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真 『 神々の黙示録 』  作者: 関口 信造
39/47

《 最終章 》 〈 第五話 〉 騎士と武士 (後編)

       修正完了! 2018、12、23 シンゾウ



     遂に始まった正邪の最終決戦!

    その決戦も三日目に突入致しました。


  今まで月面特設リングにおいて、アンドラスタ司令長官と拳三は、

 百本の剣の死闘を繰り広げていました。


拳三と相対する中で、悪魔の騎士は神の愛に大きく心が揺さぶられ、

何と改心してしまいます。


 改心したアンドラスタは、徹底的に拳三を鍛え上げ名刀とすることで、

  神へのお詫びの証としたい思いなのです。


   そして今、百本目になろうとしていましたが、

    ここで拳三から提案がありました。


    それは、父、剣三郎直伝の 「活人剣の構え」

    なるものを披露したいというものでした。


  その構えとは如何に ・・・


挿絵(By みてみん)


月の裏側 不気味ですね!

挿絵(By みてみん)




            ( 推奨 BGM ) 


         ヨハネス ・ ブラームス作曲 

         交響曲 第2番 ニ長調 作品73

         カラヤン & ベルリン・フィル

https://www.youtube.com/watch?time_continue=78&v=IFiTzQ1DvQw

===================================   




( いいだろう。

 まあ、その 「活人剣の構え」 から君の父の想いを感じ取り、

 この胸に刻み付けよう。さあ、見せてくれ給え。)



    そう言いながらも、理解出来ない顔だ。



( あ、有り難き幸せに存知ます。


 では参りますが、私は先生を倒す気は御座いません。

 ただ、先生は普通に構えて頂ければ結構です。)



    拳三はうれしそうな顔から、直ぐに穏やかな顔になった。



( それは構わんが、わざわざ言う事か?)



  彼は言われた通り通常の構えで相対した。


   拳三が、ニ コ ッ と笑った。


    ただ静かだ ・・・

    殺気は無い ・・・   なんで???

    気合も無い ・・・


   拳三は右手を、えっ? 妙だ ・・・

  刀の刃先を上にしてゆっくり抜いた。


アンドラスタも驚いている。


それで、抜いた刀の柄を左手で軽く添え、そのまま中段に構えた。


 つまり上向きの刃先を相手は見下ろす訳です。

 見るだけなら怖いですが、峰打ちの構えでしょうか?


  あ、まだあるようです。


 次に、その刀を持った腕を前方に軽く伸ばし、

切っ先をアンドラスタのへその辺りに向け、

そのまま腰を落としつつ、

 右足を後方に大股で一歩ほど伸ばしました。


  体重は、ほとんど左足に掛かっていますが ・・・


   へっ? 何のポーズ??


  あまりに奇妙な前傾姿勢の構えです。


これでは、如何なる攻撃を仕掛けることも不可能です。

しかも刃先の向きは上下逆。


  あなた、どう思います?


  漫画 「 るろうに剣心 」 の逆刃刀とは訳が違います。


    この構え、やってみて下さい。


  腕を伸ばしていると攻撃の動作に移る時、

  腕を引いて力を溜めてからでないと、

  突くなり斬るなりが出来ません。


そりゃ勿論、腕を引いてから攻撃すればいいのですが、

その僅かな時間に、相手の攻撃は当たってしまいます。

   

 ましてやフェンシングの剣士が相手なのですから ・・・


つまり、この構えは攻撃を放棄しているとしか思えません。

致命傷を与える等とても?


 あ、いや、拳三君は相手を倒す気はないと言っていました。


すると、相手に刃先を見せ付け怯ませておいて、

隙を見て腕か足にちょっと突きを放つ。でしょうか?


 それで、


「 今日はこの辺で勘弁しておこう。もちっと腕を磨かねばならんぞ。」


 とか言って、めでたしめでたし ・・・ という結末?

 

  実に平和的解決法であります。

  しかし、真の目的は何でしょう?


