11話 キャッチ&リリース
「国家総動員体制に移行した」
王国の現状を要約すれば、その一言に尽きる。
より正確には、停戦も終戦もしていなかったが自然休戦となっていた状態が終わりを告げ、439年振りとなる戦時体制が復活した。
これまで王国は、国家予算を軍事費よりも国力増強に振り向けてきた。
1個艦隊2000隻の建造費は、約500兆ロデ。50年間の維持費や改修費、人件費などを合せれば、3倍の1500兆になる。
年間費用は50で割れるものの、艦隊数は25個存在するため、全艦隊の年間予算は750兆となる。
但し、王国の総人口は400億人。
かつて『銀河の王子様』を製作した日本の1億人に換算すれば、国家予算100兆に占める艦隊予算は年間1兆8750億程だ。
軍事費は、要塞や基地の建造維持費、艦隊以外に配属される人員の人件費、兵器や装備の開発費などもあり、国防予算で年間4兆となるが、それらを合わせても日本の防衛予算5兆より少ない。
王国では生産体制の効率化が図られ、アンドロイドなどの人数外労働力も高く、歳入を超える歳出や国債発行も行わないため、軍事費が国庫を圧迫しているとは言い難い状況だった。
国家財政に充分な余裕のある王国は、大規模な戦力拡大を決定した。
まずは正規艦隊を25個艦隊5万隻から、短期的に35個艦隊7万隻へと増強、中期的には50個艦隊10万隻まで倍増させる方針を打ち出した。
全長600m級以上の軍用艦を動かせる士爵階級の総人口は200万人であり、国家総動員体制に移行すれば軍艦10万隻は実現可能となる。
最初に増強される10個艦隊は、艦艇2万隻、乗員500万人。
艦艇数を揃えるため、地方の分艦隊や小艦隊が引き抜かれ、空いた穴には老朽艦や改造艦が詰め込まれた。また不足する乗組員には、後方勤務の艦長級魔力者、退役して民間に下った予備役、民間から徴用した人員が補充された。
艦隊増強と並行して、110光年離れた場所の人類連合軍前線基地となっているロキ星系の遠征艦隊を撃破すべく、攻撃艦隊も編成する。
ハルトが知る銀河の王子様の本編では、初戦は侵攻してきた連合軍からの星系防衛戦だった。それがハルトの行動で、王国側からの先制攻撃に変わったらしかった。
貴族1500家からも、爵位に見合う高魔力者の第一陣が派遣された。
第一陣には、子供に家督を継がせた高齢の貴族や、独立前の次男以下など、当主は残す形での派遣が行われている。これは戦争が長期化することを見越して、継続的に人員を送り出せるようにするためだ。
これまでの貴族家は、後継者以下は早めに独立させてお家騒動を避けてきた。
それが今は逆転現象が起こっており、財産の一部相続を認めてでも家に残し、家を出た者も復帰させていこうとする流れが起こっている。
また上級貴族家は、王国から示された負担割合に基づく資金、物資、艦船などを提供した。領地と非課税特権は、この日を見越して各貴族に与えられていたものだ。彼らは今後も特権が維持されるために、率先して財貨を差し出した。
戦時徴用と貴族達の協力によって、王国軍は急速に戦力を高めている。
そして王国軍が掻き集める物資の中には、精霊結晶も含まれていた。
精霊結晶は戦争再開前から注目の的だったが、士官候補生のハルトが敵艦4隻を撃破し、10倍の敵に追われながら逃げ切った事で、軍の必需品となったのだ。
「いきなり軍が来てね。速やかに100万個を納品せよとのお達しだったよ」
ハルトと久しぶりに再会したカーマン博士は、再会と同時に肩を竦めて見せた。
半年前は売りたくても売れなかった精霊結晶が、今や新たな戦略物資である。
