第5章 死神
ドーラとロージアは浮遊術で行こうとしたが、戦う前によけいな体力を消耗させないということで、4人はそれぞれウーマに乗って戦場へ向かった。
そして1時間後……
ロウとソージョーは暇つぶしに海を見ていた。
「僕たち本当に海を渡ってきたんだね」
「ああ」
「二人とも何かあるといけないから、ラークさんの家に入りなさい」
「スイマセン。レイカさん」
「おとなしくラークさんの家で待っていようね」
と、レイカは微笑みながら言った。
それはまるで女神様のようであった。
「はい」
ロウは密かに彼女に恋心抱いていた。
と、その時!
二人の男が空から舞い降りた。
二人は秀吉の手下で、しかも一人はあのブラック・シップだ。
「ブラック」
普段は笑顔のレイカの表情が険しくなった。
ロウとソージョーはレイカの後ろで震えていた。
「あなたが、この国で生きていると聞いたときは驚いたわ」
「フッ……驚いたのは俺のほうさ。お前が生きていたわな。レイカ、いや……死神」
その言葉にロウとソージョーは耳を疑った。
その頃ドーラたちは……
「どうした?ロージア」
「何か胸騒ぎが」
「う~む……ブラックがこの国に居るのは確か……」
「大丈夫だろう。レイカさんがいるのだから」
「今の彼女では無理じゃ」
「えっ!?ブラックって奴はそんなに強いのか?」
「強いといえば強い。じゃが、今のレイカでは勝てん」
「戻りましょう」
「うむ」
「えっ?戻るの?」
「龍馬、ラーク戻るぞ。詳しい話は走りながらじゃ」
4人は急いでラークたちの村へと戻った。
そしてレイカたちは……
「レイカさんが死神……女神様のようなレイカさんが……」
ロウはレイカに密かに恋心を抱いていた。
そんな彼女が髑髏団の一人、死神だと信じたくなかったようだ。
「坊主、その女は俺と共に村や町を襲い、さらに邪魔するものを殺してきた俺の元彼女だ」
「本当ですか!?レイカさん」
「……二人共ごめんなさい……」
彼女の目から泪が流れた。
「死神変わったな。で、お前は俺を殺しに来たのか?」
「もう、人殺しはしないと、リュウ様と誓ったわ。だから、おとなしく自首して」
「はははっ!本当に変わったなお前。リュウ・シー・ドーラやゴン・ドーラも来ているのか?」
「……」
「話す気はないか……俺たちは今回は見かけぬ船がこの国に現れたと聞いたため、探りに来ただけだ。レイカ最後に言っておくが、これから先、織田様の天下となる。あのお方は魔法の変わりに、科学という強大な力を持っているのだからな」
「か、がく……」
「じゃあな」
そして二人は立ち去った。
その20分後に4人が戻ってきた。
「レイカ、ブラックに会ったのか?」
「は、はい」
「そうか」
レイカとブラック……かつては仲間であり、恋人同士でもあった二人が、遠いに国で敵対することとなるのは、運命なのであろうか。




