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ヒーローと吸血姫と  作者: なるちん
吸血姫の憂鬱 【1章】
6/10

漂流者

先の内容は頭の中で出来上がっている


今の段階の内容はまだできてない。


どうしようもないね

「さぁ!今日も頑張ろうかな」


何を頑張るのかわからないけどテンションを上げるために声を出す。

日も登り始めているぐらいか…大体7時くらいかな?時計なんてものはないので大体でしかない。

いつもこのぐらいに起きてから 軽くジョギングとストレッチを、大体1時間ぐらい行う。そのあとに朝食の用意をする。と言っても簡単なもので、釣り上げた魚をさばくだけという…刺身です。


魚は保存の仕方を発明したため長い間保存できる。どうやるかって?これは吸血鬼にしかできないです。

釣り上げた魚の血を吸い取り、すぐに全体を凍らすだけというね。簡単でしょ?


話が脱線したけどこの後は浜辺の散策。意外といろんなものが流れ着くので毎日の楽しみの一つになっている。


「~♪…?なにあれ……人間…かなぁ?」


散策中におかしなものを見つけ、鼻歌をやめて近づいてみる。人だ。救命の浮き輪を付けた男の人が倒れていた。若干華奢な、年は11,2ぐらい。日本人っぽい。日本人なのかな?船でも沈没したのかな?


「もし死んでたら血は吸い尽くしちゃってもいいよね…」


近くにあった木の棒で脇腹や頬をつついてみるが反応はない。次に脈をはかってみる。これは動いていた。ということは生きている。仕方ないが寝床まで運んで様子を見ることにした。

だが、あまり近づいたり触れ合いたくはなかった。男だった時のことを思い出してしまうから……


「……ぅぁう?……!…ここ…は?」


どうやら気が付いたらしい。拾ってきてからは結構な時間がたつ。


「君は…誰?」

自分の姿が目に入ったのだろう。すぐに答える。

「自分は、ユズキっていうんだよ。あなたを拾ってここまで連れてきたんだよ。」

あえてフルネームは避けた。日本語を喋ったから日本人だ。あの事件のことをもし知っていたらまずいと思ったから。


「僕は、 高崎和樹(たかさきかずき)って言います。たすけてくれてありがと。ユズキさん」


彼はそう言って徐々に近づいてきている。たとえ自分よりも小さな男の子だとしても、体と本能が拒絶反応を起こしつつある。


「お願い…それ以上近づかないで………」


彼に対して背を向けて少しきつい言葉を与える。もし彼を突き飛ばしたりしてしまったら…今の自分の力なら大怪我にだってなるかもしれない。


「う、うん…」


少し先ほどよりも小さな声で答えたのだった。


夜になり小さな寝息が聞こえる中、一人で反省会をする。なぜあんなことを言ってしまったのか…と。もっと別の言い方があったのでは…と。

不安だったのは自分よりも彼のほうじゃないのか。見た限りだと漂流してやってきたのは明らかだったし、今は父や母もいない…


「なにやってんだろうなぁ」


自分自身に呆れため息をこぼした。










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