてビックリ玉手袋!


  なんと、叔父様の掌にチョコンと乗っているのは、

  かわいい因幡の白うさぎでしたとさ、めでたしめでたし ・・・



  「 あのぉ、これはいったいどういうことで?

   はあ~、お腹すいた。わたくし、ずっと袋の・・・?」 


      ほげっ、無視なの!

 


《 まだ、これだけでは御座いませんぞ。》


  そう叔父様はおっしゃると白うさぎを左肩に乗せて、

  又袋から何やら取り出されました。


《 んまあ~、かわいい鮫ちゃんだわ。

  それに小さな白い翼まで付いてる。

   あらあら、羽をパタパタ飛ぶんだぁ。素敵だわ!

    ねえねえ、どういう事なのかお聞きしたいですわ。》


《 その辺につきましては、この者から御挨拶を兼ねて

  御説明が御座いますので、どうかお聞き下さりませ。


   あ~そうそう、その姿ではいかんなあ。戻ってよろしいぞ。

   スミレ御嬢様を喜ばせたくて、

    因幡の白うさぎと鮫を掛けましてなぁ。すまんすまん。》


   すると、小さな手乗り鮫が、一瞬でイケメン天使に戻りました。


《 お初にお目にかかります。御尊顔を拝し恐悦至極に存じまする。

 わたくしは大天使長ミカエルと申します。


   この度は、主神様からの大愛なるお取り計らいにより、

   大黒天様の側近として「神の光輪」に入り、

    補佐するお役目を賜りましたこと、無上の喜びに存じます。


     この全身全霊を以ってお役目を遂行してまいりますので

      宜しく御願い申し上げ奉りまする。》


《 うむ。大役を与えられたものであるな。見事み役を果たしてみよ。

  さすれば神格を上げることも可能であろう。

   どうですかな、大黒天殿。》


《 勿論で御座いまする。

  この天意転換の時に大功績をお立てしたいと願う

  神々の中での大抜擢で御座いますから、

   しかるべき褒美は与えられて当然のこと。


    その折には、私が主神様に

     御推挙申し上げる所存に御座いまする。


    な~に、この者なら必ずや御期待に応えるでありましょう。

    そうであろう。ミカエルよ。》


《 ははあ、必ずや断固遂行致しまする。》


《 あっぱれな心掛けである。

  大黒天殿もいい家臣をお持ちでいらっしゃいますね。

   ただ、あやつらは観念してはいるでしょうが、

    最後まで抵抗するつもりです。油断はなりません。


     どうか出来る限りお父様の哀れな、

     哀れな子共達を救って下さい。

     私は余りお手伝いは出来ません。


   お願いです。大黒天殿、ミカエル。》


《 おおお、なんという慈愛に満ちたお言葉。

  この大黒天、肝に、肝に銘じてぇ~、おおい、おうう ・・・》


《 ・・・うう、あっあぐっ、わたくしも必ずやぁ~ ・・・ うぐっ ・・・》


《 ありがとう ・・・ うう ・・ ありがとう ・・》


  皆、手を取り合い涙を分ち合い、

  お互いの意思を確かめ合ったのじゃ。


  さて、我らの想い願いと天意が、どれ程人間達に通じるものか ・・・?

 

   「 うう、えぐっ、おぐっ ・・・ヒック ・・」


《 おい腎臓殿、汝の気持ちは良く分かった。礼を言うぞ。

  それより、レポーターとナレーターの役は降りるぞよ。

   ちょっとは楽しませてもらった。後は任せる。

     しっかり役目を果たせよ。》 


   じ、腎臓殿? ジンゾウって、あたしは信造なにょにぃ ・・・


「 ははあ~、恐縮に存知まする。無理な申し出を御受け下さり、

  真にありがとうございました。後の事はお任せ下さりませ。

   この信造、必ずや断固遂行致しまする。」


《 うむ、良く申した。次は神議りじゃ。これは見物じゃぞよ。

 心して係ることじゃ。良いな。かわいいのう、しかし。》


  スミレ様は大黒天様の右肩から私を、

  左手で首根っこを摘まんで右手にお乗せ下さり、

  なでなでして頂きました。


    私、結構小さいようです。でも気持ちいい~。


 「 あ、はあ、神議りですか?

  と、とにかく命の限りに実況申し上げます。」


   うさぎ化した私の耳をプルプル揺らしたり、

   背中を撫でながらスミレ様はこうおっしゃいました。


《 ところで大黒天殿、天上界の神々が今か今かとお待ちですから、

  急いだ方が宜しいですぞ。

   何しろ、神無月の十月から丸二ヶ月間、

    激論を交わしております故、治めるのに一苦労ですぞ。》 


《 おお、そうでございますな。な~に御心配には及びませんぞ。

  お任せ下され。おお、そうじゃ。

   ミカエルよ、例の物を持って来てはくれんかの。》


《 はは、こちらでございますね。》


《 おうおう、これこれ、久しぶりじゃのう。》


   とおっしゃると、大国様はミカエル様から受け取った

   襷を口に咥え、一気に八の字を描いて襷掛けなされました。


《 いやいや、お見事。その太襷は大黒殿が、

  ここ一番という時にお掛けに成られる物とお聞きしておりますが、

   良くお似合いですぞ。気合十分というところで御座いますな。

   御武運をお祈りしておりますぞ。》


《 ははあ、有り難き幸せに存知まする。

  明日からの三日間、我ら正神と我が子らの一体となった姿を、

   存分に御披露仕りますぞ。おい信造お前は戻りなさい。

    では、これにて御免。皆のもの行くぞ!》


      《 おおう。》


         「 おー。」 



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