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番外編002 冒険者は商人の夢を見るか? Side冒険者

今回は、この世界の一般市民視点です。

 俺たちはそこそこ名の知れた傭兵団「スパード・オフェーロ」だ。いや、もう俺以外にはもう残っていないから「だった」とするべきか。


 俺たちは、本拠地をレムセラ王国においている傭兵団で、普段は冒険者として動いている。トップクラスではないが、安定しているということを自負している。


 俺たちがその依頼を受けたのは、1週間前だった。依頼は王国からで、王国西のクレレクレ草原の調査というものだった。毎年、冒険者ギルドがに新版が出る「冒険者の友」に使うためである。


 それにここの所、隣国へ向かったはずの商人が帰ってこない。農耕にあまり向かず、鉱石の採掘と生成で成り立っている王国としてはこれはかなり大きな問題だ。


 だからこそ、俺たちにお鉢が回ってきたのだろう。いつもどうり装備を整え、出発したのが3日前。そして、調査を初めて4日目。つまり昨日、奴は現れたのだ。


 ……胡散臭い笑顔と共に。





 そう、奴が現れたのはちょうど昼食にしようとしていたころだった。


 奴は、「すいません。行商人なのですが、混ぜてもらってもよろしいでしょうか?」などと声を掛けてきたのだ。


 当然、断る理由など無い。人の良いヴァールが、「どうぞどうぞ」だったか返事をしたのだ。


 そうして、何を扱っているのかやらどうして一人でいるのかといった質問をした。


 奴は、「主に、干した果物や燻製肉などの食糧と、ナイフなどですね」

「他にもいたのだが、襲われてどうにか生き延びた」だのおかしくない返事を返した。


 そうして、いつの間にか護衛の依頼も受けてしまっていた。報酬として護衛の間の食糧と、50枚のヘケラス銅貨というなかなかに良い条件だ。断る理由は無い。


 そして今日の朝、俺たちは逃げ出した。すぐに囲まれたわけだが。


 囲んだ相手は、リュバフ。痩せこけたオオカミの群れと言ってもいい。だが、この草原において1,2を争う危険なモンスターだ。


 このリュバフ、数が多く賢い。その上、戦っていると別な群れも加わってくるのだ。さらに、泣く。仲間が死ぬたびにすすり泣きのような独特の鳴き声を上げる。


 あまりにも数が多くなったので、戦列は崩壊。俺と、ヴァールそして奴だけが残った。奴の馬車に乗り、駆け抜けてどうにか逃げ切った。


 そして、奴は笑っていた。


 何せ、逃げ切った先には無数の目が、目が、目が、目が、目が、目が、目が、目が、目が、目が、目が、目が、目が、目が、目が、目が、目が、目が、目が、目が、目が、目が、目が、目が、目が、目が、目が、目が、目が、目が、目が、目が、・・・・・・。


 ラットだ、モンスターと化したネズミ。伝染病を持ちやはり数が多く、死を恐れない、群れの死骸を踏みつけ、喰らい前に突き進んでくる。


 奴の笑いは、どちらかというと嬉しさからあふれるものだ。絶望ではない。そして奴は、ヴァールを突き落とし、俺も突き落とされた。


 ヴァールは既に喰われた。俺も、樹上に思わす逃げたものの奴らは木を登れる。向こうにはリュバフだと思われる目が光っている。


 さて、あの商人は生き延びただろうか。俺たちは、出来る限りのことをやった。悔いはない。


 死んだ両親よ、今からそちらに向かいます。



 

このダンジョンのダンジョンマスターの特典は、

・逃亡不可能

 このダンジョン内において、戦闘から逃げることは不可能になる。

・商人の蔵

 この世界における一般的な商人が所有している倉庫が中身付きで持つことができる。いわゆる空間倉庫の中身入りである。

・脳内マップ

 ダンジョン全域の様子が詳細に分かり続ける。不思議のダンジョン系のマップとほぼ同じである。

・薬物生成

 体内において薬を生成できる。自由自在に分泌することが可能。

・世界の常識

 この世界の常識を知ることができる。

・馬車(馬付き)

 馬車をもらう。ただそれだけ。





次までは、番外編です。


次回は、商人視点です。




世界のみんなが、善人の訳がない。

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