    ただアンドラスタは、

    この構えの意味を掴もうとしていますが怪訝な表情は変らない。



( いや、確かに攻撃はしづらい。

 ただ、僕が攻撃を仕掛ければ君の腕は落ちるぞ。)



( はい、おっしゃる通りです。

  先生が相手の場合には通用しません。


   ですが、レベルをグッと落とせば話は別です。


   失礼ですが、

  人間並みのスピードで攻撃を仕掛けて頂けますでしょうか。)



( それは構わんがねえ ・・・?) 私も ・・・? です。



  彼の言う通り、アンドラスタは攻撃に転じる為、

  一瞬右腕を上げた。


 その刹那、拳三の剣の切っ先が、

その右腕に向かって少々間合いを詰めた。

     

するとアンドラスタは攻撃を止めた。

出端を挫かれたからだ。


 そのまま少しでも前に体重移動していれば、

  彼の腕は拳三の上向きの刃先に触れて傷を付けられてしまう。


    拳三がニヤッと笑った。



( おいおい、これでは人間の一流剣士でも、そう攻撃は出来んぞ。


  では左右に回り込もうとしたら、

   君は左足を軸に回転して対応するのだろう。どうかな?)



( 仰せの通りで御座います。


  私は単に相手の腕、

   又は踏み込んで来る足の動きに刃先を合わせるのみで、

    こちらから仕掛ける事はしません。


    それに、間合いに入られ危ないと思ったら、

    剣を引きつつ後方に下がります。


  それだと、

 相手の剣に私の小手や腕を狙われても容易にかわせます。)



    拳三は実際に動いて示した。



( 理屈は分かった。

  防御面に特化した構えということになるが、

   あ~~相手を倒す気が無いとか始めに言って、

 

    「 戦わずして相手から戦意を奪う 」 構えか?


   自分も戦意無し、

  相手からも戦意を奪い、戦う意味無し ・・・ 何だと?


 では実力が上の相手等に対抗する為の構えということか?

  それに 「 無益な殺生すべからず 」 かな? 


   それじゃあ、まるで坊主ではないか?

    はっ、坊主武士だ! 君の父は正気かね?) あ~なるほど。



( は、はい、そういった意味も含まれます。


    父曰く、


 「 命のやり取りなどつまらない。 

  勝敗を気にするより仲良く剣技を磨こう。」


              だそうで御座います。) 



      こりゃいい!!!



( 何だと? それが現代武士の心得か?

  つまらんつまらんというよりはっ、

   おかしくて、ははは、はぁ~はっはっは ・・・

    おい ・・・ わ、笑わせるなよ。)



    彼は腹を抱えている。



( 先生。正直私も以前は理解出来ませんでしたが、

  今やっと理解出来ました。) 何だ?



( 今頃かね。親不孝者だな、全く ・・・ 

  お、御蔭でプッ、力が入らんぞ。)



( せ、先生。)  ニコニコ 楽しそうだ。


( ん? ぷ っく く、何だ。)  苦しそうだ。


( 先生は完全に戦意喪失なされました。

  こ、これって一本取った事になりませんでしょうか? 

   ぷぷっ ・・・ )  戯けだ。



( な、何だとお~~!!

  ん~それはある意味一本取られた感はあるが ・・・


  もしや、この僕から剣聖の称号が欲しいのか?

 全く現代武士はなっとらんなぁ。


  分かった、しょうがない。

  約束だから剣聖の称号を授けよう。


 ただし君の父、剣三郎にだ。当然だろう。

 

  悔しかったら、父上君に認められるまで精進することだな。)



    父は偉大なり!



( ええ~~ッ、それはないですよ! 

  そこを何とかならないでしょうか?)



( ならんなぁ。騎士に二言は無い!


  それにタイムリミットだ。

   総帥がお呼びなのだよ。もう行かねばならない。


    楽しい一時だったよ拳三。


   最期に君を弟子と認めよう。

  君には僕の全ての奥儀を見せたといっても過言ではないからね。)



( あ、ありがとうございます。 師匠ぉ、うう ・・・ )



( 泣くな。 我々には、まだ別の戦いが待っている。

  僕は総帥と共に、地球で最期の戦いに挑まねばならない。

  相手は正神軍。つまり君も含まれるのだ。


  ただし、君が自力で地球に戻れたらの話だ。


 それに君の体の大きさは、まだ適性ではないだろう。

これからは一人。

だが、寂しさなど今の君なら微塵も無い筈。


良いか、光の粒子の左回転を意識し中心を貫くのだ。

さすれば一瞬で地球だが、甘くは無いぞ。

 まずは飛ぶスピードを上げることだ。


  大黒天様は時間に厳しいお方だから遅刻などしたら、

   メンバーから外されかねないだろう。)



( 師匠、お約束致します。

 必ず時間内に地球の神の光輪へ戻り、邪神軍を向かえ打ちます。

 ただ、師匠は邪神軍を抜けては頂けないのでしょうか?)



