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~覚醒~

~前話あらすじ~

ユズの右腕の裂傷を応急処置を施しただけのハズが、瞬間的に完治していた。

やはりミカンは癒術師の素質が・・・?

 「私って・・・魔法、使えちゃうんですか!?」


 「知らねーよ!治ってるもんは治ってんだろ。見ろ!引っ掻き傷は塞がってるし、痛みも全くねーよ。」


 「うーん、初歩的な応急処置をしただけどなぁ。」


 「まぁ、とにかくよ。その・・・なんだ、あんがとな。」そっぽを向きながら照れくさそうにして礼を言う。なんでも、年頃の女子がこの辺りには住んでおらずユズは女子と話すのに慣れていないのだった。


 「お、おい!ハラ減らねぇか?……メシ食ってけよ。」


 「えーっと・・・」(うわぁぁぁぁ!何この胸キュン展開!かわいい!!もしかしてユズあなた、かわいいなのね!?落ち着いて私ぃぃぃぃ!素数よ素数!23.29.31.33.35…って35は違うかーっ!たはーっ!)


 「ダメか?」上目遣いでのぞき込むユズ。


 「是非お願いします!やったよお母さん!私にも遂にモテ期到来だね!?看護学校じゃ勉強に明け暮れて色恋沙汰なんて噂にもならなかった私にも!」(えっと、じゃあお言葉に甘えて・・・)


 「ア゛ッ・・・」


 ゴツンッ!とユズの頭と部屋中に衝撃が行き渡る。


 「おはようユズ~。突然倒れちゃったみたいだけど・・・大丈夫?(にっこり)」


 「あ、あぁ・・・はは・・・」目の奥の光が消えたユズが苦々しく笑って答える。


 「それじゃあ買い出しに行こうか。今日は新鮮な魚市場が開かれてるハズなんだ。着いてきてくれるかな。なぜか頭がガンガン痛むんだ・・・」


 「えぇ、もちろん行くわ。どんなお魚がいるのか楽しみなのよ!」


 そうしてミカンとユズは他愛もない話をしながらユズの家からすぐそこの市場へ向かうのであった。


 が、


 バタッ・・・


 「えっ。ねぇちょっとユズー。早く立ち上がりなさいよ。もうそれあんまり面白くないよー!ユズってばー!」


 「ねぇ、ユズ?ユズ!!」

 明らかにユズの顔色がおかしい。頭を抱え、嘔吐している。意識も朦朧としているようだった。


(意識の低下、それと・・・嘔吐。頭・・・。)


 「急性硬膜下血腫(きゅうせいこうまくかけっしゅ)だ・・・。」


 「私がさっき手元にあった鈍器のようなもので強く殴ったから・・・。こんな環境じゃ開頭手術なんて出来ないし・・・そもそも私は医者でも治癒魔法使いでもない。助けられない・・・」ミカンの目から涙がボロボロ零れ落ちた。自責の念でおかしくなってしまいそうだった。


 「ミカ・・・ン・・・。泣くな・・・。お前は・・・笑った顔が・・・かわいいんだ。」


 「うぅ…グスン。だって私のせいで!私のせいでユズが死んじゃう!」


 「うるさい・・・女だ・・・。いいからわら……」ガクンとユズの力が抜けた。


 「嫌だ死んじゃやだ!誰も死なせたくないから、今まで一生懸命勉強してきたのに!」


 「・・・ほら・・・ユズ・・・えがおだよ?かわいいって言ってみなさいよ。」にへらと涙と鼻水でぐちゃぐちゃな笑顔を作ってみせる。


 「・・・」


 「・・・」


 「・・・うぅ。・・・生き・・・てる?」ユズは血色のいい顔をもたげた。


 「生きてる・・・!生きてるよ・・・!ユズ!・・・でもなんで突然完治したのか、さっぱりわからない。一時的に良くなることはあっても完治なんて有り得ないよ!たんこぶだって無くなってるし・・・。」


 「俺。わかった気がするよ。ミカンの力のこと。」


 「・・・・・・愛ね。」


 「ハハッ」笑いを抑えれないユズがニヤニヤしてこっちを見ている。


 「じゃあ、そういうことにしておこう。」

Thank you for reading!!!

終わりじゃないです(笑)

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