第9章 覚醒
ついに織田秀吉との戦いが始まろうとしていた。
だがその時、ドーラが胸を押さえ苦しみ始めた。
「(クソ~こんな時……)」
どうやら彼は胸に病を抱えていたようだ。
すると龍馬がこう言った。
「ラークさん、ドーラさんとハニーさんを連れて逃げな」
「お、おい龍馬」
「愚か者共、一人も逃がさん。皆殺しにしろ25号」
「はい」
25号はまず龍馬に攻撃を仕掛けた。
彼の攻撃は止まらない。
パンチや蹴りなどが龍馬を襲う。
また、一撃一撃がすごく重い一撃だ。
だが龍馬も負けていない。
隙を突いて、相手の顔に上段突きをし、見事にヒットした。
そして距離をとるため、後ろに下がり、助走を付けて、25号の頭上より高く跳び、前宙をしてかかと落とし。
天神流の技の一つ天誅だ。
だが、25号は後ろに跳んだ。
「天神流ですか。まさか、この時代で天神流を使う人と戦えるなんて」
彼は爽やかに微笑みながら言った。
「おまん、まっこと強いのう……わしは嬉しいぜよ」
「僕もです」
「けんどわしはそれ以上に、おまんが怖いぜよ。恐怖で体が震えちょる。こんな恐怖は神威龍一と戦ったとき以来じゃき」
「その人なら知っています。22世紀でも有名な武道家でしたからね」
「こりゃ~まっこと、参ったぜよ。勝つ自身がないき」
とその時だった。
兵士の一人が慌てて秀吉のところに駆け込んだ。
「た、大変です。ついに西の国の奴らが攻めてきました。
「何!」
そして、ふと、空を見ると、円盤が一機浮かんでいた。
円盤は近くの岩にレーザービームを放ち、威嚇した。
「龍馬さん、今ですよ。ここ退きましょう」
「お、おう」
ラークの前にドーラを乗せ、ハニーもすでにウーマに乗っていた。
そして龍馬もウーマに乗って、4人はラークの家に戻ることにした。
その頃レイカたちはブラックが一人で、攻め込んで来た為、ロージアと二人で戦っていた。
「俺は強くなった。だが、死神お前は弱くなったな。今の俺なら、バトルソルジャーと二人がかりでも負けんぜ」
「この~」
ロージアが攻撃を仕掛けたが、衝撃波で吹っ飛んだ。
「ロージア!」
「あの頃のお前は強かったのにな」
「今の私には人を守る強さがあれば十分なのよ」
「ふ~ん。人を守る強さね~」
そういうと彼は神速で、ロウの間合いに入った。
「ブラック!止めて!」
「お前に人は守れん」
そう言ってかなり強めの電撃をロウに喰らわせた。
「ギャー!!」
「ロウ君!」
「次はもう一人の餓鬼の方か、それともお嬢さんの方がいいかな」
「どうした?人を守るんじゃないのか?」
「リュウ様ともう人は殺めないと誓った」
空を見上げ、そう呟いた。
「……すみません。リュウ様。そしてごめんね。ロウ君……はああ~」
彼女は気を高めた。
「ん?気の質が変わった!?」
「ブラック、死神の恐ろしさはお前が一番よく知っているはず……うお~!!」
と、叫んだ。
すごいオーラにより彼女の髪が逆立った。
彼女は今、女神から死神へと立ち戻ったのだ。
「ブラック……目の前で死んでみろよ」
ブラックに対して挑発的な言葉だ。
「かかって来い!ブラック!」
「面白い。死ぬのは死神だ」
電撃波を何発も放つブラック。
だが、彼女は全て紙一重で交わした。
そして神速でブラックの間合いに入り、片手で彼の首を絞め持ち上げた。
「あっああ……」
さらに重いパンチを鳩尾に12発喰らわせた。
そして電撃を浴びせ、手を放した。
「死ね」
「待て。待ってくれ。俺たちは昔は仲間……いや、恋人同士だったじゃないか。だから助けてくれ」
「……」
しばらく彼女は黙り込んだ。
「自首して、もう悪い事はしない。だから頼む(……奴が隙を見せたら、強力な電撃で殺してやる)」
そして彼女はこう言った。
「それがお前の最期の言葉だ」
「えっ?」
彼女は手から炎を出し、ブラックに放った。
「うぎゃ~!!」
「生きたまま焼き死ぬのはかなりの苦痛だぞ」
ソージョーとレーヌはもはや言葉を失っていた。
「二人ともスマンな。殺しの現場を見せてしまって」
それからしばらくして、ブラックは死んだ。
そしてレイカの表情が穏やかになっていった。
我に返ったレイカは、すぐさまロウの近くに行き、回復系の魔法を使うが、彼女の魔法では無理であった。
そしてドーラたち4人が帰ってきた。
レイカたちはドーラとロウを布団で寝かせた。
ロージアの方はまだ軽傷だったため、レイカの魔法で何とか回復していた。
レイカたちは今後どうするのか話し合った。