( おい、戯言を言うな! 

  いいかぁ、僕が生きる目的は既に切り替わっている。


  この瞬間に於いて、主神の為に成すべき事。

 それは、堕天した天使の無様に断罪される姿を、

  神の子人の魂に刻み付ける事だ。


  邪道魔道に堕ちた者の末路、

 それがどんなに醜く愚かなものかをなぁ!


 その神の演出は、

  世にも恐ろしい姿でこの物質界に顕現されるであろう。


  この僕でも血が凍る程の恐怖を感じる。

 だが、もう逃げられない。

  僕は魂で全てを受け止め永遠に懺悔するのみ!


 君もその姿を見届けるのだ。 急げよ、拳三!! )



    そう言うと、

    アンドラスタの姿は名残惜しそうに静かに消えて行った。



 ( 師匠ぉ~、ありがとうございました。 

   時間内に必ず地球へ帰還します ・・・


   え、あれっ、お、おあっ ・・・ 

  じゅ、重力が戻った。軽いなぁ。それと誰もいない ・・・ 

 何時の間に消えたんだろう。 一人かぁ ・・・ )



   そうなんです。

   アンドラスタが去る前に、三機の邪龍は地球に戻ったのです。


   それで、電磁シールドも悪魔の蜘蛛の巣も、

   地球へ転送されたようです。



       一人残った拳三 ・・・


    月から地球までの距離、三十八万四千四百キロメートル。


 光 = 電磁波 ( 秒速三十万キロ ) のスピードで換算すれば、

一秒余りで到着ですが ・・・

 瞬間移動の技は容易に身に付かないようです。




===================================  

             ( 推奨 BGM ) 


       ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン 作曲

    ピアノソナタ 14番 嬰ハ短調  作品27ー2 「月光」 

         マウリツィオ・ポリーニ( ピアノ )  

https://www.youtube.com/watch?time_continue=3&v=oj75TeQmSHA

===================================  




  光 ・・・ この全宇宙全次元は神の光と愛の充満界。



      故に物質界も然り。



  つまり瞬間移動、テレポートとは、

 己の全身全霊が光その物だと認識出来た時に、

初めて可能になる技ではないだろうか?


その他の霊力にしても、

根幹にその自覚が無いと発揮出来にくいと思います。


全てが光。一点も光の一粒子。

全次元はその光の充満界。


 故に汚れた醜く重い魂、汚れた心と体のままでは、

  神の子の力、霊力が復活しないのであります。


   更に人の体は、

   本人の意識無くして太陽やその他の光が当たっているから、  

  その反射に因り、他人から自分の体が認識されるのです。


 そこには色霊のみ働きがあるのです。


加えて、自らの魂を光らせ真の光の放射体となる。

これが最も人を光らせ、

 他人にも神にも讃えられる要素になるのです。 

  

  月やその他の星にしても、

  太陽(恒星)の光を浴びないと地球からは見えません。

 それと同じことです。


加えて己の体、

特に顔や背中という部分は鏡を使わないと見られません。

とは言え、反射した姿ですので逆向きです。


 きっと神様は、「人の本体は違う次元に有るのだ。」 と、

  おっしゃりたいのではないでしょうか?


  そう考えると面白いでしょう。


 人の魂も体内も、自分では見る事は出来ません。

自分の心でさえ良く分かっていない者多しで御座います。


逆に他人の方が良く理解している場合があります。


 したがって人というものは、

  利他の為、神の為に存在している証拠とも言えるものであります。

   是非、意識されて下さい。


  更に、魂が強く光らないと、

 神様から救いの手を差し伸べられることはありません。

地獄の人間界は、既に真っ暗な泥沼の中にあります。


そこで魂が輝いていなければ、

 救いたいと思われた神様でも見つけることはできません。


  逆に言えば、泥沼の中にいるのに脱出しようと努力しない人間は、

  もう救わないということです。


 だからこそ、心と魂の浄化の行が最も大事な要素になるのです。


   私の座右の銘は 


    「 汚れが取れずば磨けまい! 磨けずば輝けまい!」


      であります。


    それは、心と魂の浄化を意識してのことなのです。


  人の魂といえる主要な八つのチャクラは、

 頭頂部から背骨沿いに点在しています。


そのチャクラが光輝くと、光の柱、或いは 火柱 となり、

我の神性なる魂は此処にありと、神々に示すことができるのです。


 そうは思いませんか?