王国軍の35個艦隊は、軍艦7万隻。戦闘艇と空間制圧機は35万艇に及ぶ。副艦長や航行士官、予備人員への精霊結晶も併せれば、100万個必要だろう。
凄まじい数だが、生産に関しては問題無い。博士はお菓子工場でお菓子を製造するが如く、精霊結晶を量産できるのだ。それにカルネウス侯爵家の示談金を元手に、生産ラインも大幅に強化されている。ハルトの不安材料は、お金に関してだった。
「それで代金は、きちんと支払って貰えましたか」
ハルトもカーマンも上級貴族では無いため、財産を無償提供する義務は無い。
接収されれば応じざるを得ないが、補償制度は作られている。
「納品した翌日に入金されたよ。君の婚約者の実家が間に入ってくれたからね」
「それは良かったです。でも婿入りは無理なので、カルネウス侯爵家の令嬢と結婚はしませんよ。僕も子爵家の当主になりましたし、元々遺伝子提供者の約束です」
「おやまあ、それは勿体ない話だ」
あまり惜しく無さそうな口調で、カーマン博士は了解の意を示す。
「大口からの依頼が多くて、4億人分は売れているよ。おかげで会社の運用資金が結構貯まったけど、どうしたものかねぇ」
「半年で4億人なら、現在の生産体制でも50年後には王国民400億に行き渡りますね」
400億人に売れれば、売上金は4000兆ロデ以上。そこから税金や諸経費などを差し引いても、純利益は2000兆ロデ以上。
全王国民に行き渡った後も、新たに産まれた子供に売り続けられるので、会社は永遠に販売益を得られる。毎年4億人に売れば、40兆ロデだ。
博士と折半しても、ハルトの収入は一時的に1000兆ロデ、その後は毎年20兆ロデとなる。金額が大きすぎてハルトには実感が湧かなかったが、打ち出の小槌である株式を市場に上場しない事だけは、堅く心に誓った。
「収入があるなら、会社の体制強化が急務だと思います。法務部門、事務部門、警備部門、それと博士個人の警護部隊創設」
「護衛はS級精霊が居るから大丈夫だよ」
カーマンは苦笑し、情報端末を身に付けた左手を軽く振った。
「相手の方からわざとぶつかってきて、精霊に攻撃されたから示談金を求めるとか、悪質な相手は沢山いると思いますよ」
「やれやれ、面倒なことだね」
「面倒でもお願いします。仕掛けてくる相手が上級貴族の場合、面倒になるので」
「それなら組織を立ち上げる初期の人材は、侯爵家の伝手でお願いするよ。どうせ何処かが入り込んでくるなら、交渉可能な相手が良いからね」
カーマンが言うとおり、カルネウス侯爵家はハルトにとって話が通じる相手だ。何しろ二代後の侯爵がフィリーネで、三代後の侯爵がハルトの子供だからである。
カルネウス侯爵側も、ハルトの魔力や財産、爵位や名誉を保たせたままの方が、三代後以降のカルネウス侯爵に箔を付けられる。
そのため侯爵家は、依頼があれば嬉々として会社に人員を送り込み、邪魔者や面倒ごとを排除して、侯爵家の関連会社との取引関係を縁が切れないくらい深く結び付け、ハルトとフィリーネの関係を強化する方向に進むはずだ。
もっとも肝心のフィリーネは、ライバルキャラらしくハルトに対抗して、主導権争いに必死となっている。ハルトを婿入りさせる形での理想の侯爵を思い描いているようだが、そこはハルトも引けないため、2人の関係は膠着状態にあった。
上級貴族と付き合うと、色々と面倒だ。そう考えたハルトは内心で溜息を吐きつつ、フィリーネを飛ばして直接侯爵に交渉を持ちかける事にした。
戦時体制への移行後、喜怒哀楽の渦が国中を飲み込んでいる。
戦争特需で大いに笑った者や、逆に人材や物資を奪われて泣いた者が続出し、大金と物資が行き交い、精霊結晶を用いた高速船が王国の恒星系を飛び回った。
