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第2章 龍馬対ロージア

次の日の朝

ロウ、ソージョー、レイカ、ロージア、そして、中岡龍馬たちはゴン・ドーラの家を訪ね、そして龍馬と昨日知った事を話した。


「なるほどのう。海の向こうに別の国があるかもしれんか……昔カーメ先生がこの世界はもっと広く、そしていろんな人間がいる……そんなことを言っていたのを思い出した。今思えばカーメ先生は別の国に行った事があるのかも……」

「僕は絶対にあると思う。そして、僕はいろんな国に行ってみたい」

「夢を持つことはいいことだ。だが、お前はソージョーの一家と共に嵐に遭って、奇跡的に助かった。それでも行きたいか?」

その問いにロウ笑顔でうなずき、そしてドーラも微笑み返した。

「もちろん俺も行くぜ」

「そうか……ところで龍馬とやら」

「なに?」

「お主相当強いのう。この年寄りの血が騒ぐほどに……」

「ま、まあ、自慢じゃないがいろんな奴と戦って負けたのは一度だけ」

「ほう一度だけか」

「でも土方総司とは戦っていない。あと、ジャッキー・リーとも戦ってみたかった。もう100年前の時代に来ていたら、土方やリー、それからあなたやリュウ・シー・ドーラ、そして魔王とも戦えたのに、残念だ」

「お前さんも土方と同じ修羅という奴か」

「かもしれん。俺と戦って勝った奴もそうだった」

「ほう……その者はお前さんと同じ日本人かい?」

「ああ、神威龍一という化け物だ。だが、奴の技を盗んでやった」

「盗んだ?」

「ワシは元々我流でね。龍一やつが使った天神流を独学で学んだんだよ」

「てんじんりゅう……」


天神流……

一五八一年(天正9年)織田信長が大軍を率いて伊賀に攻め込んだ。

「第二次天正伊賀の乱」である。

多くの伊賀者は惨殺された……

その生き残りで、後に天神斎と名乗る忍びが忍術を実戦向けに編み出したのが天神流忍術である。

そのため逃げたり、身を隠したりする術は無い。


「ではその技、見せてもらえんか?」

「えっ?いいけど……じーさんとやるの?」

「ワシはさすがに年じゃ。相手はロージアがする。ロージア良いな」

「えっ?はい」

「レイカさんと二人でもいいんだけど……あの人も強いんでしょ」

「ま、まあ……だが、お前さんの相手はロージアで良い。彼女はワシの息子の弟子だけでなく、バトルソルジャーの三代目じゃ。そして、土方が愛用していた刀を受け継いでいる女じゃ。まあ、預かっているがのう」

「ソイツは楽しみだ」


そしてレイカと龍馬の戦いが始まった。


先に攻撃を仕掛けたのはロージアだ。

素早く重いローキックが左右交互に襲い掛かる。

そして正拳突きが龍馬の顔を襲う。

だが両腕でブロック。

「(早いし一撃一撃が重いぜよ)」

「あの男化け物じゃのう」

「そうですね」

ドーラの言葉にレイカが答えた。


攻撃をしていたはずのロージアが腹部を押さえた。


「ロウ、ロージアさんどうしたんだろう?便秘なのかな?」

「えっ?ち、違うと思う」

「龍馬さんは両腕でブロックしたと同時に、ロージアの鳩尾に前蹴りを放ったのよ」

「全然見えなかった」

「俺も」

戦いを見ていたレイカは強く拳を握った。

「お前も龍馬あいつと戦いたいか?」

「い、いえ……ロージアが苦戦する相手では、私なんかすぐに負けてしまいます」

「フン……」

「龍馬さん、強いわね」

「ロージアさんの方こそ」

「(中岡龍馬、ロージアの本当の強さを見せてやろう)」

そう言ってドーラ自分の部屋に行き、預かっていた日本刀を持ってきた。

「ロージア」

刀を投げロージアに渡した。

ロージアは刀を差し、そして抜いた。

そして晴眼の構えから、やや右に刀を開き、刃を内側に向けた。天然理心流、平晴眼と呼ばれる構えだ。

そしてそのまま3段突き、龍馬は全て交わすが、最後の突きの時そのまま横薙ぎに変換した。

龍馬は避けるどころか、右手で刀を受け、左上段蹴りを放ち、彼女の横顔一寸手前で止めた。


「勝負あったのう」

「私の負けね」

「いや~、ロージアさんが殺す気で突きを放っていたら、ワシが負けてたよ」

そう言って二人は握手した。


「いい物を見せてもろうた。お前たちならどんな嵐にも負けんじゃろう。ロウとソージョーを頼むぞ」

「はい」

「今度こそ海の向こうの国へ行くぞ!見ててよ父ちゃん、母ちゃん」

「ワシは今から国王に船などを借りれるよう頼んでくるかのう」

「お願いします」


5人は海を渡る決意をした。

人生は常に冒険……

夢を本気で追いかければ夢が実現するのかも……




天神流は僕のデビュー作、格闘小説「武勇伝(改)」「天神流外伝」「愛の戦士アルテミス」に登場する架空の古武術です。

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