漕ぐ利休君③
青春の1ページ
いつもの帰り道のはずなのにこんなに違って見えるんだな。なんか周りがキラキラ輝いてます。今僕の隣を未侑さんが歩いている。
・・・でも会話が無いよ!!なにか話さなければ気まずくて、仕方ないよ!
「か、風が気持ちいいね!」
「うん!!」
・・・・・・・会話終わっちゃった。・・・
「いつもは友達と帰ってるの?。」
「そうだよぉー」
「いいなー、僕ずっと一人で帰ってたんだ。だから今、未侑さんと帰れて凄く嬉しいんだ。」
「えっ・・・ぁっ///未侑さんじゃ無くて未侑で良いよ///」
「ええー。そんな、悪いよ。」
「私もとし君って言ってるんだから当然なんだよ!だから、悪くないんだよ!」
しぶしぶ分かったとうなずく。
「とし君が良いなら・・・その///これからも一緒に」プワアアアアアアアア!!!!!
「え?なんて?」
「・・・なんでもないですー。」
なんか言ってたみたいだけど、クラクションにかき消されてなにも聞こえなかった。
それから未侑(まだ、言い慣れていない。)と何気ない話をした。
それにしても学校で抱きつかれたときあの弾力のある胸、気持ちよかったなー・・・。
視線がそこに行きがちになる。制服の上からでも分かる膨らみに僕の目が釘付けになるのを自制する。
「未侑ってさぁ、スタイル良いよね。」
「ほんと?でも少し太ってるよほら?」
すると制服をめくり、絹のような白さを誇るそのお腹を露わにする。え?凄く綺麗で柔らかそう。
じゃ、無くて!
「ははははは!早く閉まって!!」
「・・・やっぱ痩せてた子の方が好き?」
「そそそそんなことととととにぁいよ!」
「だってぷにぷにしてるから・・・。」
もうDJ並みのスクラッチになっちゃってるよ。コミュ障な自分を呪いたい。
私のお腹を出したあとから顔も見てもくれなくなった。
やっぱり、太ってるのはだめなんだ・・・。頑張って痩せよう。
「うん。決めた!頑張って痩せる!!」
「えー・・・僕的には今の方が良いんだけどなぁー」
「だってね?可愛い服とか着たいのに、着られないんだよ?」
「私服かぁ。いつか未侑の私服見てみたいなぁ」
!!!!!凄い良いこと考えちゃった!この作戦なら!
「そうだ!この前買った服が似合うか、とし君に見て欲しいな!」
「え?僕ファッションとか全然詳しくないよ?」
「いいの!とし君に見てほしいの!さぁ、いこ!!」
私はそう言うと、とし君の後ろに回り込み車いすを無理矢理押して、私の家へ向かった。
最初は手で車輪を掴んで、止めておこうとか今日はお腹の調子がなんて言っていた。
とし君がおろおろしながら、うしろを振り返ると顔が近くて時が止まった。
お互い黙って、変な空気になって、私は目を閉じたんだけど目を開けたらもう前を向いていた。ぅぅ・・・残念。チューしたかったなぁ・・・。
それからは、大人しく膝の上に手を置き諦めたみたいだった。
しおらしい、とし君かわいいよぉぉぉぉ!!!!
そのまま自分の家にお持ち帰り(変な意味では無く)する未侑なのであった。
幸せが加速しているッッ!!