影響を受けたのは、士官学校や他の軍関連学校も同様だ。
士官学校では、次年度の艦長科の募集定員を3倍にする事になった。その他にも、軍関連学校の定員倍増や、戦闘用アンドロイドの大量生産が行われる。
急な増員だったが、艦長科の2年生が約3300名中74名しか生還できずに教師や教室、寮などが一気に空いた分も活用するらしい。
ちなみに2年生の重戦艦科は、4人で落ち着いた。
4人とも中等部の同期で、全員揃っていれば話が絶えず、寂寥感も紛らわせられる。
だが4人が常に一緒な訳では無い。2年生の重戦艦科が4人になった影響により、全員が何かしらの仕事を割り振られている。そして2人同時に委員の仕事が入った今、ハルトはユーナと二人きりになった。
乙女ゲームのヒロインであるユーナは、フィリーネに劣らぬ恵まれた容姿だ。
やや垂れ目の純粋な瞳、桜色の唇、艶やかな肌、女性らしい体型。そして日本人をルーツに持つタカミヤ男爵家の母親と、様々な人種の高魔力者を取り入れた王族の父親の遺伝子から発現した、明るい茶色の髪と混血故の美貌。
普段は純真で子供っぽいが、最近は憂いを帯びて、大人っぽい雰囲気を醸し出している。
二人きりになって沈黙に耐えかねたハルトは、会話の糸口を探ろうと、不用意な一言を口にした。
「いっその事、3年生に編入してくれたら良かったのになぁ」
地雷を踏み抜いたと悟ったのは、深い悲しみの眼差しで見詰め返された後だった。
「どうしてそんな事を言うの」
ユーナは、噴火を耐える火山のように微細に震えていた。
その一方で、地面から噴き出す蒸気にも似た、静かな怒りも噴き上げていた。
「いや、悪かった」
選択肢を間違えたと悟ったハルトは、すぐに謝罪した。
改めて考えると、ハルト達は同級生の殆どを殺されている。3年生に繰り上がれば、そんな死と隣り合わせの戦場に投入される時期が1年早まるのだ。
ハルト自身は、入学前から戦争再開を知っており、タクラーム公爵家から横取りした高魔力で要塞に乗ろうと考えて士官学校へ進学した。A級精霊も獲得済みで、いざとなれば連合がいない星系に逃げだそうと考えて不安が少ない。
だがそんな人間は王国に1人だけで、他の人達は誰しも不安を持っている。
それにユーナは、フロージ星系で同級生達が焼き殺されていく光景を目の当たりにして涙を流し、その後は敵艦隊に追い回されて自分の番が来る恐怖に怯えていた。そして泣いていたユーナの左手を握ったのはハルト自身だ。
ハルトは今すぐ過去に戻って自分の口を塞ぎたくなった。
「わたしは戦争になって怖いよ。ハルト君はどう思っているの」
ユーナが暗い表情で問い掛けた。
それは戦争に突入した際に、ヒロインのユーナが好感度の高い攻略キャラに対して、不安を口にするセリフと殆ど同じだった。
攻略キャラが「大丈夫だ。俺が守ってやる」などと励まして、ユーナが自身の高い魔力を理由に「でも私も前線に出ないといけなくなるんだよ」と返す。
ハードモードのストーリー上では、王国が今よりも圧倒的に不利な状況で、ユーナのように一等要塞艦を動かせる高魔力者が放置される事は有り得なかった。
現状はそこまで追い詰められていないが、士官候補生であれば数年後には必ず戦場に出る。ユーナが動員される事に変わりは無い。
自分が攻略キャラ向けのセリフを発せられている事に困惑したハルトだったが、思い当たる節は色々とある。
ユーナは魔法学院に進学しておらず、攻略キャラが軒並み不在だ。学院イベントも一切発生しておらず、士官候補生の同期は乙女ゲームにしては荒々しすぎてコレットに弾かれてきた上、先だって全員戦死した。