  私はそう思います!!!



        神を表す単位は、「 柱 」 です。


       宇宙根源の 「生命の樹」 = 「創造主」 

      から分けられた魂が幾多の神々でありますから、

      「柱」 と称される訳が理解出来るでしょう!


       「木」の「主」と書いて、「柱」ですね。


    みなさん、心と魂の汚れを取り、磨いて光輝かせましょう!


      そして自分の中心軸を光の柱とするのです!!


    ここで、何度もお伝えしている情報を再度記載致します。



         《 アセンションの3ヶ条 》


   1、心と魂の浄化が、100%中81%まで到達している。

   2、DNA12条が完全解除している。

   3、光のネットワークに繋がり、地球意識に到達している。




さてさて、拳三君が飛ぶにしてもどれ程のスピードが出るのか?


 先程からの戦いで見る限り、

  戦闘機の機動力よりはあるように見えました。


   現在時刻、何と日本時間、午後六時を回っています。


  つまり、剣の神前試合百本に要した時間は凡そ五時間です。

 拳三は百回死んだようなものです。


そして、実際は一本どころか傷一つも付けられず、

 剣聖の称号はおあずけ ・・・


  大黒天様とのお約束の制限時間は、午前八時から午後十一時。



    残り五時間弱。



( ああ、とにかく行こう。

  瞬間移動のイメージはまだ掴めないから飛ぶしかない。


   地球は見えるんだけど、後五時間しか無いぞ。

   もう行こう ・・・ では、月の女神様、行って参ります。

   あちこち散らかして申し訳ございませんでした。


  よ~し待ってろ地球 ・・・ ? 

 ああ、あれは何だ?)



    あれって、あれは ・・・ ななな? 

    スゴスゴすご~~~!!!


                    

《 あたたたた、あのお方は 月讀命(つくよみのみこと)様 と 素戔嗚尊(すさのおのみこと)様 ではないかぁ!

    あわわわ、何という神気じゃあ!!

     太陽のオーラを纏ったかの如き御姿!


      おい、うさぞう、控えよ控えよ頭が高いぞ! 》


      チュチュチュチュ ちゅうううう ~~~~~!


     「 ははは、はい~~~~っ! 」 



《 はっはっはっは、わしらは女神ではないぞ!

  残念じゃったな!


  わしは月の守護神、素戔嗚尊である!

 こちらは兄上の月讀命殿じゃ!》 



《 ほほほ、紹介ありがとう。

  拳三よ、なかなか見応えのある試合であったぞ。

   大義であったな。褒めて遣わすぞよ。ほほほほ。》 



( あああ、何と偉大な神様にお会いできるとは光栄至極に存じます。)  



《 まあまあ、そう畏まらんでもよいぞ。


  しかし、隕石でも落ちたかのような散らかりようじゃな。

  その衝撃は、月の内部世界まで響いておったわい。

 よくぞ悪魔共の攻撃に耐えたものだ。見事であったぞ!》 



    素戔嗚尊様が仰せです。



( はは、有り難き幸せに存じます。)



《 拳三よ、我等と同様に汝を見守っていた同志達がおりますから、

  引き合わせて差し上げましょう。


   さあ、月の住人を代表とする神々よ。

    そして宇宙連合の皆よ姿を見せなさい!》



     すすっす、すると、

    あああ、満天の星々が一斉に動き出しました!

   それらの動く星は、なんと宇宙船だったのです。


  なんという壮大な光景でしょう!


   そして輝くオーラを纏った神々が、拳三の頭上にお出ましです。



《 拳三よ、汝は一人ではありませんね!


