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1編です
尻切れトンボかも知れません
「れんが」
たった一つの煉瓦が
今の私にはとてつもなく重く
そして持ち上げることすら困難である
ロンドンの一戸建て
一つの壁に無数の煉瓦
私は何を築いたのだろう
3匹の子ぶたは
私よりもすごかった
木枯らしに私は自分をさらし続けた
どちらでもよかった
過去に見たロンドンの家庭も
今の自分には叶うはずもないほど
暖かかった
知らなければいい
知らないふりをすればいい
みんな、贅沢だ
だから私も贅沢なやつになってしまったのだ
と他人を責めてみる
辛くなる
ちっぽけな自分は
寒いなか
ずっと煉瓦の縁をなぞっていた
有り難うございました