今のユーナにとって、一番仲の良い男子はハルトだ。
ユーナにとってハルトは、中等部が一緒だった気安さがあり、クラスで4人グループを作って交流してきて、入手困難な精霊結晶を贈られ、人類連合の襲撃を共に乗り切った共同体験を得て、主導して生き延びさせてくれた信頼感を持ち、同期生が居なくなった寂寥感の理解者でもある。これでは好感度を上げ過ぎにも程がある。
「そうだな。確かに皆が不安だろうな」
ハルトは最初に共感を示した。
このような状況に陥ったとき、攻略キャラの何人かは、ユーナに戦場へ出なくて良い抜け道を示して彼女を落ち着かせていた。
ユーナのように貴族の末端に名を連ねており、さらには士官候補生になっていようとも、女性であれば戦場に出なくて済む大義名分を得る方法が存在する。
『高魔力者と結婚ないし婚約した高魔力女性は、徴用対象から省く』
この制度は、高魔力女性を戦場に投入して死なせるより、子供を産んで後の高魔力者を増やしてもらった方が国益に資するために制度として定められた。よほど国家が追い詰められない限り、未来を放棄する選択肢には至らない。
攻略キャラの何人かは、貴族の妻なら前線には行かなくて良くなる事を利用して婚約者に名乗り出て、「この戦争が終わったら結婚しよう」などと口説いていた。
ハードモードで死亡フラグを立てた代償は、ご想像の通りだ。
ユーナが非売品の精霊結晶を手に入れて相手に渡しておらず、共に戦場にも出ていない場合、口説いた攻略キャラは、9割方戦死するか敵の捕虜になる。
ハルトは少し逡巡した後、敢えて攻略キャラと殆ど同じセリフを口にした。
「大丈夫だ。俺が守ってやる」
「でも私も前線に出ないといけなくなるんだよ」
ユーナから返された言葉は、完全にゲームと一致していた。
ここで「貴族の妻なら前線には行かなくて良くなる。アマカワ子爵夫人になるか」と言えば、精神的に追い込まれている弱気なヒロインをゲットである。ちなみに死亡フラグもゲットであるが。
ここでハルトは、敢えて正しくない選択肢を選んだ。
「前に渡した中級精霊より遙かに性能が高い、上級の精霊結晶をプレゼントする」
ハルトは、俺が守るという男らしいセリフで一瞬だけ掴んだ魚を、セリフの間に「財産で」という成金な単語を入れて大海に返した。
キャッチ&リリースである。
但しハルトの場合、既にフィリーネという魚が一匹釣れてお腹が満たされているからリリースするのではなく、釣れた一匹目の魚が抵抗して手一杯だから二匹目をリリースするのだが。
対等な恋人ごっこをする話は、何処へ行ってしまったのだろう。
だが餓えていても、二匹目の魚を釣る場合、二匹目が先に釣った一匹目の魚から噛み付かれない程度の後ろ盾は必要になる。具体的には、カルネウス侯爵家の妨害という噛み付きを防げる後ろ盾だ。
ところでゲームにおいて2年生の後半は、ユーナの父親の正体が明らかになる時期だ。
ユーナの父親は、ヴァルフレート・アステリア第三王子。
ハルトが生まれる前、ディーテ王国は魔力2万9000の第一王子を第一継承権者、魔力2万8500の第三王子を第二継承権者と定めた。
両王子の魔力は僅差で、両者の子供の魔力を見定める風潮があった。
だが第三王子は、王位を継承しないという明確な意思表示を行った。
王国士官学校から軍に進んで宮廷工作から遠ざかり、兄の継承を揺るがすような高魔力の娘とも契らなかったのだ。
第三王子は王族級の魔力と、王位継承のチャンスを自ら捨てて王国に尽くす姿勢が評価され、国王の後押しもあって出世街道の真ん中を突き進んだ。
