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泡雪に想念

作者: 七海万里

ここは何処か遠くの森


ひんやりとした心地の良い空気と

ぼんやりとした霞の中で


少年は目を覚ます


旅人の勇者のような装いに

不釣り合いなあどけない瞳が捉えたのは


雪のように白い花


それは

幼き日の母の語りに聞いた

妖精エルフのような少女


声をかけようとするけれど

微笑みを見る前に消えてしまう後ろ姿。



ここは何処か遠くの森


ふんわりとした心地の良い感触と

和らいだ日差しの中で


少年は目を覚ます


あの日の妖精が微笑んで

小鳥のようなさえずりで歌った


頬に触れようとするけれど

掴めなく宙に浮いた手のひら。




ここは何処か遠くの森


まったりとした心地の良い香りと

澄み切った銀白世界の中で


少年は目を覚ます


二人並んで歩いて

視線を交わしてそらした


顔を上げようとするけれど

俯いたまま握り返した体温。




ここは何処か見知った天井


しっとりとした汗の匂いと

燻った灯りの中で


青年は目を覚ます




*****


(追想)


本当はわかっていたんだ

君はもうここには来ない

来てはならない世界なんて

すぐに忘れてしまうのだろう


君と過ごした時間はきっと

僕の中で生き続けるのだろう

片思いで済むのならば

これで困りもしないのだろう


だけど少しでも君の

記憶にありたいと願う

この気持ちだけは

どうか許して欲しい


愛してると呟いた残響

空に舞い上がっては落ちた

この手に降り注ぐ雪は

切ない温もりを残しゐく


音楽と映像と一緒に追想の詩を思いついたので、映像は前半部分の世界観として表現してみました。


頭の中での表現を全部表せたらいいのに、難しいです。

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