表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

第一章   揺れる季節の中で

 どうして、貴方はその笑顔をあいつにばかり向けているんだろう。

どうして、貴方はそんな顔をしてあいつを見ているんだろう。

どうして、こんなにも上手くいかない恋なんだろう---・・・。

 

 ---・・・少しずつ、風が寒さを含み始めた10月。

夏の残暑が終わりを告げてから1ヶ月ばかり経って、少しずつ季節は冬へと向かっていた。


 ・・・ここ、「晦冥高校かいめいこうこう」では、主に3年生達が受験生の意識を高め始め、学校全体の雰囲気も、ピリピリとした緊張が漂っていた。

 だけど、俺、川上かわかみ 信二しんじは、そんな勉強なんかに学校生活の大半を奪われるつもりは無い。

まだ、高1だし、何より今は、もっと夢中になっている人が居るから・・・。


 「・・・あれ、信二君じゃん。どうしたの?こんな廊下でぼーっとして。」

 

 「・・・先輩!」

 

 ・・・噂をすれば影。

まさにこの人こそが俺の想い人、国重くにしげ 悠里ゆうり先輩・・。

 多分、俺のひいき目を抜いたって、この学校の中で一番美しい人だと思う。

さらりと流れる様な美しい髪。

白く、柔らかそうな肌。

少しふっくらとした頬。

パッチリと澄んだ瞳。

ピンク色をした形の良い唇・・


 ・・どれも、どんな人よりも美しいと断言出来る程、その人の全ては美しくて、つい見惚れてしま

う。


 「・・・信二君?」


 その姿に気を取られて何も喋らない俺を心配したのか、先輩が少し首を傾げてたずねてきた。

肩にかかっていた髪がさらりと落ちて、ドキリと鼓動がなった。


 「・・・・・・あ、はい、なんすか。」


 「・・いや、何も言わないからどしたのかな、と思って。」

 

 「・・いや、ちょっと考え事を・・。」

 

 「へー信二君が。」


 「ム・・。なんすか、それ。」


 「・・いや、何でもナイ」


 先輩は小さく笑って、それから「じゃあね。」と行ってしまった。

すれ違う瞬間、フワリと先輩の髪が俺にかかって、シャンプーの良い香りが漂った。

 ・・・・自分の鼓動が大きく鳴って、身体が熱くなった。


 ・・もう少し話していたかったなあ、と思いながら、俺はさっきまで先輩の居た廊下を見つめて、小さく溜め息を吐いた。


 ・・・先輩と話すのは楽しい。

先輩に会えると嬉しい。

先輩が笑うと可愛い。

・・・先輩が、溜まらなく、愛しい。

 

 ・・・だけど、先輩を見つけると悲しい。

いつも、アイツを見ているから。

先輩が笑うと可愛い。

だけど、アイツの前ではもっと美しくて。

先輩と話すのは楽しい。

なのに、先輩はアイツと話しているときの方が愉しそうで。


 溜まらなく、悔しい。

溜まらなく、悲しい。

 絶対に、俺の方が先輩のこと好きなのに。


  ーーーー・・・。

俺の、大好きな先輩。

愛しくて、たまらない人。

 ・・・だけど、先輩にも、・・・あの人にも、・・・・・。



   ・・・・



 -----俺が、先輩に会ったのは桜が舞い散る4月の頃。


廊下で誰かと話しているのを少し見ただけ。

第一印象は、「綺麗な人」。

こんなに綺麗な人が居るんだな、なんて思っていた気がする。

 それからも、何回か廊下で見かけたけど、別に、それ以上のことも無く、お互い無関心に過ごしていた。

 

 ・・・・だけど、今ならいえると思う。

多分、あの頃から、俺はあの人に惹かれていたんだって。

 ・・先輩にはこんな事、絶対いえないけど。



   ・・・・


 ーーーー先輩の事が好きだって自覚したのは、それから何週間か経った、五月頃。

学校にも慣れてきた俺達一年生は、部活に入る事になった。

俺は、中学からやっていたバスケ部に入ると決めていたので、その日のうちに希望届けを書いて職員室に向かった。

 ・・・ちょうど、その時、廊下で先輩に会った。

 

