一話 恐怖の再臨
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「私は生まれた。私を生んだ男は藤田と名乗った」
藤田
「いやぁ、君は私の娘にプレゼントをくれたんだ
本当にありがとう。
僭越ながら私から君にプレゼントをあげたよ。
…………美希ちゃん」
彼女の名前は清水美希
罪状 殺人
被害者 酒井双葉
私はまた真相を追う事になってしまいました。
谷
「倉田先生!大丈夫だったんですか?」
私
「えぇ、大事ありません。しかし…」
谷
「酒井双葉が被害者だったそうですね?」
私
「間に合いませんでした」
谷
「先生のせいじゃありませんよ、しかし彼女は何者ですか?」
私
「彼女は清水美希と名乗りました」
谷
「清水美希……
は!もしかして、あの…」
彼が驚くのも無理は無かった、清水美希と言う名を私達は知っていた
私
「はい、一葉の体となった子の名前ですね」
谷
「そんな…まさか!清水美希は一葉の体になって死んだのでは?」
私
「私だって、そう思いたくはありません!
しかし彼女がやっと返してもらえたと言っていました。」
谷
「しかし!」
私はまた気付いてしまいました、何故警察の方は気付かないのだろう
私
「彼女の体を見てください。女の子の体にしては肩幅が広すぎます
きっと…」
谷
「男の体という事ですか?」
私
「おそらく、そうでしょう…」
谷
「また何か始まるのでしょうか?何故ですか?
一体どれだけの人が犠牲になれば良いのですか?」
彼は怒りというより悲愴感が漂う程絶望していた
私
「私はまだ解放されないのですね…
何故、藤田先生はこんなにも手術に執着したのでしょう?」
気落ちする私達に声を掛けてきた人がいた
渡辺
「谷!……倉田先生?」
私
「ご無沙汰しています。」
渡辺
「本当に久しぶりですね。」
私
「あの事件以来、私は警察の精神鑑定から悉く外されてきましたからね、本来多い事ではないので」
渡辺
「すみませんでした、我々の力不足で」
私
「えぇ、大丈夫です。ですが今回はさすがに協力させて頂かなくてはなりません」
渡辺
「それは…」
谷
「一緒に捜査しましょう!
先輩、一葉の事件のときはクビ覚悟で先生と捜査したじゃないですか?いいですね?」
私
「ふふ、随分逞しく成長なさいましたね」
渡辺
「最近じゃ私の指示など何処吹く風ですよ
分かりました、行きましょう先生!」
私
「はい」
私には知る義務があります。
必ず真相を掴んで見せます。見ていてください、双葉