  それに月以外の全宇宙の恒星、惑星の同志達も祈っているのです。

  そのことを決して忘れてはいけませんよ。


 では、我々が暫くこの場で見送ります。


そして、私と素戔嗚尊は地球で待っていますよ。

何しろ我等二人は、地球の守護神、「丑寅の金神」 なのですからね。


つまりは月と地球の守護を兼務しているということです。


 ただし、地球に於いては、

  国之常立神(くにのとこたちのかみ)様の補佐的役割 を仰せつかっています。

  三位一体の神が守護することで、「丑寅の金神」 と呼ばれるのです。


 もう地球の表層上は汚染と破壊が限界域まで達しています。

我等、「丑寅の金神」 は、

地球表層上全体を大浄化する苦渋の決断をしました。

その地球の大浄化を最期まで見届けるのです!


 さあ、全身全霊をもって地球の魂、

 「丑寅の金神」 を意識しながら飛ぶのです!! 》


 

《 拳三! わしも地球で待っているぞ!! 

  さあ、ゆけ~~い! 


   己の神性に自信と誇りを持って、

   燃える魂を爆発させて飛ぶのだ!! 


  それに振り向く必要はないぞ。

 何しろ時間が無いでな! はっはっは ・・・》



( ははあ、有り難きお言葉を肝に銘じ、

  全力で地球に向かいます!!)


 

  そう言うと、拳三は地に額づいた後、

   ゆっくり立ち上がり、飛び立ちました。


    彼の魂には燃え上がる闘志が漲っています。

     思いがけない神々と宇宙連合の皆様の激励は、

     よほど彼の魂に響いたようです。


    それからは振り向くことなく蒼く輝く地球を目指したのです。



ところで、残り五時間でどれ程の平均時速が必要か、計算してみて下さい。

 月から地球までの距離、三十八万四千四百キロメートル。 


  簡単でしょ。


最低、平均時速、約八千キロは出さないと余裕で到着出来ません。


 ただし、地球に到着前にすることがあります。

  それは減速です。

   ブレーキを掛けなければ地球に衝突となります ・・・


    とはいえ、

   そんな計算をするコンピュータは持ち合わせていないでしょうから、

  勘ピュータを使う他ございません。

 

あ~~こりゃ厄介だ!!!


 大気圏突入時の摩擦熱は、何等問題無しですから、

  後は速度を上げることと、

   もう一つ ・・・ 体の大きさを適性にする事です。


   さて、我等も後を着いていますが何でしょう、速いのか遅いのか?

  周りの景色が変らないので、実感が湧きません。


    拳三もピンときていません。



《 では、現在の速度を教えて進ぜよう。

  時速二千飛んで二十キロじゃ。

   音速の二倍すら出ていないとは話にならんわい! 》


   チュチュウ。



  その時、上から巨大な白い物体が迫って来ています ・・・ 

 邪龍じゃない何か?


いや、邪気を少し感じるが ・・・ 

ただ、あれは恐らく彗星だ。長い尾を引いている。


直径数キロはあるでしょう。

彗星は一瞬で通り過ぎました。

  

 拳三はそのガス状の尾を避けようとしましたが、

  避け切れませんでした。


   ガス状の塵を被ってしまったのですが、

    何か顔に纏わり付いているようです。


    粘り付く何か分かりませんが、特別支障は無いようです ・・・

   彼は、また飛び始めました。



《 いや、支障はあるぞ。これを見よ。》 チチ~



   叡智晶で先程の彗星を拡大して見ていますが ・・・



「 こ、これは何でしょう? 奇妙な形ですね。」



《 いいか、これはシアニードの邪龍が

  縮こまって彗星に化けていたのじゃ。


   あの塵の成分は恐らく蜘蛛の糸だ。

    何か仕掛けがあるに違いない。

     これは気を付けて見ておらねばならんな。》 


     チュウ~!



「 はは、気を付けます。」



   何と、ただ塵を着ける為だけにわざわざ彗星に化けるとは、

    当然この先に待ち受けるものは地獄でしょう。



《 しかしなぁ、マーフィーの様子も気になる。

  もう地球で待つことにしよう。では、ゆくぞ。》


   チチッ!


   「 ははっ!」


    《 戯け、ふざけるな!》 タワケ。


     「 いやその、偶然でして・・・」 あは~~ 






 さて、月の住人達から見送られ、

意気揚々と地球を目指して飛びった拳三ですが、

幾多の試練が待ち受けています。


 果たして、無事に地球に到達できるのでしょうか?


  皆さんも祈ってくださいね!


挿絵(By みてみん)

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