そんな一時期、第三王子は軍で知り合ったタカミヤ男爵の娘と関係を持つ。
やがて兄の子供に魔力3万の男児が確認された事で、騒動は落ち着いた。その後、第三王子が侯爵令嬢を正式な妻に迎えて、王家は安定する。
ユーナは、第三王子とタカミヤ男爵令嬢との間に生まれた子供だ。
ゲームで攻略相手の身分が高ければ、父親の正体が明かされて身分差問題が解決するイベントが発生する。相手が王太孫や公爵令息であろうとも、ユーナも国王の孫娘の1人にして王位継承権第二位を持つ第三王子の娘であるため釣り合えるのだ。
カルネウス侯爵家に対抗する事は、他の誰に出来なくとも、ヒロインには出来る。
ハルトはふと思い直して、再び餌を撒いてみた。
「ごめん。ユーナのことは俺が守るよ」
「……どうやって」
ユーナは相変わらず暗い表情のまま聞き返した。
「『高魔力者と結婚ないし婚約した高魔力女性は、戦場に出さない』。貴族の妻なら戦わなくて良くなる。ユーナ、アマカワ子爵夫人にならないか」
「ん…………なんで?」
弱った魚が食い付いてきた。
一度は魚を放流した男は、改めて周囲に餌を撒き直す。
「俺はユーナのことが好きだぞ。可愛いし、他に渡したくないと思っているし」
好きなキャラが居なければ、男キャラを攻略する乙女ゲームなどやるわけがない。
ハルトがサリナス准将を殺してしまいたかった理由も、彼がユーナを捕まえてしまうイベントなどに由来する。
「でもハルト君、フィリーネと婚約してるじゃない」
魚は撒かれた餌を眺め、慎重に口先で突っ突いた。
「俺は精霊結晶を作る会社の株を買った時、後ろ盾が必要だった。フィリーネは侯爵家の継承争いで、高魔力者を遺伝子提供者に欲しかった。等価交換の対等な契約。信頼感はユーナの方が高いから、二人が同じ立場だったら、間違いなくユーナを選んでいた」
ハルトは本心から、ユーナに対して高い親近感や信頼感を持っている。
それは「銀河の王子様」の作中で、ユーナの様々な人生を散々に見てきたからだ。
現実との一致を確信している今となっては、ユーナの性格に疑いを抱く余地は無い。
だからハルトは、言葉を継ぎ足した。
「フィリーネは侯爵位を継承する予定だから、アマカワ子爵夫人には成れない。俺はフィリーネ以外を妻に迎えないといけない。ユーナしか考えられない。カルネウス侯爵が横槍を入れないか、心配はあるけど」
「ハルトくん、それは本気で言っているの」
「ああ、本気だ。こんな事を言って、怒るか?」
ハルトは、地道に餌を撒き続ける。
「別に怒らないけど。一応わたしも貴族だから、家とか立場も理解出来るし。それにハルトくんが本当に、本当に、本当に本気なら、ちょっと頑張ってみようかな」
乙女ゲームのヒロインでありながら、恋愛という餌が存在せず絶食状態だった魚は、ついに餌に食い付いた。
「本当に本気だぞ。絶対に嘘じゃない。今すぐ婚約届けを出せる」
「うん、それじゃあ、元気なわたしに戻るまで少し待っていてね」
先程まで不安に苛まれていたユーナは、少しずつ落ち着きを取り戻していた。
一方でハルトは、「餓えていたので仕方が無い。主導権争いに夢中で、まともに餌を与えない方が悪い」などと自分に言い訳をした。
一応これも、ゲームにあるストーリー展開の一つだ。
ストーリー上のフィリーネは、ヒロインと攻略が被るキャラに対して、「遺伝子提供者として協力してくれるなら、ユーナが好きでも構わない」と、折れる展開がある。そうなってくれれば、ハルトにとっては一石二鳥である。
この時点でハルトは、実に乙女ゲームらしい恋の駆け引きの一幕ではないだろうか等と思っていた。