 「・・・あれ、その紙。君、一年生?・・部活何にしたの?」


・・・いきなりそう話しかけてきた事を、今でも鮮明に覚えている。


 「・・・あ、ハイ。・・バ、バスケ部に入ろうと思ってます」


先輩の様な綺麗な人に話し掛けられるのは初めてだったので、俺は内心ドキドキしていて、あんまり上手く喋れなかった。


 「・・・え!マジで。やった!新入部員!・・・私もバスケ部なんだ!・・ほら、4月頃に新入部員の勧誘やってたの覚えてる?そこでさ、私もバスケ部のビラ配ってたんだ!」


先輩の、少し興奮した顔。

これも、ハッキリ覚えてる。

・・・実は、ちょっと見惚れていたから。


 「・・・あー、スイマセン、俺、ちょうどその時インフルエンザで四日間寝込んでたんです・・。」


 「・・・そーなの?!」


先輩はちょっとだけ目を見開いて、それから、「んじゃあ、残念。」と、小さく笑った。


・・・その笑顔が、やけに眩しくて、俺は目を細めた。


 ・・・鼓動がいつもより早く鳴っていた事には、まだ気がついていなかった。


  ・・・・


 部活が始まって、俺は先輩を意識し始めた。

・・というよりも、自然に目が先輩を追っていた、という言い方の方があっているのかもしれない。


 ・・先輩もけっこう声を掛けてくれて、だんだんと俺は、自分が抱いているこの気持ちが、「恋」という名のものなのだと気がついた。



 ・・・・


 先輩への思いに気がついてから一週間後。

先輩の近くに居る男の存在に気がついた。

廊下で見かけたときなんかも、けっこうその男は先輩の近くに居て、親しそうに話している。


 何だかムカムカしたので、先輩に、

 

 「先輩の近くに居る男の人、先輩の彼氏ですか??」


なんて、嫌味も込めて聞いてみた事がある。

 ・・・・聞いた直後、すぐに後悔した。

先輩の反応が、あまりにも可愛かったから。

 ・・・顔を赤くして、耳まで真っ赤になって、


 「そんなわけ無いって!!!」


なんて、否定したから・・。

 ・・・好きなんだって、すぐに分かった。

ああ、やっぱり好きだったんだ、って、思った。


  ・・・・


 ちなみに、あの後、その男について分かった事といえば、先輩と同じクラスって事と、先輩から「広軌こうき」と呼び捨てされているって事・・。



  ・・・・


 ーーー・・鐘の音が俺の耳に飛び込んできて、ふと我に帰る。

気が付けば目の前に少し古めの見慣れた廊下が続いていて、何と無く現実に戻った様な気がした。

 ・・教室に戻る前に、もう一度だけさっき先輩の居た場所を見直して、胸がぐっと締め付けられた。


先輩が好きなのに、こんなにも好きなのに、どうして叶わない想いなんだろう、どうして先輩は俺を見てくれないんだろう。

 そんな事を、何度も、考えてしまう。

 ・・・自分でも、欲張りだと自覚しているし、自分勝手だな、なんておもったりもしてしまう。

それに、一方では、先輩が幸せならそれでいいって、思っている自分もいる。


・・・自分でも、自分が分からない。

・・・俺は、一体どうしたいんだろう・・。


 -----


 ーー・・揺れる、揺れるこの気持ちはどうしようもないくらい苦しくて。

とても、息苦しいもの。


ーー・・・なのに、想いは止められない。

先輩へのこの感情は、苦しいものなのに、俺にとって、とても大切な気持ものち・・。


 どうすれば、いいんだろう。


このきもちは、どうすればいいんだろう・・・。


 ----


 少しだけ肌寒いこの季節。

風も、空気も、どれも、ちょっとだけ冷たくて。

 まるで、自分の気持ちの様に、中途半端なものだった。


 

 ・・・どうだったでしょうか?><(ドキドキ)

なんだか、主人公、女々しいな!とおもいつつ、なんとか描かせていただいています(汗)


 ・・・ここまでよんでくださった貴方に、心から感謝です!!

有難うございました!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